病気や障害のある子どもたちと家族のためのトータルケアを考える(ADR編)


チャーミングケアという、病気や障害のある子どもたちと家族のためのトータルケアを考案し推奨しだして早2年。
きっかけは、息子が2016年に小児白血病に罹患したことが起因している。
初めはがんの子供の外見ケアに関して、大人には「アピアランスケア」という外見上のケアに対する重要性も包括的に治療に取り組んでいく考え方があるのに、どうして子どもには浸透していないのだろうか?という疑問から、メンタルケアや家族のためのケアにまで目が向くようになり、周辺にある様々な課題を問題提起するようになった。

しかし、我々の掲げているチャーミングケアは、具体的にどんなものを指すのか?という部分は、これから研究していかねばならないジャンルになっており、そのためにポータルサイト「チャーミングケアラボ」を立ち上げるに至った。
2018年にサイトを立ち上げ、翌年には一般社団法人チャーミングケアとして活動を本格化する。
主に文章での発信をメインとして、ワークショップやオンライン座談会などを行いWEBメディア「ハフポスト」へのブログ連載の影響もあり、たくさんの方の支援や協力を得られるようになった。
2019年末、物販事業を別会社「チャーミングケアモール」として立ち上げることを機に、少し活動をスローペースにしてきたのだけれど、何か継続可能な方法はないものか?と考えたとき、無理なく続けられる「音声配信」という方法に辿り着いた。
毎回、なんらかの形で我々の考える「チャーミングケア」関わりのある様々な職業の方をゲストに迎え、お話を聞くというスタイルで毎週日曜日に音声配信を行なっている。

初めてのゲストは、家族のためのADR推進協会を運営されている元家庭裁判所調査官の小泉道子さんにお話を伺った。
小泉さんは、チャーミングケアで過去に開催した、

親亡き後問題の成年後見人

にて専門家として参加していただいた経緯がある。
座談会では、小泉さんを含め行政書士・司法書士・弁護士というそれぞれの専門家と当事者家族がオンラインスタイルで話をした。


小泉さんの経歴が元家庭裁判所調査官という全国的にも少数の職種で、かつ成年後見人を選任する側の仕事をされていたというのが、当事者家族の方にとってとても有益な情報提供に繋がったのではないかなと感じている。
そんな小泉さんは現在ADRという訴訟手続によらない紛争解決方法で、主に離婚問題について尽力されている。小泉さんの特徴は、「子どもを主軸に考える」ところで、その点がチャーミングケアの考え方とリンクする部分だ。



小泉さんは、音声配信でこう語ってくれた。

今回のコロナ禍で、戦後初めて家庭裁判所の調停機能が一時停止されました。
コロナ禍の自粛生活で、家族みんなが家の中にいて家族間の問題が起こりやすい最中、界隈はパニックになりました。
一方で、ADRは民間の仲裁機関なので、オンラインで面談が可能です。扱う件数自体はグッと増えている感触があります。
行政書士の業務は多岐に渡ります。
ですがその中でADRを取り扱おうと思ったきっかけは、家庭内の紛争の中で「子どもの存在」の大きさに気づきました。
一番傷つきやすい存在であると同時に、子どもの生きる力強さみたいな部分も感じるようになりました。子どもの存在を意識しながらADRに関わるようになると、離婚するご家庭の方が一緒に子どもについて前向きに話し合いをするようになりました。
チャーミングケアの対象となっている病気や障害のあるお子さんは、立場的に弱く守ってあげないといけない存在ではあるのですが、一方でそのお子さんの影響力や持っているパワーというのはとても大きいですよね。
子どもを産み育てるというのは、結婚生活においてたくさんのハッピーも運んでくるけれど、たくさんの波紋も起こします。

一般的に離婚が起きやすい子どもの成長年齢は、0−2歳がトップ、その次に3−5歳と言われています。
そこにチャーミングケアの対象になってくるような病気や障害のあるお子さんとなってくると、もっと多様な問題が入り組んでくるのは、想像に難しくないかと思います。
そして、ご夫婦間だけではなくて、時にはお子さん自身が独自の考えを持っている場合もあるので、「子どもの存在を中心に」考えるADRというのは、わたしのテーマだなと感じています。

子どもの人権(知る権利と意思表明権)を考える

小泉さんの話を聞いて、わたしは自分の子どもの事と、わたし自身の子ども時代の事を回顧した。
わたしの息子が入院している際に、子供同士の話題を耳にしたことがある。ある子どもが、同じように闘病中の年上の子に相談をしていたのだ。

自分の病気は先生や親から説明されているよりもきっと重いと思う。
自分のことだからわかっているんだけど、それが親にわかってしまうと、親が悲しむので言えないんだと。
重い病気の治療をしている子どもが、体調も精神状態も決して良好ではないなか、親のことをこうも気にかけるものなのかと、カーテン越しに聞きながら涙が出たのを思い出す。

