小児慢性特定疾病受給者証ってなあに? 障害者手帳と一緒じゃないの?

「小児慢性特定疾患受給者証」って知っていますか?

この言葉を初めて聞く方も多いと思います。実は私も先日知りました。

国から発行される証明書的なもので私が所持しているものと言えば、免許証、保険証、年金手帳、マイナンバーのアレ、そしてとっくの昔に期限が切れている残念なパスポート。

そんな私が、小児慢性特定疾患受給者証と耳にして思い浮かべたのは、病気や障がいなどで生活が困難な方に発行される「障害者手帳」。小児慢性特定疾患受給者証はこちらの中の一種かと思っていたところ全くの別物。

日本に住んでもうすぐ40年が経とうとしているのに、まだまだ知らない事だらけの自国のシステム。正直、マイナンバーだけでもいっぱいいっぱいになっていたのですが、子どもを持つアラフォーとして最近ヒリヒリと痛いほど実感するのは、家族の健康は病気や障がいと隣り合わせにあるということ。

特に病気、しかも子どもの慢性疾患なんていつ起こるか分からないもの。リスクがある限り他人事では済まされないので、知識を使い古した脳みそに刻もうと思った次第です。

 

障害者手帳とは

障がい者手帳

まずはよく聞く障害者手帳の簡単なおさらいから。

障害者手帳はその名の通り障害のある人が取得することができる手帳。障害者手帳を取得すると、障害の種類や程度に応じて様々な助成や福祉サービスを受けることができます。

一般に身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の三種類の手帳を障害者手帳と総称して呼ばれています。

◾身体障害者手帳
身体障害者が健常者と同等の生活を送るために最低限必要な援助を受け、自立や社会活動の参加を促し、支援することを目的として作られました。身体障害者福祉法が定める身体障害の種類・程度にあてはまり、その障害が一定以上持続する場合に限って取得できます。
主な障害は視覚障害、聴覚又は平衡機能の障害、音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害、肢体不自由、心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害など。

◾療育手帳
知的障害児または知的障害者に対して、一貫した指導・相談・各種の援護措置を受けやすくするための制度。各都道府県や指定都市独自の発行であるため、サービスや判定は様々。一般的に知能測定値(IQ値)、基本的生活習慣、問題行動を総合的に判断し、各地方自治体の指定機関で判定され、交付されます。
*地方自治体によって手帳の名称が違う場合もあります。

◾精神障害者保健福祉手帳
精神障害者が一定の精神障害の状態であることを示す手帳。精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的としている制度。
統合失調症、そううつ病、てんかん、アルコールや麻薬などの中毒神経症、心理的発達の障害などの精神障害の程度により、重い順に1級・2級・3級と決められており、その手帳の等級によって受けられる福祉サービスに差があります。

 

小児慢性特定疾病受給者証とは

小児慢性特定疾病医療受給者証特定疾病医療受給者証

小児白血病、小児ぜんそく、先天性の糖尿病やダウン症など、子どもの慢性疾患は、とくに治療期間が長い傾向にあります。それと同時に気になるのは病気にかかる医療費。

わが家では風邪など年数回の通院でも家計を圧迫しかねないのに、慢性疾患ともなれば入院や頻繁な通院が年単位……。そうなれば国の各種保険や制度などがあるとはいえ、医療費が高額になることは容易に想像ができます。

そんな家計の負担を減らしてくれるのが「小児慢性特定疾病受給者証」。これは小児慢性特定疾病対策の該当者に発行されるもので、医療費の自己負担分を補助する医療費助成制度が適応され、患者家庭の医療費の負担を軽減してくれます。

 

対象者は18歳未満(医師が引き続き治療が必要だと判断した場合は、20歳未満まで延長可能)。

対象疾病の数はは722(平成29年4月現在)。代表的な疾病は前述の白血病、糖尿病や小児ぜんそく、ダウン症など。それ以外の多くは聞いたことも見たこともない病気の数々でした。現在の社会にこんなに多くの疾病が存在していたことに驚きです。

その裏に、長く病気と闘うことを余儀なくされた子どもたちが多くいること、そしてそれを見守る家族がいるという現実が浮き彫りになってきます。

どう違うの?

障害者手帳では自治体、障害の程度によって異なりますが、一般的には国税、地方税の諸控除及び減免税、公営住宅の優先入居など。身体者障害手帳は医療費(健康保険の自己負担分)助成や、福祉機器などの交付、療育手帳には特別児童扶養手当、心身障害者扶養共済などもあります。

手帳の種類によりますが、このサービスは手帳を更新する限り一生涯受けることができます。

 

一方、小児慢性特定疾病受給者は、前述の通り医療費の助成が受けられ、患者家族の世帯年収により自己負担額が決められています。

医療費助成以外にも、小児慢性特定疾病をかかえる子どものための福祉サポートも。生活していく中での悩みの相談や、家庭内で療育をされている方を対象にした巡回相談指導、生活用具の給付など様々(こちらは自治体によって異なります)です。

 

小児慢性特定疾病受給が終了した元・小児患者たちのケア

小児慢性特定疾病受給は最長20歳までしか受けることが出来ません。成人を迎えた後の治療に関しては、高額療養費と医療費控除などを利用することになります。

ダウン症は近年医療の発達で患者の平均寿命が飛躍的に伸びました。成人後の支援も注目を浴びる中、日本ダウン症協会では、高校生以上のダウン症のある子をもつ相談員さんが、相談に乗ってくれるというサポートも。同じ経験をしてきた方とのお話は心強いですよね。

その他、必要に応じて、医療や福祉等の専門家のご紹介などのサポートもあります。

公益財団法人 日本ダウン症協会http://jdss.or.jp/index.html

 

小児がんは、医療の進歩で治癒できるようになり、サバイバーも増えてきました。が、患者が発育途中であることなどから、成長や時間の経過に伴って、がんそのものからの影響や、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって生じる合併症がみられます。

現在、小児がん患者を継続してケアする医療体制が整えられつつあり、小児がんの診療を行っている医療機関の中に長期フォローアップ外来が設けられたり、長期フォローアップ拠点病院などもできはじめています。

出典:国立がん研究センター小児がん情報サービス https://ganjoho.jp/child/support/aftercare/aftercare02.html

 

また、指定難病に対しては難病医療費助成制度があり、医療費が助成されます。が、1型糖尿病など小児慢性特定疾病では認定されていたけれど、難病には指定されていない(2018年5月現在)ものも一部あり、問題になっています。

難病支援センター(http://www.nanbyou.or.jp/)

まとめ

万が一、自分の子どもに障害があったら、病気になったら、国や病院からこのような支援が受けられるのか、ということを改めて知りました。

子どもが白血病や糖尿病など長期で治療が必要になったとき、まして命に関わる病気だったら、親さんの精神的な負担は想像するに余りあります。それ以外にも、治療につきそう親は仕事を続けることが難しく、治療費も高額となれば、経済的な負担がかかることも容易に想像がつきます。

そんな子どもの治療に対する負担感を公的に支援してもらえる制度は必要不可欠で、支援を受けるためのベースとなるのが「小児慢性特定疾病受給者証」なんですね!


チャーミングケアラボでは、病気や障害のある子どもと家族に対する適切な配慮のできる人材育成のための「チャーミングケア研修」事業を計画中です。


チャーミングケア研修は2022年1月より開始予定です。 研修事業に興味があったり、コミュニティ内で色々な繋がりを持ちたい!という方は、下記にコミュニティへの事前受付をしております。 *講座や勉強会に関しては、別途料金がかかります。ご了承ください。

 

働くを諦めないー病気や障害のある子どもを育てる母親たちの働き方改革ー

子どもの障害をきっかけに、インクルーシブ学童施設を設立!横須賀の肝っ玉母さん

前回は病気や障害のある子どもを育てる母親たちの働き方改革を実例取材やわたしの行なっている事業での事例などもふまえて紹介した。インクルーシブ学童やインクルーシブ美容室などとても素晴らしい取り組みだった。
しかしながら、インタビュー取材した事例は、本当に稀な事例だということも知っていただきたい。病気や障害のある母親が働く一歩を踏み出すのは至難の業なのだ。今回は、実際にわたしが子どもの病気をきっかけにキャリアストップを経験し、新しい働き方をするまでの経緯と、「就労意欲」自体を支援しなければ働く一歩を踏み出せない母親達の事例を紹介する。

子どもの病気、キャリアストップ、自分に合った働き方が起業だった

私の息子は2016年に小児白血病に罹患したが、それ以前にわたしのキャリアストップのタイミングがあった。
遡ること12年前、長男の出産の際に切迫流産と診断され長期入院の末、切迫早産での出産。
生まれた長男には心疾患があり、その後1ヶ月をNICUで過ごし、それまで勤めていた広告会社への復職は難しいと判断した。
私の場合は、その後立て続けに子どもを妊娠出産したので、再就職のタイミングを完全に失ってしまったという点と、居住している地域が郊外であったため通勤時間がネックとなり、幼稚園に通わせていたことも相まって働くことが現実的ではなかった。
ただ、結婚前までにかなりバリバリと働いていた自分が嫌いではなかったし、いつか必ずまた自活できるだけの収入を得たいという希望は捨てきれず、自分で事業を立ち上げる原動力にもなった。

もっというならば、経済的余裕は精神的余裕に直結する。夫婦であったとしても、自立した経済状況を自分自身で担保できないことに対する不安が大きかった。

現実的には働く事を諦めざるを得ない状況ではあったけれど、自分の中では決して諦めていなかったのだ。
そこにずっとあったのは「就労意欲」だ。
働くことが自分の承認欲求を満たすことを自覚していたし、然るべき収入を得られるだけの自信もあったのだ。
*ここでの事業立ち上げはチャーミングケアではなく、WEB制作や企画などを請負う、企画事務所のことを指します。
だが、その就労意欲自体をサポートしなければなかなか働く一歩を踏み出せない母親達もいる。

就労意欲自体に支援を 士業の目線からの支援事例

取材を進めていく中、ひとり親世帯の「就労意欲」という部分にスポットを当てて支援を行なっている団体とご縁をいただいた。大阪に所在を置くNPO法人ハッピーシェアリングだ。

代表の築城由佳さんは病気や障害のあるなしに関わらず、一人で子どもを育てているシングルマザーの就労支援事業なども行なっており、母親としてだけでなく一人の人間としての自立を促している。

社労士でもある代表の築城さんと、同じようにシングルマザーへの支援事業に詳しい行政書士の小泉道子さんに士業からの目線もふまえてお話を聞いた。
ADRという手法で、離婚問題を解決していく事業を行なっている小泉さんは、たくさんの離婚相談を受ける中で、病気や障害のあるお子さんを抱えたお母さんとシングルマザーの方というのは、同じように「子の介護」によって就労の機会を失いがちになる面で似ていると語った。
ただ、シングルマザーに関しては、それ相当の手当や助成があり、「生きていくための最低限の食費を稼ぐために、身を粉にして働かねばならない」状況ではないというのが実情のように感じるそうだ。
「例えば、離婚相談などの中で先行きのことを見越して就労支援の話を事前に進めても、『余計なお節介』と取られてしまう場合もあります。
日本には、セーフティーネットとして生活保護の制度があります。
例えば母子寮などを活用して生活保護を受けていると、パートや派遣で働くよりも保護を受けているときの方が収入が多い場合もあるのが起因しているように感じます。」

と語った。

そして築城さんは
まず目先の生活だけでなく、自分の人生設計においての見通しをたて、社会からの承認欲求を持たせるという「就労意欲」を支援する必要があると語り、そこに「子の介護」という負荷がさらにかかると、どうしても働くという事に舵を切れない母親が多いと語った。
「私の運営している団体の相談の中でも「子どもの障害」というキーワードが上がってくる事があります。私も経験していますが、子どもに病気や障害がなくても、一人親になって子どもを養育していくことというのは相当に大変なことなのですが、さらに障害受容ができない保護者さんがいらっしゃるのが現状なのです。」

就労意欲を支える側を増やすことも必要

そして、子どもを育てるために離婚後も面会交流をサポートする第三者支援機関は、首都圏など都市部には多いが地方ではまだまだ足りておらず、支援機関がない県もあるほど。

首都圏などの都市部だけでなく地方にも体制作りをしていく必要性があるのではないかと築城さんは語った。

コロナ禍が後押しをしている、最新の「新しい働き方」


就労意欲の問題は確かに深い問題だと感じる。しかしチャーミングケアの行なっているアンバサダー事業のように、ライトに働くという方法であれば、気負いなく社会参加の一歩を踏み出せるのではないかと感じる。
もちろん私のように元々就労意欲が高く、働くことに承認欲求を求めているタイプは、しっかりとした収入を得なければ、働いている実感も得にくい。

私の今の働き方はどうかというと、この7月から運営している一般社団法人を非営利型にしたことをきっかけに、元々経験がある制作ディレクション関係の職種と、20年後を見据えて長く働くことができそうな幼児教育の講師としても就労している。
自宅と近郊に借りているオフィスとを行ったり来たりして、フルタイム&フルフレックス、フルリモートというスタイルで就労しメインの収入を得て、自分のライフワークにもなっているチャーミングケアの事業と両立をはかっている。

そしてそのオフィスを中学1年生になる息子の趣味や勉強の場所としてシェアをし、お互いがどのような影響を受けるかという実験にも挑戦している。
ランサーズ株式会社が提供している「新しい働き方ラボ」というコミュニティで、新しい働き方の研究員として親子で活動しているのだ。

そのことに関しては、8月21日に開催した下記イベントでも説明をした。
#働くを諦めない ― 病気や障害のある子どもを育てる母親たちの「働き方改革」―

理想の働き方を実現するのに12年

時間はかかったけれど、自分の生活スタイルにあった働き方がようやくできるようになっている。キャリアストップをして、こうだったら働けるのにと思い描いてから12年かかかった。
一方で、自分の事業以外での就労を決めるのに、3ヶ月間で100社以上に履歴書を送り、失意の日々を送ったことは記しておきたい。
子どもに病気や障害がある母親が、キャリアストップの後にそれなりの収入を得て働き続けることは決して容易ではないのだ。

#働くを諦めない 病気や障害のある母親たちの働き方改革

なんとなく大丈夫そうに思われがちな私でも、正直なところフルリモートという部分を差し引いたとしても、40歳を過ぎて新しい仕事をするということはとても大変だ。

何が大変かというと、社内ルールを把握する自分自身のスピード感が20代の頃と比べると明らかに劣っており、できない自分に対しての劣等感が募るのだ。

いくら自分で事業をしていたとしても、他社とでは勝手が違う。働くということを諦めていなかった私ですらその状況だ。実際に全く働いてこなかった人に関しては、もっと困難な状況になることは想像に難しくない。

今後わたしは、この病気や障害のある子どもを育てる母親たちの働き方改革に関して、自分自身で実証実験をしながら、アンバサダー事業やこれから始めようとしている支援をする人材育成のための研修事業において、もっと深く関わっていきたいと考えている。