そして、同時に自分自身の子ども時代の記憶も思い出した。わたしの父親は中学の時に蒸発していまい、その後も働きながら高校・大学と進学した経緯がある。
蒸発の経緯などについて、子どもではあったけれどほとんど理解していたのだけれど、当時一緒に暮らしていた母親はわたしが理解している事を認識していなかった。

親の思い子知らずというが、その逆もあって「子の思い親知らず」もあると、少なからず経験者のわたしは感じている。

子育ては誰の役割?世界の子育て感

日本人の文化的な問題も少し起因しているように感じる。
日本では子どもは親の庇護のもとに存在していて、子どもの人権や意思表明に関する部分への認識は薄いように感じる。
その話で言うと、息子の入院中に中国籍のお子さんが入院していたのだけれど、そのご家族の付き添いにお母さんの姿はなかった。
ほぼおばあちゃんが付き添いをしており、夜の寝泊りはお父さんと交代制をとっており、お母さんは働きに出ていたのだ。
日本人の感覚からしたら、「なぜお母さんが付き添いをしないんだ?」と思うかもしれない。
しかしこれは台湾に一時期在住されていた小泉さんからのご意見でも明らかになったのだが、中華圏の子育て感は「できる人がする」という考え方なのだ。
若いお父さんやお母さんは働けるのだから、外で働けばいい。
もう働く事を積極的にしていない祖父母が子どもの面倒を見れるのであれば、見るのがごく当たり前の考え方なのだそうだ。

わたしもそのご家族にお話を伺った当初、ちょっとしたカルチャーショックに陥ったが、ご家族の子どもに対する接し方が子どもを子ども扱いしていないというか、幼少期の子どもであっても「人として」接しているのが見て取れた。
子育てに正解はない。しかし、子どもの人権を尊重し、人として接する価値観も子育てを円滑に進めていくヒントなのではないかなととても感じた。

●小泉さんのインタビューは、チャーミングケア公式noteでアーカイブを聴くことができます。ポッドキャストでも同じ内容を配信しているので、是非聞いてみていただけたらと思います。

父として。子どもの病気、障害。家族の形をみなおすときvol2

*こちらの記事はForbes JAPAN にて連載している『チャーミングケアで広げる家族の視点』の原稿文となります。

闘病中の子どもに付き添うのはいつも母親? 「父親」だからできること

原稿文を2回に分けて掲載しています。前回はこちら
父として。子どもの病気、障害。家族の形をみなおすときvol1

エンターテイメントの力で笑顔を届けたい 得意分野を生かし、立ち上がったお父さん

自身のお子さんの闘病経験をもとに、病気や障害のある子供たちのために自分のできることを形にしたいとプロジェクトを立ち上げたお父さんがいます。
2020年2月15日国際小児がんデーに合わせて開催した『LIVE EMPOWER CHILDREN 2020』を企画したEmpower Children の保屋松清人さんです。
(同イベントはEvery Little Thingさんや倖田來未さんらが出演するチャリティーライブで、その他多数のアーティストが参加されました)
収益は、全国の小児がん拠点病院や支援団体を通じ、関連施設の拡充やがん治療の研究費に充てられ、更に小児がんの子供たちにエンターテイメントの力で笑顔を届けたいという理念のもと、ライブの様子を国立成育医療研究センター内で入院患児らを対象に同時配信されました。
https://empower-children.jp/lec/

この素敵なイベントを企画した保屋松さんにお話を聞きました。

自分の子供ががんにかかるなんて・・・

当時の自分を振り返ってみると、とにかくがむしゃらに息子の命を守りたいという一心で行動していたと思います。
なかなか難しい種類のがんだったので、ありとあらゆる治療法をあたりました。
エイベックスで有名アーティストのマネージメント業務に携わっていたこともあり、子どもの闘病中、治療を嫌がって毎日泣いていたに同時期に入院していた子供にアーティストからのメッセージを手渡すと、治療に前向きなったことをきっかけに「エンターテイメントは生きる力を支える」ということを再認識し、今回の企画を立ち上げました。

僕も、仕事柄とても忙しく時間も不規則ですし、いわゆる家庭を顧みない父親だったと思います。子どもが病気になって、初めて家族と向き合うことを考えさせられました。
24時間体制の付き添いではなかったですが、1年半ほど子どもの闘病を家族で乗り越えました。
妻と役割分担を考えて、僕にできることはなんだろうと考えた時、とにかく子どもの命を守りたい、そのためにできることはなんでもしようととにかく情報をあたりました。
その部分が自分にできる役割だと認識していました。
闘病中、主に情報交換という形で他のお子さんのお父さんともコミュニケーションをとることもありました。