#働くを諦めない 母親たちが自分らしくいるために、広げていきたい考え方だ。

子どもの障害をきっかけに、インクルーシブ学童施設を設立!横須賀の肝っ玉母さん

#働くを諦めない というスローガンのもと、病気や障害のある子どもを育てるお母さんたちの働くことを応援したいと、チャーミングケアでは「アンバサダー」制度を導入し、チャーミングケアモールのマーケティングや記事ライティング・音声配信の文字起こしなど、様々なことに関わっていただいています。

ただチャーミングケアでは、あくまでアンバサダーという関わり方で、正社員雇用で就労してもらっているわけではありません。
雇用の創出も含め、病気や障害のある子どもを育てる母親の就労支援をしている団体の話を聞いて参考にさせていただこうと横須賀市に所在を置く一般社団法人sukasukaippo(すかすかいっぽ)の代表五本木愛さんにお話をうかがいました。
*五本木さんのインタビューに関しては、後ほど音声配信でも楽しんでいただけるよう準備しております。

なんと6人のお子さんがいて、さらには40代で既にお孫さんもいる五本木さんは、とても素敵な笑顔で、課題解決のために思い描いた事を着実に実現化しておられ、その素晴らしい取り組みについて語ってくれました。



一番下の子がアンジェルマン症候群という疾患だということが、生まれて1歳になった頃にわかりました。
たくさん子供を育てていると多少のことで動揺はしないのだけど、子育ての中で「あれ?」という違和感を感じて医療機関を受診しました。
子どもに障害があるとわかった時、とてもショックを受けました。
子供もたくさんいたし、それまでの人生経験いろんなことがあったけれど、人生の中で一番ショックでしたね。
自分の責任のように感じて、自分が悪かったのではないかと自分自身を責めました。

娘に対して申し訳ないと感じた。

結婚して出産してという娘の人生の見通しをうまく立てられないことに対して、とても罪悪感を感じました。

疾患がわかったときは、本当に落ち込んでしまって毎日泣いて過ごしていました。

けれど、アンジェルマン症候群の特徴として、いつも子供がニコニコしているという特徴があり(躁鬱の躁状態が続いている状態が続く)、それをみていたら、子どもの障害について可哀想だとか幸せじゃないとかそういう感覚というのは親である自分の偏見なのではないかと気づき始めました。
彼女は彼女らしく自分の幸せを見つけるべきだし、それを支えるのが親の役割だと気づいたのです。

そうすると泣いている場合じゃないと思うようになりました。

この子を幸せにするために何ができるだろう?できることは全部やりたい

最初に考えたのはいわゆる親なき後の問題でした。

兄弟はたくさんいるので兄弟にお世話をして貰えばと思われがちだけど、それは違うと思ったんです。

兄弟には兄弟の人生があり、彼らも自分たちの幸せを生きるべきなので、そうなると本人の自立を目指すことを考えないといけないと思いました。

娘はおそらくこの生まれ育った横須賀の土地で長く過ごすことになる。
過ごしやすい地域づくりをしなければと考えるようになりました。

よりたくさんの人に知ってもらいたいと娘自身にインクルーシブ教育での保育を受けさせたいと希望しました。
普通級の幼稚園と療育センターの両方に通えるようにお願いして、兄弟が多かったこともありみなさんとても温かく迎えてくださり並行通園できるようになりました。

そんな時、療育センターで役員になり)行政会議に出席するようになりました。そこで障害児に関する情報量の少なさを実感するようなりました。

できれば通っている療育センターには情報を共有したいと保育通信を作るようになり、行政からの情報を広報するようになりました。
自分の通っているところだけでは不十分だなと感じるようになり、2016年にホームページを立ち上げ、市民活動団体として情報提供をするようになったのが活動や事業の起点です。

障害者が働くってどういうこと?など、病気や障害のある子どもたちの親が知りたい子どもの見通しに対する情報を発信すると、非常に好評を得ました。
その活動の中で、取材先に行くと、地域で働くところと需要と供給のバランスがアンバランスなので、就労先がなく困っている人がたくさんいる声をたくさん聞くようになりました。

ないものは自分たちで作ろう!から始まった事業

就労先がないという課題は自分達の子供にも関係があるけれど、地道に行政へ働きかけをして実現化できる頃には、自分たちの子供がそのサービスを受けるタイミングが間に合わないのではないかと疑問を持つようになり、ならば自分たちで作ろうと始動し始めました。
2017年、横須賀テレワークという事業を開始しました。

商工会議所の会員になり、商工会議所とコラボレーションして8人ほどの病気や障害のある子供を育てるお母さんグループがタッグを組みました。
これは2021年現在、登録ワーカーは90名を超え、市内取引企業も50社を超えています。また、横須賀市からひとり親の就労支援委託も受け、障害者就労援助センターとも連携を取るようになりました。
在宅での仕事がメインですが、時短での通勤など多様な仕事を受けるようになっています。

商工会議所と一緒に地域に根付いた雇用や情報共有、広報などを連携しています。
障害者雇用のサポートも行っていて、その人に合った形の働き方を実現させたいと考えています。
在宅という働き方ももちろんですが、もっと当たり前に地域企業へ障害者の方が働きやすい環境を整え受け入れてもらえるようなシステム作りを目指しています。

2018年にはインクルーシブ学童施設も設立。


障害差別や偏見を少なくするには小さい頃からの教育が大切だと感じ、病気や障害のある子どもと通常級の子どもを一緒に混じり合える「学童」にこだわりました。
健常の子、障害のある子、どっちかが我慢するのではなく「友達」として過ごせる空間を作りたいと考えています。
現在は31名の児童をお預かりし内半数が支援の必要な児童です。

保育所と美容室も運営しており、保育所を運営しようとしたときに商店街で場所を借りたとき、2階の活用法としていいものはないかと考えました。

たまたま妹が美容師をしていて、多動のある娘の髪をずっと切ってくれていたけど、他のご家庭のほとんどは親が髪を切るケースが多いことが頭に浮かびました。
その課題を解決できないかなと考えて、妹に美容室経営を依頼し、隣接した美容室を開業しました。
現在保育所は認可外から横須賀市初の公的な一時預かり保育事業へと変わりました。利用人数も増え、公的な施設になったため利用料も安くなり沢山のかたに利用していただけるようになりました。併せて待機児童の受け入れもしています。
美容室の方も予約が常にいっぱいの状況で、たくさんの障害児のお子さんが来てくれています。

事業の根底にあるのは、自分たちの子どもが、自分たちの生まれた場所で過ごしやすく生きていけるための整備をしていきたいという思いからなので、次は中学生の居場所を作りたいと考えて学習障害のある子どものサポートをしたいと2021年4月から日本財団の助成も受け支援の必要な中学生対象の学習支援事業をスタートしています。

今は、重症心身障害の子も見れる放課後デイサービスを作りたいを考えています。というのも、よく耳にするのがお風呂の問題で、ゆっくりお風呂に入れる施設を作りたいと考えています。

*チャーミングケアモールwish+でも、お風呂に関しての取材をさせていただいています。併せてご覧になってみてください。
https://charmingcaremall.com/ccm-ja/thischarityprimo/

衣食住全部揃ってQOLの向上。それを一つ一つ解決していきたい

ここ数年で色々事業を進めましたが、やはり話の根底はどこまでいっても私は親なので、自分の子どもが幸せに生きていける環境を整えていくことを使命だと考えています。
単純に子どもが生きていけるための金銭的財産を残すだけではなく、生まれ育っておそらくその後も暮らしていくであろう地域で、子どもの特性を理解してもらいが愛され、みんなが暮らし良い環境を整えるのが親である私の役割なのではないかと考えています。

 *こちらの記事に関して、続編の追加取材などがありますので、以降整い次第アップさせていただきます。

ぼくたちの課題シェアー新中学1年生が主催するトークイベントのお知らせ

新中学1年生が主催する、病気や障害当事者の子どもたちによるトークイベントのご案内です。
7歳(小学2年生)で小児白血病に罹患し現在12歳(新中学1年生)になった主催者石嶋壮真さん
病気や障害の話もそうだけど、学校や生活の中で困ったことや、わかって欲しいことがあったと言います。
幼児でもないAYA世代でもない月齢の子どもなので、自分の意見があったとしても、なかなか誰かと共有する機会が少ないので、一般社団法人がんサポートナースさんや当団体の協力のもと、このイベントの開催に至りました。

イベントのお申し込みはこちらから
https://somatalk.peatix.com

2021年4月3日 (土) 14:00 – 16:00
オンライン配信
参加する子どもたちはzoomにてトーク
*大人の参加者は、同時配信のYouTubeにて子どもたちの話を観覧いただき、その後のアンケートにお答えいただきます。

是非、子どもたちの意見に耳を傾けていただければと思います。
*一般社団法人チャーミングケアはこの活動を応援しています。

病気や障害のある子どもたちと家族のためのトータルケアを考える(ADR編)


チャーミングケアという、病気や障害のある子どもたちと家族のためのトータルケアを考案し推奨しだして早2年。
きっかけは、息子が2016年に小児白血病に罹患したことが起因している。
初めはがんの子供の外見ケアに関して、大人には「アピアランスケア」という外見上のケアに対する重要性も包括的に治療に取り組んでいく考え方があるのに、どうして子どもには浸透していないのだろうか?という疑問から、メンタルケアや家族のためのケアにまで目が向くようになり、周辺にある様々な課題を問題提起するようになった。

しかし、我々の掲げているチャーミングケアは、具体的にどんなものを指すのか?という部分は、これから研究していかねばならないジャンルになっており、そのためにポータルサイト「チャーミングケアラボ」を立ち上げるに至った。
2018年にサイトを立ち上げ、翌年には一般社団法人チャーミングケアとして活動を本格化する。
主に文章での発信をメインとして、ワークショップやオンライン座談会などを行いWEBメディア「ハフポスト」へのブログ連載の影響もあり、たくさんの方の支援や協力を得られるようになった。
2019年末、物販事業を別会社「チャーミングケアモール」として立ち上げることを機に、少し活動をスローペースにしてきたのだけれど、何か継続可能な方法はないものか?と考えたとき、無理なく続けられる「音声配信」という方法に辿り着いた。
毎回、なんらかの形で我々の考える「チャーミングケア」関わりのある様々な職業の方をゲストに迎え、お話を聞くというスタイルで毎週日曜日に音声配信を行なっている。

初めてのゲストは、家族のためのADR推進協会を運営されている元家庭裁判所調査官の小泉道子さんにお話を伺った。
小泉さんは、チャーミングケアで過去に開催した、

親亡き後問題の成年後見人

にて専門家として参加していただいた経緯がある。
座談会では、小泉さんを含め行政書士・司法書士・弁護士というそれぞれの専門家と当事者家族がオンラインスタイルで話をした。


小泉さんの経歴が元家庭裁判所調査官という全国的にも少数の職種で、かつ成年後見人を選任する側の仕事をされていたというのが、当事者家族の方にとってとても有益な情報提供に繋がったのではないかなと感じている。
そんな小泉さんは現在ADRという訴訟手続によらない紛争解決方法で、主に離婚問題について尽力されている。小泉さんの特徴は、「子どもを主軸に考える」ところで、その点がチャーミングケアの考え方とリンクする部分だ。



小泉さんは、音声配信でこう語ってくれた。

今回のコロナ禍で、戦後初めて家庭裁判所の調停機能が一時停止されました。
コロナ禍の自粛生活で、家族みんなが家の中にいて家族間の問題が起こりやすい最中、界隈はパニックになりました。
一方で、ADRは民間の仲裁機関なので、オンラインで面談が可能です。扱う件数自体はグッと増えている感触があります。
行政書士の業務は多岐に渡ります。
ですがその中でADRを取り扱おうと思ったきっかけは、家庭内の紛争の中で「子どもの存在」の大きさに気づきました。
一番傷つきやすい存在であると同時に、子どもの生きる力強さみたいな部分も感じるようになりました。子どもの存在を意識しながらADRに関わるようになると、離婚するご家庭の方が一緒に子どもについて前向きに話し合いをするようになりました。
チャーミングケアの対象となっている病気や障害のあるお子さんは、立場的に弱く守ってあげないといけない存在ではあるのですが、一方でそのお子さんの影響力や持っているパワーというのはとても大きいですよね。
子どもを産み育てるというのは、結婚生活においてたくさんのハッピーも運んでくるけれど、たくさんの波紋も起こします。

一般的に離婚が起きやすい子どもの成長年齢は、0−2歳がトップ、その次に3−5歳と言われています。
そこにチャーミングケアの対象になってくるような病気や障害のあるお子さんとなってくると、もっと多様な問題が入り組んでくるのは、想像に難しくないかと思います。
そして、ご夫婦間だけではなくて、時にはお子さん自身が独自の考えを持っている場合もあるので、「子どもの存在を中心に」考えるADRというのは、わたしのテーマだなと感じています。

子どもの人権(知る権利と意思表明権)を考える

小泉さんの話を聞いて、わたしは自分の子どもの事と、わたし自身の子ども時代の事を回顧した。
わたしの息子が入院している際に、子供同士の話題を耳にしたことがある。ある子どもが、同じように闘病中の年上の子に相談をしていたのだ。

自分の病気は先生や親から説明されているよりもきっと重いと思う。
自分のことだからわかっているんだけど、それが親にわかってしまうと、親が悲しむので言えないんだと。
重い病気の治療をしている子どもが、体調も精神状態も決して良好ではないなか、親のことをこうも気にかけるものなのかと、カーテン越しに聞きながら涙が出たのを思い出す。

そして、同時に自分自身の子ども時代の記憶も思い出した。わたしの父親は中学の時に蒸発していまい、その後も働きながら高校・大学と進学した経緯がある。
蒸発の経緯などについて、子どもではあったけれどほとんど理解していたのだけれど、当時一緒に暮らしていた母親はわたしが理解している事を認識していなかった。

親の思い子知らずというが、その逆もあって「子の思い親知らず」もあると、少なからず経験者のわたしは感じている。

子育ては誰の役割?世界の子育て感

日本人の文化的な問題も少し起因しているように感じる。
日本では子どもは親の庇護のもとに存在していて、子どもの人権や意思表明に関する部分への認識は薄いように感じる。
その話で言うと、息子の入院中に中国籍のお子さんが入院していたのだけれど、そのご家族の付き添いにお母さんの姿はなかった。
ほぼおばあちゃんが付き添いをしており、夜の寝泊りはお父さんと交代制をとっており、お母さんは働きに出ていたのだ。
日本人の感覚からしたら、「なぜお母さんが付き添いをしないんだ?」と思うかもしれない。
しかしこれは台湾に一時期在住されていた小泉さんからのご意見でも明らかになったのだが、中華圏の子育て感は「できる人がする」という考え方なのだ。
若いお父さんやお母さんは働けるのだから、外で働けばいい。
もう働く事を積極的にしていない祖父母が子どもの面倒を見れるのであれば、見るのがごく当たり前の考え方なのだそうだ。

わたしもそのご家族にお話を伺った当初、ちょっとしたカルチャーショックに陥ったが、ご家族の子どもに対する接し方が子どもを子ども扱いしていないというか、幼少期の子どもであっても「人として」接しているのが見て取れた。
子育てに正解はない。しかし、子どもの人権を尊重し、人として接する価値観も子育てを円滑に進めていくヒントなのではないかなととても感じた。