子どものメンタルケアに関して、その家族ごとにケースバイケースだと思いますが、うちの場合は病名の告知を本人にはしない方針で進めていました。
「お父さんが、きちっと病気を治すからね。心配しないで治療にあたりなさい」ということはしっかり伝えていました。
今となっては、それが良かったのかはわからない部分はありますが、僕のできる範囲の子どもへのメンタルケアだったかなと感じます。

外見ケアに関して、うちは男の子だったのでそんなに気にはならなかったと思いますが、治療上髪の毛は抜けてしまう事は初めに伝えて、
抜けるんだったら先に切ってしまおうと、僕がバリカンで髪を切りました。
あとは、外見ケアとは違うんですが、抗がん剤で本当に食事ができない状況になってしまって、その際に好きだったお蕎麦屋さんのそばだったら食べられるかもしれないと言って、
近所まで買いに行って病院まで運んだりというのはしてましたね。

保屋松さんからメッセージ
諦めずに一歩踏む出すっていうのが大切なのかなと感じます。自分も当事者家族という部分もあるので、言葉にするのは難しいですけど、家族の中であったり
自分の置かれた環境であったりの中で自分にできることをしてきたというのが今につながっているかなと感じます。

『N-NOSE』すべての方に、まず初めに受けてほしい“がん”の1次スクリーニング検査
保屋松さんは、子どもの闘病中からの出会いで、嗅覚に優れた生物 ”線虫” によるがん患者の方の尿に含まれる微量な匂い物質を検知することを利用した新しいがん検査(『N-NOSE』https://hbio.jp/)を知り、小児がんへの活用を進めている。

『N-NOSE』https://hbio.jp

*Empower Children は、小児がん治療のためのチャリティーライブを小児がん拠点病院を始めとする様々な施設で、治療中で会場に来ることが出来ない子供たちに向けてもパブリックビューイングなのでライヴの模様を届ける活動にも取り組んでいる。

子どもの外見ケアを考える

*こちらの記事はForbes JAPAN にて連載している『チャーミングケアで広げる家族の視点』の原稿文となります。

治療だけでは不十分。小児がんサバイバーへの「外見ケア」が進まない理由

我が子が「小児がんサバイバー」になってもう少しで2年が経とうとしている。
病気が発覚した当時小学2年生だった彼も、この4月から小学6年生になる。小学6年生にもなってくると、当時の事を振り返って自分の意見を口にすることも多くなってきた。
私が、スペシャルキッズといわれる病気や障害のある子どもたちへの外見ケアやメンタルケア、家族のための総合的なケアを「チャーミングケア」と名付け発信していることも関係しているのだろう。

まだ小学生なので、まだしばらく親である私がある程度のサポートをしなければいけないと感じているが、彼の言葉は当事者ならではの言葉なのでハッとさせられることが時折ある。

彼の闘病中のエピソードに、病中の子どもの外見上の変化による問題がある。
抗がん剤治療を受けたので、髪の毛がすべて抜け落ちてしまった。
それはよく知られているがん治療の課題だと思うのだが、同時にステロイド剤を長期間使用するので顔がパンパンに浮腫み、お腹もぷっくりと膨れてくる。爪の根元の黒ずみも現れた。
そういった子どもの外見上の変化などのケアについて、運営しているチャーミングケアで過去にオンライン座談会を行ったことがある。

アピアランスケアとチャーミングケアを考える

小児がんサバイバーの子どもを持つ保護者と、看護士などがそれぞれの体験を共有しあった。
その中で、小児がんサバイバーの子供を持つ保護者からは以下のような声が上がった。
●子どもなので外見上やメンタル面での困りごとを言葉でうまく伝えられない部分を、大人が汲んであげて少しだけサポートするのが親の役目だった
●治療上で優先しないといけないって言われてしまうと、やりたくてもやりにくかった
●薬の影響で外見上の変化が起こり、好きな子に指摘されて傷ついていた
●治療時は子どもも保護者も治療でいっぱいいっぱいで、アピアランスケアにまで気が回らない
●病院では同じような外見の子がたくさんいるから、見た目の問題に慣れていたけれど、日常生活に戻るとそうではなかった
●声をあげても「命が助かったんだからよかったじゃないですか」と言われるとそれ以上のケアを諦めてしまってる部分がある
●アピアランス専門でやってくれる先生がいればありがたい
●アピアランスケアが必要な場合もない場合もあるが現状選択肢がない。選択肢が欲しい。

一方、看護師側からは以下のような意見が上がった。
●看護師としては、声をかけづらいというのが現実
●気にしてるのがわかるからこそ、本人も話したくないのではないか、そこに触れてはいけないのではないかという気がする
●小児のアピアランスケアに関して、そもそもの知識自体が不足している
●子供だからと、あまり重要視していないスタッフが多いのが現実
●何か方法を提案しても、経済的な負担が保護者にかかってしまうので、その部分もネック

座談会での話を鑑みて、成人分野で外見上のケア「アピアランスケア」を推進している東大病院乳腺・内分泌外科の分田貴子先生に、お話をうかがった。


分田先生は、2009年にがん治療における外見ケアの重要性に気づきカバーメイクを推奨するようになり、その後も精力的に活動を行っておられる。

―アピアランスケアが必要。気づきから実践へ―

分田先生はワクチンを用いたがん治療法の研究チームに入っていた約10年前に、
その治療による外見上の変化に気がついた。治療とは別のことで患者さんが困っているのではないか?とチーム内に繰り返し声をあげたのだという。
「治療のためなんだから、患者さんは困っているはずがない」という意見が多い中、30人ほどの患者にインタビューをとった。当時のことを振り返ってこう話してくれた。

思っていたよりずっと困っていたんだなというのがわかりました。
温泉に行けないとか半袖が着られないとか、具体的な話がどんどん出てきたんですね。
そしてそのうちの一人の方からのご意見で、隠せるものなら隠したいですよという話が出て、そこでカバーメイクに出会いました。
カバーメイクを習って、それを患者さんに薦めてみたら、今度はまた別の外見上の問題を耳にするようになりました。
髪は生えてきますか?とか爪が変形してしまいましたとか。
カバーメイクだけじゃ患者さんはハッピーじゃないと感じました。それぞれの困りごとに合わせてウィッグやネイルなどを取り揃えていった結果、現在東大病院内で行っているような外見ケアの活動が、少しずつ出来上がっていきました。

そこに至るまで約10年の時間が経過している。チャーミングケアで行った座談会の内容も共有し、どのようにアピアランスケアが広がっていったのか?またなぜそれが小児分野にまで及びづらいのか?という部分をうかがった。

成人分野のアピアランスケアが広がっていった背景には、時代の流れが非常に関係していたかなと思いますね。始めた当初に「それって何になるんですか?」ってご意見をいただいた時は、あれ?わたしの話がどうやら通じてないかもしれないなと感じました。2009年ごろの話です。
インタビューをとって、実際カバーメイクを始めてしばらくしたら、他の医師から「患者さんたちが、喜んでいらっしゃるようですね」と言われ出したのが2013年。
初めて講演活動をしたのが2013年なんですが、カバーメイクの症例を挙げて研究会で発表した際に、一人の男性医師が手をあげて
「話を聞いてとても反省しました。外見上の変化について、患者さんが嫌がっていてもそれは命の勲章だと言っていました。それを反省しています」とおっしゃたんです。
5年経つとこんなに変化があるものなんだなぁと感じました。
治療のためなのだから、患者さんもなんとも思っているはずがないという感覚が雪解けになってきた理由には「サバイバーシップ」と言われる感覚が浸透してきたという部分は大きいのかなと感じます。
がん患者さんの数が増えていることや寿命が伸びていることも起因していると思います。治療法が変わってきていて、入院ではなく外来での治療に変わってきていることや、目に見えるがんが手術で取りきれた場合でも、補助化学療法という再発予防目的の抗がん剤治療をするのが一般化してきていることも挙げられると思います。
がんであっても働きながら過ごす時流も、アピアランスケアの重要性を国が認め始めてきたということも大きいと感じます。

見た目の変化にお悩みの成人患者さんは、個人でありものの中で工夫をされている状況なのですが、お子さんはそれがご自分でできないので、そこが課題かもしれないですね。
成人分野もそんなに選択肢が豊富というわけではないと思います。しかしやはり、その中で子供用を作っているところがあるかと言ったらとても少数です。

入院とか病気になることで「患者さん」になるんですよね。
チャーミングケアのお話をうかがって感じたのは、大人のほうが「患者さん」に成り切ってしまうのかもしれないですね。お子さんのほうが素直な分、そのままの自分でいるのかもしれないなと感じました。
しかし大人は、子供のほうが大人より順応できると思い込んでいるような感覚があるのかもしれないですね。
いかに自分ごとと捉えられるかがとても大切で、子どもだからといって少しみくびってしまっている部分があるので、子どもの外見ケアの考え方の進度を遅めてる気はします。

カバーメイクに関してですが、親御さんがお子さんの外見ケアの相談で来られた場合でも、相談を受けた時と後では、親御さんのご様子に明らかに安心や満足などの変化があります。
色々な病気の患者さんに沿った外見ケアがきっとあるだろうし、それが広がればと感じます。

現状、小児医療の現場で「チャーミングケア」の存在はない。そんな中で、成人分野の外見ケアについてもあらましを伺えたのは非常に貴重な機会だった。
この話題に関しては、次回より具体的に掘り下げていきたいと思う。

大人になった「きょうだい問題」 ー涙の理由ー

チャーミングケア ラボで行った「親なきあと」の座談会

「成年後見人」と「親なきあと」座談会

この座談会で印象的だったのは、病気や障害のある子どもたちの保護者の方ときょうだいの立場でもある弁護士の藤木和子さんのやりとりだった。

きょうだい支援を長年している「NPO法人しぶたね」の代表清田 悠代さんにも少しお話をうかがった。

「そうですね。きょうだいって、どこまで行ってもきょうだいなんですよね。大人になっても、例えばどちらかが亡くなってしまったとしても、きょうだいであるっていう事実は変わらないんです。」