●小泉さんのインタビューは、チャーミングケア公式noteでアーカイブを聴くことができます。ポッドキャストでも同じ内容を配信しているので、是非聞いてみていただけたらと思います。

父として。子どもの病気、障害。家族の形をみなおすときvol2

*こちらの記事はForbes JAPAN にて連載している『チャーミングケアで広げる家族の視点』の原稿文となります。

闘病中の子どもに付き添うのはいつも母親? 「父親」だからできること

原稿文を2回に分けて掲載しています。前回はこちら
父として。子どもの病気、障害。家族の形をみなおすときvol1

エンターテイメントの力で笑顔を届けたい 得意分野を生かし、立ち上がったお父さん

自身のお子さんの闘病経験をもとに、病気や障害のある子供たちのために自分のできることを形にしたいとプロジェクトを立ち上げたお父さんがいます。
2020年2月15日国際小児がんデーに合わせて開催した『LIVE EMPOWER CHILDREN 2020』を企画したEmpower Children の保屋松清人さんです。
(同イベントはEvery Little Thingさんや倖田來未さんらが出演するチャリティーライブで、その他多数のアーティストが参加されました)
収益は、全国の小児がん拠点病院や支援団体を通じ、関連施設の拡充やがん治療の研究費に充てられ、更に小児がんの子供たちにエンターテイメントの力で笑顔を届けたいという理念のもと、ライブの様子を国立成育医療研究センター内で入院患児らを対象に同時配信されました。
https://empower-children.jp/lec/

この素敵なイベントを企画した保屋松さんにお話を聞きました。

自分の子供ががんにかかるなんて・・・

当時の自分を振り返ってみると、とにかくがむしゃらに息子の命を守りたいという一心で行動していたと思います。
なかなか難しい種類のがんだったので、ありとあらゆる治療法をあたりました。
エイベックスで有名アーティストのマネージメント業務に携わっていたこともあり、子どもの闘病中、治療を嫌がって毎日泣いていたに同時期に入院していた子供にアーティストからのメッセージを手渡すと、治療に前向きなったことをきっかけに「エンターテイメントは生きる力を支える」ということを再認識し、今回の企画を立ち上げました。

僕も、仕事柄とても忙しく時間も不規則ですし、いわゆる家庭を顧みない父親だったと思います。子どもが病気になって、初めて家族と向き合うことを考えさせられました。
24時間体制の付き添いではなかったですが、1年半ほど子どもの闘病を家族で乗り越えました。
妻と役割分担を考えて、僕にできることはなんだろうと考えた時、とにかく子どもの命を守りたい、そのためにできることはなんでもしようととにかく情報をあたりました。
その部分が自分にできる役割だと認識していました。
闘病中、主に情報交換という形で他のお子さんのお父さんともコミュニケーションをとることもありました。

子どものメンタルケアに関して、その家族ごとにケースバイケースだと思いますが、うちの場合は病名の告知を本人にはしない方針で進めていました。
「お父さんが、きちっと病気を治すからね。心配しないで治療にあたりなさい」ということはしっかり伝えていました。
今となっては、それが良かったのかはわからない部分はありますが、僕のできる範囲の子どもへのメンタルケアだったかなと感じます。

外見ケアに関して、うちは男の子だったのでそんなに気にはならなかったと思いますが、治療上髪の毛は抜けてしまう事は初めに伝えて、
抜けるんだったら先に切ってしまおうと、僕がバリカンで髪を切りました。
あとは、外見ケアとは違うんですが、抗がん剤で本当に食事ができない状況になってしまって、その際に好きだったお蕎麦屋さんのそばだったら食べられるかもしれないと言って、
近所まで買いに行って病院まで運んだりというのはしてましたね。

保屋松さんからメッセージ
諦めずに一歩踏む出すっていうのが大切なのかなと感じます。自分も当事者家族という部分もあるので、言葉にするのは難しいですけど、家族の中であったり
自分の置かれた環境であったりの中で自分にできることをしてきたというのが今につながっているかなと感じます。

『N-NOSE』すべての方に、まず初めに受けてほしい“がん”の1次スクリーニング検査
保屋松さんは、子どもの闘病中からの出会いで、嗅覚に優れた生物 ”線虫” によるがん患者の方の尿に含まれる微量な匂い物質を検知することを利用した新しいがん検査(『N-NOSE』https://hbio.jp/)を知り、小児がんへの活用を進めている。

『N-NOSE』https://hbio.jp

*Empower Children は、小児がん治療のためのチャリティーライブを小児がん拠点病院を始めとする様々な施設で、治療中で会場に来ることが出来ない子供たちに向けてもパブリックビューイングなのでライヴの模様を届ける活動にも取り組んでいる。

子どもの外見ケアを考える

*こちらの記事はForbes JAPAN にて連載している『チャーミングケアで広げる家族の視点』の原稿文となります。

治療だけでは不十分。小児がんサバイバーへの「外見ケア」が進まない理由

我が子が「小児がんサバイバー」になってもう少しで2年が経とうとしている。
病気が発覚した当時小学2年生だった彼も、この4月から小学6年生になる。小学6年生にもなってくると、当時の事を振り返って自分の意見を口にすることも多くなってきた。
私が、スペシャルキッズといわれる病気や障害のある子どもたちへの外見ケアやメンタルケア、家族のための総合的なケアを「チャーミングケア」と名付け発信していることも関係しているのだろう。

まだ小学生なので、まだしばらく親である私がある程度のサポートをしなければいけないと感じているが、彼の言葉は当事者ならではの言葉なのでハッとさせられることが時折ある。

彼の闘病中のエピソードに、病中の子どもの外見上の変化による問題がある。
抗がん剤治療を受けたので、髪の毛がすべて抜け落ちてしまった。
それはよく知られているがん治療の課題だと思うのだが、同時にステロイド剤を長期間使用するので顔がパンパンに浮腫み、お腹もぷっくりと膨れてくる。爪の根元の黒ずみも現れた。
そういった子どもの外見上の変化などのケアについて、運営しているチャーミングケアで過去にオンライン座談会を行ったことがある。

アピアランスケアとチャーミングケアを考える

小児がんサバイバーの子どもを持つ保護者と、看護士などがそれぞれの体験を共有しあった。
その中で、小児がんサバイバーの子供を持つ保護者からは以下のような声が上がった。
●子どもなので外見上やメンタル面での困りごとを言葉でうまく伝えられない部分を、大人が汲んであげて少しだけサポートするのが親の役目だった
●治療上で優先しないといけないって言われてしまうと、やりたくてもやりにくかった
●薬の影響で外見上の変化が起こり、好きな子に指摘されて傷ついていた
●治療時は子どもも保護者も治療でいっぱいいっぱいで、アピアランスケアにまで気が回らない
●病院では同じような外見の子がたくさんいるから、見た目の問題に慣れていたけれど、日常生活に戻るとそうではなかった
●声をあげても「命が助かったんだからよかったじゃないですか」と言われるとそれ以上のケアを諦めてしまってる部分がある
●アピアランス専門でやってくれる先生がいればありがたい
●アピアランスケアが必要な場合もない場合もあるが現状選択肢がない。選択肢が欲しい。

一方、看護師側からは以下のような意見が上がった。
●看護師としては、声をかけづらいというのが現実
●気にしてるのがわかるからこそ、本人も話したくないのではないか、そこに触れてはいけないのではないかという気がする
●小児のアピアランスケアに関して、そもそもの知識自体が不足している
●子供だからと、あまり重要視していないスタッフが多いのが現実
●何か方法を提案しても、経済的な負担が保護者にかかってしまうので、その部分もネック