深い言葉だなと感じた。

*NPO法人しぶたね 啓発イベントにて

わたしの息子たちは3人兄弟で、長男が白血病に罹患した。

長男の入院している約1年間は、下の二人とはコミュニケーションが途切れてしまった。白血病の治療はずっと入院というわけではないので、一時退院やガラス越しではあるが病院内で面会もできたので全く会っていないわけではない。

だけど、当時幼稚園の年長さんだった次男の不満は爆発した。

「なんで病院にばっかり行くの?俺らだって家に帰りたいし、病院ばっかりに付き添って、長男ばっかりずるい!!!」

そう懇願した。(下二人は、長男の入院中祖父母の家で見てもらっていた)

どうにかその環境を変えられないか、病院に付き添いながらも家族に説明をしたけれど「子どもだから大丈夫」という認識が強く、結果的に大人が世話がしやすい方法を優先することになってしまった。

そして次男は、幼稚園での対人関係で問題を起こした。

その時わたしは、ちょうど長男への病気の告知時期も重なり、次男・三男にも詳細に長男に起きている病気の状況について話をした。

三男は幼く、話を理解しているのか否かという雰囲気だったが、しっかりしている次男は涙を流しながらこう言った。

「それは・・・仕方ないな。オレはさみしいし家で過ごせないのは本当に嫌だけど、死なないから大丈夫。そんなに大変なことになっているなら、病院についていてあげて」

わたしは、申し訳なくて仕方なかった。

ごめんな。なるだけうまくまわるように努力するからねと、ぎゅっと次男三男をするのが精一杯だった。

その時のわたしは、長期療養が必要な子どものきょうだいにも支援があることなんて知りもしなかったし、これはきっと「当たり前に母親が乗り越えなければいけないこと」なんだと思っていた。

しかし、長男の闘病に付き添いながら病院の中で病児向けのグッズを販売するECサイトを立ち上げたことをきっかけに色々な情報を目にし、そういった「きょうだいのためのケア」があって、支援をする団体がたくさんあることを知った。

そしてチャーミングケア ラボで先日行った「親なきあと」の座談会で、「大人になったきょうだい」の気持ちについて触れたのだ。

この大人になったきょうだいについての問題は、他でも耳にしている。少し前にお話を聞かせてもらい、掲載許可をいただいたのでここに掲載したいと思う。

涙の理由

*この文章は、取材対象の方にご了解を得て掲載しております。

少し前のことだ。
我が家が闘病に入る前にちょくちょく来てくれていた某メーカーの訪問販売さん。
彼女は我が家の闘病の事は知らなかったので、留守にしている最中もちょくちょく来てくれていたらしく、ごめんねーと事情を話した。
そしてそれがキッカケでわたしが始めたプロジェクトについて話をした。

すると初めて聞いたのだが、なんと彼女は日本で前例のない希少難病のサバイバーだったのだ。

その難病で大人になって出産事例がないらしいのだが、彼女にはお子さんがいる。

そしてさらには、そもそも今もなお生きているのが奇跡なので自分の余命もわからないらしい。

「とりあえず、楽しく生きるしかないですよね。だって、前例ないし。」

と明るく笑う彼女は、とても小柄だけどとても大きく見えた。

わたしの販売しているカテーテルケースを見て、
「私の時にこんなのあったら、きっとお母さん喜んだだろうなー。私は自分が出産する時まで自分の病気の事を詳しく知らなかったんです。その時、あ、お母さん大変だっただろうなって凄い感じました。」

と、なんでも明るく話をしてくれた彼女が涙目になった事が一つだけある。

それはきょうだいの問題だ。

「私ね、姉がいるんですけど、ずっと仲が悪くて。あんたが病気になんかなったせいで…って凄い言われててね。でもどうしようもないじゃないですか…何にも言えないですよね。私は小さい頃に2年間入院していたから、その間は家族バラバラで、姉も小さいからもちろん会えなくて。多分色々我慢してたんだと思うんですよね。ほんと最近ですよ。姉にも子どもができたあたりから、だんだん話をするようになってきたの」

と涙を溜めながら話をする彼女をみて、あぁ…誰も悪くないのに、みんな頑張ってるのにと強く強く感じた。

彼女にわたしが立ち上げているチャーミングケアの話をして、きょうだいにもきょうだいの気持ちがあって、それをケアする活動もある事を話した。

彼女は、
「石嶋さん、私嬉しいです。そういうの知らないで過ごしてきた人沢山いますよ。物にしてもそうだし、そういう活動にしても、きっと疾患の種類なんて関係ないんですよ。みんなに必要な事なんだと思う。とりあえず、私チラシ配りまくります。」

と言ってくれた。

そんな彼女は、小さい頃、医療機器を身につけながら長い期間生活をしていたそうだ。

自分の体に起きているおおよそ大きな異変には気づいていたものの、特に病名や詳しい病気の話は聞かされていなかったのだそう。

しかし彼女は振り返ってこう言った。

「私は知らない方がよかったタイプだと思います。きっと私のお母さんは私のことをよく見ていてくれて、そういう決断をしたんだと大人になってから思います。ただ、きょうだいはね。ちょっと違いますよね。我慢させてしまっていたんだろうなって、すごく思うし申し訳ないなとは思いますね。特に自分が親になって感じます。難しいですね。ホント」

彼女の話を聞いて、わたしはうちの子にも似た部分があるなと感じた。自分の周りで起こっている全てのことを、どこかで客観的に捉えて見ることができるのだ。

それって実は凄いことで、生きていくためのセンスだとわたしは思う。

病気によって全てがハッピーに回っているとは言えないかもしれない。

だけど、生きていくためのとても大切な何かをそこで子どもたちは学ぶんだなぁと改めて感じた。

そして、自分の病気の話をするよりも彼女にとってはきょうだいの問題の方が大きいように思えた。

彼女の涙の理由には、とてももどかしく言葉では表現しようもない色々な思いがあるのだろうなとも、とても強く感じた。

士業×障害のある子どもの保護者座談会 ー「成年後見人」と「親なきあと」

チャーミングケアという、病気や障害を持っているどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

「成年後見人」と「親なきあと」

についてWEB座談会を行いました。(協力:疾患別SNS ケアランド

 

「親なきあと」とは

子どもより親が先になくなるのは自然の摂理。ですが、病気や障害のある子どもを残して先に亡くなった場合、子どもたちはどうなってしまうのだろう?という問題が、いわゆる「親なきあと」問題です。チャーミングケアと成年後見人や親なきあと問題は何か関係があるのだろうか?と思うかもしれません。 しかし「親なきあと」問題は、チャーミングケアを必要としている保護者の頭の片隅に漠然とした悩みとしていつもどこか存在している傾向があります。その解決策の一つとして「成年後見人」という法制度があります。

 

この話題を取り上げた理由は?

この話を取り上げようというきっかけは、インターネット上にあったあるニュースです。

財産管理を成年後見人に移譲したことで、今まで子供のために蓄えてきた金銭が必要なものですら全く使えなくなってしまったというような内容のもので、読んでいて不安感を感じました。

おそらく将来的に必ず向き合うであろう「親なきあと」問題への適切な対処法をしっかり話をしたいなと考えたのが、今回の座談会の大きなきっかけとなりました。

専門家の方も交えて、当事者が制度的な話もしっかりと把握ができる意見交換の場を設けようということになりました。


成年後見人とはどういうものなのか?どういう準備をしたらいいのか?というところに着目してWEB座談会を開催した。

保護者側の疑問

  • 「親亡き後の問題」という講習会に参加してみたがイマイチよく内容がつかめない。
  • 結局自分がなくなった後に、子供がその後どうなってしまうのかな?
  • 後見人を立てて準備したほうがいいのか?
  • 遺書を今のうちから書いておいてくださいというような情報があるけど、どうやって書けばいいの?
  • 障害児の数に対してその後見人の数が圧倒的に少ないので今のうちからいい人を確保しておかないと、騙されるようなこともあるって聞いたけど本当なの?
  • 子供の名前で預金をしておかないほうがいいって本当?
  • 一番身近な人って「きょうだい」じゃない?
  • きょうだいにとって何が一番不安なの?
  • 不安事はどこに相談に行けばいいんだろうか?

 

などの疑問が上がってきた。

 

今回そんな疑問にお答えいただいた専門家陣はこちら

小泉道子行政書士

チャーミングケア ,小泉道子,行政書士

15年間、家庭裁判所調査官として勤務した後、平成29年4月に独立。 現在は、離婚や相続などの家族の問題を扱う民間の仲裁機関(裁判外紛争解決手続)、「家族のためのADRセンター」を運営。 5年ほど前に東京家裁の後見センターに在籍。

 

藤木和子弁護士

チャーミングケア ,藤木和子,弁護士,きょうだい

弟に聴覚障害がある「きょうだい(障害のある人の兄弟姉妹)」の立場であり現役の弁護士。「成年後見」はきょうだいにも大きく関わるテーマであり、きょうだいの会での講師経験もある。

また、「シブコト障害者のきょうだいのためのサイト」を「きょうだい(Sibling=シブリング)のコトをきょうだいのコトバで話そう」をテーマに5人で運営している。

 