座談会での話を鑑みて、成人分野で外見上のケア「アピアランスケア」を推進している東大病院乳腺・内分泌外科の分田貴子先生に、お話をうかがった。


分田先生は、2009年にがん治療における外見ケアの重要性に気づきカバーメイクを推奨するようになり、その後も精力的に活動を行っておられる。

―アピアランスケアが必要。気づきから実践へ―

分田先生はワクチンを用いたがん治療法の研究チームに入っていた約10年前に、
その治療による外見上の変化に気がついた。治療とは別のことで患者さんが困っているのではないか?とチーム内に繰り返し声をあげたのだという。
「治療のためなんだから、患者さんは困っているはずがない」という意見が多い中、30人ほどの患者にインタビューをとった。当時のことを振り返ってこう話してくれた。

思っていたよりずっと困っていたんだなというのがわかりました。
温泉に行けないとか半袖が着られないとか、具体的な話がどんどん出てきたんですね。
そしてそのうちの一人の方からのご意見で、隠せるものなら隠したいですよという話が出て、そこでカバーメイクに出会いました。
カバーメイクを習って、それを患者さんに薦めてみたら、今度はまた別の外見上の問題を耳にするようになりました。
髪は生えてきますか?とか爪が変形してしまいましたとか。
カバーメイクだけじゃ患者さんはハッピーじゃないと感じました。それぞれの困りごとに合わせてウィッグやネイルなどを取り揃えていった結果、現在東大病院内で行っているような外見ケアの活動が、少しずつ出来上がっていきました。

そこに至るまで約10年の時間が経過している。チャーミングケアで行った座談会の内容も共有し、どのようにアピアランスケアが広がっていったのか?またなぜそれが小児分野にまで及びづらいのか?という部分をうかがった。

成人分野のアピアランスケアが広がっていった背景には、時代の流れが非常に関係していたかなと思いますね。始めた当初に「それって何になるんですか?」ってご意見をいただいた時は、あれ?わたしの話がどうやら通じてないかもしれないなと感じました。2009年ごろの話です。
インタビューをとって、実際カバーメイクを始めてしばらくしたら、他の医師から「患者さんたちが、喜んでいらっしゃるようですね」と言われ出したのが2013年。
初めて講演活動をしたのが2013年なんですが、カバーメイクの症例を挙げて研究会で発表した際に、一人の男性医師が手をあげて
「話を聞いてとても反省しました。外見上の変化について、患者さんが嫌がっていてもそれは命の勲章だと言っていました。それを反省しています」とおっしゃたんです。
5年経つとこんなに変化があるものなんだなぁと感じました。
治療のためなのだから、患者さんもなんとも思っているはずがないという感覚が雪解けになってきた理由には「サバイバーシップ」と言われる感覚が浸透してきたという部分は大きいのかなと感じます。
がん患者さんの数が増えていることや寿命が伸びていることも起因していると思います。治療法が変わってきていて、入院ではなく外来での治療に変わってきていることや、目に見えるがんが手術で取りきれた場合でも、補助化学療法という再発予防目的の抗がん剤治療をするのが一般化してきていることも挙げられると思います。
がんであっても働きながら過ごす時流も、アピアランスケアの重要性を国が認め始めてきたということも大きいと感じます。

見た目の変化にお悩みの成人患者さんは、個人でありものの中で工夫をされている状況なのですが、お子さんはそれがご自分でできないので、そこが課題かもしれないですね。
成人分野もそんなに選択肢が豊富というわけではないと思います。しかしやはり、その中で子供用を作っているところがあるかと言ったらとても少数です。

入院とか病気になることで「患者さん」になるんですよね。
チャーミングケアのお話をうかがって感じたのは、大人のほうが「患者さん」に成り切ってしまうのかもしれないですね。お子さんのほうが素直な分、そのままの自分でいるのかもしれないなと感じました。
しかし大人は、子供のほうが大人より順応できると思い込んでいるような感覚があるのかもしれないですね。
いかに自分ごとと捉えられるかがとても大切で、子どもだからといって少しみくびってしまっている部分があるので、子どもの外見ケアの考え方の進度を遅めてる気はします。

カバーメイクに関してですが、親御さんがお子さんの外見ケアの相談で来られた場合でも、相談を受けた時と後では、親御さんのご様子に明らかに安心や満足などの変化があります。
色々な病気の患者さんに沿った外見ケアがきっとあるだろうし、それが広がればと感じます。

現状、小児医療の現場で「チャーミングケア」の存在はない。そんな中で、成人分野の外見ケアについてもあらましを伺えたのは非常に貴重な機会だった。
この話題に関しては、次回より具体的に掘り下げていきたいと思う。

大人になった「きょうだい問題」 ー涙の理由ー

チャーミングケア ラボで行った「親なきあと」の座談会

「成年後見人」と「親なきあと」座談会

この座談会で印象的だったのは、病気や障害のある子どもたちの保護者の方ときょうだいの立場でもある弁護士の藤木和子さんのやりとりだった。

きょうだい支援を長年している「NPO法人しぶたね」の代表清田 悠代さんにも少しお話をうかがった。

「そうですね。きょうだいって、どこまで行ってもきょうだいなんですよね。大人になっても、例えばどちらかが亡くなってしまったとしても、きょうだいであるっていう事実は変わらないんです。」

深い言葉だなと感じた。

*NPO法人しぶたね 啓発イベントにて

わたしの息子たちは3人兄弟で、長男が白血病に罹患した。

長男の入院している約1年間は、下の二人とはコミュニケーションが途切れてしまった。白血病の治療はずっと入院というわけではないので、一時退院やガラス越しではあるが病院内で面会もできたので全く会っていないわけではない。

だけど、当時幼稚園の年長さんだった次男の不満は爆発した。

「なんで病院にばっかり行くの?俺らだって家に帰りたいし、病院ばっかりに付き添って、長男ばっかりずるい!!!」

そう懇願した。(下二人は、長男の入院中祖父母の家で見てもらっていた)

どうにかその環境を変えられないか、病院に付き添いながらも家族に説明をしたけれど「子どもだから大丈夫」という認識が強く、結果的に大人が世話がしやすい方法を優先することになってしまった。

そして次男は、幼稚園での対人関係で問題を起こした。

その時わたしは、ちょうど長男への病気の告知時期も重なり、次男・三男にも詳細に長男に起きている病気の状況について話をした。

三男は幼く、話を理解しているのか否かという雰囲気だったが、しっかりしている次男は涙を流しながらこう言った。

「それは・・・仕方ないな。オレはさみしいし家で過ごせないのは本当に嫌だけど、死なないから大丈夫。そんなに大変なことになっているなら、病院についていてあげて」

わたしは、申し訳なくて仕方なかった。

ごめんな。なるだけうまくまわるように努力するからねと、ぎゅっと次男三男をするのが精一杯だった。

その時のわたしは、長期療養が必要な子どものきょうだいにも支援があることなんて知りもしなかったし、これはきっと「当たり前に母親が乗り越えなければいけないこと」なんだと思っていた。

しかし、長男の闘病に付き添いながら病院の中で病児向けのグッズを販売するECサイトを立ち上げたことをきっかけに色々な情報を目にし、そういった「きょうだいのためのケア」があって、支援をする団体がたくさんあることを知った。