正木隆資司法書士

チャーミングケア ,司法書士

doors司法書士法人代表

司法書士補助者としては、平成7年より司法書士業に携り、平成12年より司法書士として活躍

成年後見の分野では、申立や後見人就任となどを経験。未成年者の後見は数回の相談を受けた経験がある。

 

WEB座談会の様子はこちら

 

今回のWEB座談会で、印象に残ったのは「漠然とした不安」というキーワード。

具体的にどの分野のどの部分に不安があるのか?が、不安に思っている保護者が亡くなった後の話なので掴みきれないというのが大きな課題である。

それに関しては、遺書を書いたとしても、後見人をつけたとしても、悩んでも悩んでも答えは出ない話なのではないか?という印象を受けた。

それほどに、病気や障害のある子どもを持つ保護者が子どもを思うが故に見えない不安を抱えながら日常を過ごしているということがうかがえる。

そして、もう1点。いざとなった時、その不安を受け止める先になりうる可能性が高いのが「きょうだい」であるということ。

*「きょうだい」とひらがなで書くのは、病気や障害がある子どもの兄弟姉妹のことを「きょうだい」と表現します。

 

きょうだいの立場で話をしてくれた藤木弁護士の言葉が耳に残る。

藤木弁護士

きょうだいは、お金の問題とその後のケアの問題に加えて、自身の進路選択や結婚とかそういった将来設計に不安を持っているところが大きいですね。

お金に関しては、きょうだいの扶養義務自体は自分の生活を犠牲にする必要はないんですが、それ自体を知らない人も多くいますね。

ケアは、実際関わっているきょうだいもいますが、親御さんが元気なうちにいろいろと聞いておきたい、福祉ともつながっておきたいけど、親御さんにどう話したらいいか・・・?というきょうだいも多いです。

やっぱり、きょうだいも「漠然とした不安」が子どもの頃からあります。自分が、進学や就職で実家を出たり、結婚とか出産したら、親と病気や障害のある兄弟姉妹はうまくやっていけるのかな?とか、結婚を考えている相手とかその親にどう説明しようかとかという部分が一番の悩みかなと思います。とても大切なことだから、家族で話し合っていきたい。親御さんの協力をいただいてきっかけ作りをしているところです。

 

「きょうだい」への伝達方法についても、考えていく必要性があるのではないかと強く感じた。

 

WEB座談会の詳細は「みんなのチャーミングケアラボラトリー」にて公開しています。


「成年後見人」と「親なきあと」問題についてどのように感じられたでしょうか?

チャーミングケアラボでは、感想などご意見を募集しております。


募集しています!!

チャーミングケアラボでは、みんなで「チャーミングケア」について考えていきたい!という思いから常時企画として

OPEN UP(体験記事を募集しています。)

チャーミングケアフォトジェニック(ハッシュタグ#チャーミングケアフォトジェニック で写真をご自身のSNS に投稿してください)

を開催しています。みなさんのご参加を心よりお待ちしております!

サポーター登録はこちら サポーター登録はこちら

 

児童手当だけじゃない、病児・障害児の手続き祭り 〜私たちの手続き事情〜

チャーミングケアという、病気や障害を持っているどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

 

6月、子どものいるご家庭であれば「児童手当」の現況確認となっており、ちょっとした手続きを各ご家庭で行なったのではないでしょうか?

 

私も3人の子どもを抱える母親なので、例に漏れず、毎年その手続きをしています。ですがここ数年、6月以外にも児童手当以外の手続きが必要になってきました。

 

それは「小児慢性特定疾病受給者証」と「特別扶養児童手当」というものです。

 

あまり耳にしたことのない、長期治療・療養が必要な子どもの証明書

私の息子は2016年5月に小児白血病に罹患し、足掛け1年の入院生活を経て、退院後は在宅での経口薬(抗がん剤)治療を約1年ほど行なっています。その後は要観察となりますが、現在は経口薬治療を継続中です。

 

その医療費の管理をするのが「小児慢性特定疾病受給者証」で、この受給者証の対象疾患に該当すると医療機関から手続きするように案内されます。

以降、継続手続きをしていくのです。

 

そして、もう一つは「特別扶養児童手当」というもの。これは、我が家は案内される時期が遅く、治療開始から半年以上経ってから「実は・・・」と案内された手当でした。遡って受給することができないので、該当する疾病のお子さんがいらっしゃる方は確認していただければと思います。

 

この2つが児童手当以外の手続きになるのですが、入院中に一緒だったお母さんに、「一人っ子なのに、管理する手帳類や診察券がたくさんありすぎて普通の母子手帳ケースじゃ収納できない」という話を聞いたことがあります。その話がきっかけになり、たくさんの診察券を収納できるユニバーサルデザインのカバーをショップサイトで販売しています。

診察券カバー診察券カバー

確かその際に書き出してもらったら、10種類くらいの聞きなれない手帳や管理表がありました。それは・・・さぞ、手続きも大変だろうと想像できます。

 

ちょっと、チャーミングケアラボの理事でもあるパレットイブの奥井のぞみさんにお話をうかがいました。

約3ヶ月は手続き祭り。在宅療養で子どもを見ながらの外出の難しさ

 

色々な手帳であったり手当であったりの手続きは、どんなものがありますか?