そしてチャーミングケア ラボで先日行った「親なきあと」の座談会で、「大人になったきょうだい」の気持ちについて触れたのだ。

この大人になったきょうだいについての問題は、他でも耳にしている。少し前にお話を聞かせてもらい、掲載許可をいただいたのでここに掲載したいと思う。

涙の理由

*この文章は、取材対象の方にご了解を得て掲載しております。

少し前のことだ。
我が家が闘病に入る前にちょくちょく来てくれていた某メーカーの訪問販売さん。
彼女は我が家の闘病の事は知らなかったので、留守にしている最中もちょくちょく来てくれていたらしく、ごめんねーと事情を話した。
そしてそれがキッカケでわたしが始めたプロジェクトについて話をした。

すると初めて聞いたのだが、なんと彼女は日本で前例のない希少難病のサバイバーだったのだ。

その難病で大人になって出産事例がないらしいのだが、彼女にはお子さんがいる。

そしてさらには、そもそも今もなお生きているのが奇跡なので自分の余命もわからないらしい。

「とりあえず、楽しく生きるしかないですよね。だって、前例ないし。」

と明るく笑う彼女は、とても小柄だけどとても大きく見えた。

わたしの販売しているカテーテルケースを見て、
「私の時にこんなのあったら、きっとお母さん喜んだだろうなー。私は自分が出産する時まで自分の病気の事を詳しく知らなかったんです。その時、あ、お母さん大変だっただろうなって凄い感じました。」

と、なんでも明るく話をしてくれた彼女が涙目になった事が一つだけある。

それはきょうだいの問題だ。

「私ね、姉がいるんですけど、ずっと仲が悪くて。あんたが病気になんかなったせいで…って凄い言われててね。でもどうしようもないじゃないですか…何にも言えないですよね。私は小さい頃に2年間入院していたから、その間は家族バラバラで、姉も小さいからもちろん会えなくて。多分色々我慢してたんだと思うんですよね。ほんと最近ですよ。姉にも子どもができたあたりから、だんだん話をするようになってきたの」

と涙を溜めながら話をする彼女をみて、あぁ…誰も悪くないのに、みんな頑張ってるのにと強く強く感じた。

彼女にわたしが立ち上げているチャーミングケアの話をして、きょうだいにもきょうだいの気持ちがあって、それをケアする活動もある事を話した。

彼女は、
「石嶋さん、私嬉しいです。そういうの知らないで過ごしてきた人沢山いますよ。物にしてもそうだし、そういう活動にしても、きっと疾患の種類なんて関係ないんですよ。みんなに必要な事なんだと思う。とりあえず、私チラシ配りまくります。」

と言ってくれた。

そんな彼女は、小さい頃、医療機器を身につけながら長い期間生活をしていたそうだ。

自分の体に起きているおおよそ大きな異変には気づいていたものの、特に病名や詳しい病気の話は聞かされていなかったのだそう。

しかし彼女は振り返ってこう言った。

「私は知らない方がよかったタイプだと思います。きっと私のお母さんは私のことをよく見ていてくれて、そういう決断をしたんだと大人になってから思います。ただ、きょうだいはね。ちょっと違いますよね。我慢させてしまっていたんだろうなって、すごく思うし申し訳ないなとは思いますね。特に自分が親になって感じます。難しいですね。ホント」

彼女の話を聞いて、わたしはうちの子にも似た部分があるなと感じた。自分の周りで起こっている全てのことを、どこかで客観的に捉えて見ることができるのだ。

それって実は凄いことで、生きていくためのセンスだとわたしは思う。

病気によって全てがハッピーに回っているとは言えないかもしれない。

だけど、生きていくためのとても大切な何かをそこで子どもたちは学ぶんだなぁと改めて感じた。

そして、自分の病気の話をするよりも彼女にとってはきょうだいの問題の方が大きいように思えた。

彼女の涙の理由には、とてももどかしく言葉では表現しようもない色々な思いがあるのだろうなとも、とても強く感じた。

士業×障害のある子どもの保護者座談会 ー「成年後見人」と「親なきあと」

チャーミングケアという、病気や障害を持っているどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

「成年後見人」と「親なきあと」

についてWEB座談会を行いました。(協力:疾患別SNS ケアランド

「親なきあと」とは

子どもより親が先になくなるのは自然の摂理。ですが、病気や障害のある子どもを残して先に亡くなった場合、子どもたちはどうなってしまうのだろう?という問題が、いわゆる「親なきあと」問題です。チャーミングケアと成年後見人や親なきあと問題は何か関係があるのだろうか?と思うかもしれません。 しかし「親なきあと」問題は、チャーミングケアを必要としている保護者の頭の片隅に漠然とした悩みとしていつもどこか存在している傾向があります。その解決策の一つとして「成年後見人」という法制度があります。

この話題を取り上げた理由は?

この話を取り上げようというきっかけは、インターネット上にあったあるニュースです。

財産管理を成年後見人に移譲したことで、今まで子供のために蓄えてきた金銭が必要なものですら全く使えなくなってしまったというような内容のもので、読んでいて不安感を感じました。

おそらく将来的に必ず向き合うであろう「親なきあと」問題への適切な対処法をしっかり話をしたいなと考えたのが、今回の座談会の大きなきっかけとなりました。

専門家の方も交えて、当事者が制度的な話もしっかりと把握ができる意見交換の場を設けようということになりました。


成年後見人とはどういうものなのか?どういう準備をしたらいいのか?というところに着目してWEB座談会を開催した。

保護者側の疑問

  • 「親亡き後の問題」という講習会に参加してみたがイマイチよく内容がつかめない。
  • 結局自分がなくなった後に、子供がその後どうなってしまうのかな?
  • 後見人を立てて準備したほうがいいのか?
  • 遺書を今のうちから書いておいてくださいというような情報があるけど、どうやって書けばいいの?
  • 障害児の数に対してその後見人の数が圧倒的に少ないので今のうちからいい人を確保しておかないと、騙されるようなこともあるって聞いたけど本当なの?
  • 子供の名前で預金をしておかないほうがいいって本当?
  • 一番身近な人って「きょうだい」じゃない?
  • きょうだいにとって何が一番不安なの?
  • 不安事はどこに相談に行けばいいんだろうか?

などの疑問が上がってきた。

今回そんな疑問にお答えいただいた専門家陣はこちら

小泉道子行政書士

チャーミングケア ,小泉道子,行政書士

15年間、家庭裁判所調査官として勤務した後、平成29年4月に独立。 現在は、離婚や相続などの家族の問題を扱う民間の仲裁機関(裁判外紛争解決手続)、「家族のためのADRセンター」を運営。 5年ほど前に東京家裁の後見センターに在籍。

藤木和子弁護士

チャーミングケア ,藤木和子,弁護士,きょうだい

弟に聴覚障害がある「きょうだい(障害のある人の兄弟姉妹)」の立場であり現役の弁護士。「成年後見」はきょうだいにも大きく関わるテーマであり、きょうだいの会での講師経験もある。

また、「シブコト障害者のきょうだいのためのサイト」を「きょうだい(Sibling=シブリング)のコトをきょうだいのコトバで話そう」をテーマに5人で運営している。

正木隆資司法書士

チャーミングケア ,司法書士

doors司法書士法人代表

司法書士補助者としては、平成7年より司法書士業に携り、平成12年より司法書士として活躍

成年後見の分野では、申立や後見人就任となどを経験。未成年者の後見は数回の相談を受けた経験がある。

WEB座談会の様子はこちら

今回のWEB座談会で、印象に残ったのは「漠然とした不安」というキーワード。

具体的にどの分野のどの部分に不安があるのか?が、不安に思っている保護者が亡くなった後の話なので掴みきれないというのが大きな課題である。

それに関しては、遺書を書いたとしても、後見人をつけたとしても、悩んでも悩んでも答えは出ない話なのではないか?という印象を受けた。

それほどに、病気や障害のある子どもを持つ保護者が子どもを思うが故に見えない不安を抱えながら日常を過ごしているということがうかがえる。

そして、もう1点。いざとなった時、その不安を受け止める先になりうる可能性が高いのが「きょうだい」であるということ。

*「きょうだい」とひらがなで書くのは、病気や障害がある子どもの兄弟姉妹のことを「きょうだい」と表現します。

きょうだいの立場で話をしてくれた藤木弁護士の言葉が耳に残る。

藤木弁護士

きょうだいは、お金の問題とその後のケアの問題に加えて、自身の進路選択や結婚とかそういった将来設計に不安を持っているところが大きいですね。

お金に関しては、きょうだいの扶養義務自体は自分の生活を犠牲にする必要はないんですが、それ自体を知らない人も多くいますね。

ケアは、実際関わっているきょうだいもいますが、親御さんが元気なうちにいろいろと聞いておきたい、福祉ともつながっておきたいけど、親御さんにどう話したらいいか・・・?というきょうだいも多いです。

やっぱり、きょうだいも「漠然とした不安」が子どもの頃からあります。自分が、進学や就職で実家を出たり、結婚とか出産したら、親と病気や障害のある兄弟姉妹はうまくやっていけるのかな?とか、結婚を考えている相手とかその親にどう説明しようかとかという部分が一番の悩みかなと思います。とても大切なことだから、家族で話し合っていきたい。親御さんの協力をいただいてきっかけ作りをしているところです。

「きょうだい」への伝達方法についても、考えていく必要性があるのではないかと強く感じた。

WEB座談会の詳細は「みんなのチャーミングケアラボラトリー」にて公開しています。


「成年後見人」と「親なきあと」問題についてどのように感じられたでしょうか?

チャーミングケアラボでは、感想などご意見を募集しております。


児童手当だけじゃない、病児・障害児の手続き祭り 〜私たちの手続き事情〜

チャーミングケアという、病気や障害を持っているどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

 

6月、子どものいるご家庭であれば「児童手当」の現況確認となっており、ちょっとした手続きを各ご家庭で行なったのではないでしょうか?

 

私も3人の子どもを抱える母親なので、例に漏れず、毎年その手続きをしています。ですがここ数年、6月以外にも児童手当以外の手続きが必要になってきました。

 

それは「小児慢性特定疾病受給者証」と「特別扶養児童手当」というものです。

 

あまり耳にしたことのない、長期治療・療養が必要な子どもの証明書

私の息子は2016年5月に小児白血病に罹患し、足掛け1年の入院生活を経て、退院後は在宅での経口薬(抗がん剤)治療を約1年ほど行なっています。その後は要観察となりますが、現在は経口薬治療を継続中です。

 

その医療費の管理をするのが「小児慢性特定疾病受給者証」で、この受給者証の対象疾患に該当すると医療機関から手続きするように案内されます。

以降、継続手続きをしていくのです。

 

そして、もう一つは「特別扶養児童手当」というもの。これは、我が家は案内される時期が遅く、治療開始から半年以上経ってから「実は・・・」と案内された手当でした。遡って受給することができないので、該当する疾病のお子さんがいらっしゃる方は確認していただければと思います。

 

この2つが児童手当以外の手続きになるのですが、入院中に一緒だったお母さんに、「一人っ子なのに、管理する手帳類や診察券がたくさんありすぎて普通の母子手帳ケースじゃ収納できない」という話を聞いたことがあります。その話がきっかけになり、たくさんの診察券を収納できるユニバーサルデザインのカバーをショップサイトで販売しています。

診察券カバー診察券カバー

確かその際に書き出してもらったら、10種類くらいの聞きなれない手帳や管理表がありました。それは・・・さぞ、手続きも大変だろうと想像できます。

 

ちょっと、チャーミングケアラボの理事でもあるパレットイブの奥井のぞみさんにお話をうかがいました。

約3ヶ月は手続き祭り。在宅療養で子どもを見ながらの外出の難しさ

 

色々な手帳であったり手当であったりの手続きは、どんなものがありますか?

 

奥井さん

いっぱいありますよ〜(笑)私は、3月から6月までを手続き祭りだと思っていて、どういう段取りで書類を揃えないといけないかとかすごく考えます。

 

*奥井さんの息子さん伊吹くんは、最重症心身障害を持ったお子さんです。在宅での療養をされているので、外に出かけるのも一苦労なのです。

パレットイブ

石嶋

え!どうやって、書類とか揃えるの?郵送?

 

奥井さん

基本的には全部郵送なんだけど、医師の診断書を医療機関に依頼したり、証明書を役所が開庁している時間帯に取りに行かないといけなかったり…正直大変だよ(笑)

でも、ありがたい手当であって管理表な訳だし、実際それでだいぶ助けられているからしないわけにもねぇ。

 

石嶋

そうやんね。一つでも書類揃ってないと出し直しだったりするしねぇ。

障害者手帳は、そういう継続手続きってあるの?

 

奥井さん

障害者手帳はね、小児慢性特定疾病と違って、毎年セルフでの継続じゃなくて、役所から審査の通知が来て「更新」っていう感じかな。

 

小児慢性特定疾病受給者証ってなあに? 障害者手帳と一緒じゃないの?

*小児慢性特定疾病受給者証と障害者手帳の違いについて、チャーミングケアラボの伊藤 朋子 研究員が調査してくれています。

石嶋

あ!そうやわ。うちの母がそうやもん。大人も子供も一緒なんかなそのあたりの動きは。で・・・奥井さんの手続き祭りの内訳はどんな感じなの?

 

奥井さん

まずは3月に産科医療補償制度と小児慢性疾患受給者証(国制度)の更新書類が届くのが皮切りにお祭りがスタート。

そこから特別児童扶養手当(国制度)、児童育成手当・障害手当(区制度)、障害児福祉手当(国制度)、児童手当(国制度)、東京都重度心身障害者手当(都制度)。

そして最後に、6月に役所の障害福祉課の方が自宅に来て面談しながら障害福祉サービスの現状把握と更新手続きと区のレスパイト事業の利用届の2つの書類申請をして祭りはひと段落…かな?

 

石嶋

・・・あるなぁ。凄いなぁ。

そういえば、小児がん分野だったら、私は入手方法がイマイチわからないんだけど長期フォローアップ手帳っていうのがあったり、ダウン症だったら子育て手帳「+Happy しあわせのたね」っていうのがあったりするんだけど、そういう疾患別みたいな手帳とかってあったりするの?

 

小児がん 長期フォローアップ手帳 出典:厚生労働省がん対策推進協議会小児がん専門委員会

*長期フォローアップ手帳は、全国15箇所の小児がん拠点病院では配布されていますが、それ以外の病院で治療を受けた場合は、自ら問い合わせて入手するか上記HPからダウンロードして入手する方法となっています。

子どもや家族にうれしい、国や病院にはない細かな支援 手帳編

*公益財団法人日本ダウン症協会が発行する「+Happy しあわせのたね」について、チャーミングケアラボの岩倉 絹枝 副所長が深掘りしてくれています。

奥井さん

うちはこれといった疾患にカテゴライズされてないんだけど、産科医療保障の手続きとかは対象者が限定される分、うちならではのものかと思うなぁ。

 

 

石嶋

なるほどー。なんか手続き関係ももっと柔軟な対応をしてくれるといいのにね。

現場でしかできないっていうのは・・・厳しいわぁ。なかなか難しいんだろうけど、外に出るのも一苦労ってところは汲み取って欲しいなぁ。

 

 

子どものための手続きなのは確かなのですが、これだけ数があると・・・

私と奥井さんの手続き祭り談義はモヤっとしたまま終了しました。


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