 

奥井さん

いっぱいありますよ〜(笑)私は、3月から6月までを手続き祭りだと思っていて、どういう段取りで書類を揃えないといけないかとかすごく考えます。

 

*奥井さんの息子さん伊吹くんは、最重症心身障害を持ったお子さんです。在宅での療養をされているので、外に出かけるのも一苦労なのです。

パレットイブ

石嶋

え!どうやって、書類とか揃えるの?郵送?

 

奥井さん

基本的には全部郵送なんだけど、医師の診断書を医療機関に依頼したり、証明書を役所が開庁している時間帯に取りに行かないといけなかったり…正直大変だよ(笑)

でも、ありがたい手当であって管理表な訳だし、実際それでだいぶ助けられているからしないわけにもねぇ。

 

石嶋

そうやんね。一つでも書類揃ってないと出し直しだったりするしねぇ。

障害者手帳は、そういう継続手続きってあるの?

 

奥井さん

障害者手帳はね、小児慢性特定疾病と違って、毎年セルフでの継続じゃなくて、役所から審査の通知が来て「更新」っていう感じかな。

 

小児慢性特定疾病受給者証ってなあに? 障害者手帳と一緒じゃないの?

*小児慢性特定疾病受給者証と障害者手帳の違いについて、チャーミングケアラボの伊藤 朋子 研究員が調査してくれています。

石嶋

あ!そうやわ。うちの母がそうやもん。大人も子供も一緒なんかなそのあたりの動きは。で・・・奥井さんの手続き祭りの内訳はどんな感じなの?

 

奥井さん

まずは3月に産科医療補償制度と小児慢性疾患受給者証(国制度)の更新書類が届くのが皮切りにお祭りがスタート。

そこから特別児童扶養手当(国制度)、児童育成手当・障害手当(区制度)、障害児福祉手当(国制度)、児童手当(国制度)、東京都重度心身障害者手当(都制度)。

そして最後に、6月に役所の障害福祉課の方が自宅に来て面談しながら障害福祉サービスの現状把握と更新手続きと区のレスパイト事業の利用届の2つの書類申請をして祭りはひと段落…かな?

 

石嶋

・・・あるなぁ。凄いなぁ。

そういえば、小児がん分野だったら、私は入手方法がイマイチわからないんだけど長期フォローアップ手帳っていうのがあったり、ダウン症だったら子育て手帳「+Happy しあわせのたね」っていうのがあったりするんだけど、そういう疾患別みたいな手帳とかってあったりするの?

 

小児がん 長期フォローアップ手帳 出典:厚生労働省がん対策推進協議会小児がん専門委員会

*長期フォローアップ手帳は、全国15箇所の小児がん拠点病院では配布されていますが、それ以外の病院で治療を受けた場合は、自ら問い合わせて入手するか上記HPからダウンロードして入手する方法となっています。

子どもや家族にうれしい、国や病院にはない細かな支援 手帳編

*公益財団法人日本ダウン症協会が発行する「+Happy しあわせのたね」について、チャーミングケアラボの岩倉 絹枝 副所長が深掘りしてくれています。

奥井さん

うちはこれといった疾患にカテゴライズされてないんだけど、産科医療保障の手続きとかは対象者が限定される分、うちならではのものかと思うなぁ。

 

 

石嶋

なるほどー。なんか手続き関係ももっと柔軟な対応をしてくれるといいのにね。

現場でしかできないっていうのは・・・厳しいわぁ。なかなか難しいんだろうけど、外に出るのも一苦労ってところは汲み取って欲しいなぁ。

 

 

子どものための手続きなのは確かなのですが、これだけ数があると・・・

私と奥井さんの手続き祭り談義はモヤっとしたまま終了しました。


募集しています!!

チャーミングケアラボでは、みんなで「チャーミングケア」について考えていきたい!という思いから常時企画として

OPEN UP(体験記事を募集しています。)

チャーミングケアフォトジェニック(ハッシュタグ#チャーミングケアフォトジェニック で写真をご自身のSNS に投稿してください)

チャーミングケアイベント情報

を開催しています。みなさんのご参加を心よりお待ちしております!
 
サポーター登録はこちら サポーター登録はこちら

子どもや家族にうれしい、国や病院にはない細かな支援 手帳編

こんなにもある。障害や病気のある子どものための手帳

子どもに障害があったときお世話になるのは障害者手帳です。「小児慢性特定疾病受給者証ってなあに? 障害者手帳と一緒じゃないの?」で、も記事にしました。

それ以外にも、子供の障害や病気など細かなニーズにあわせた手帳があるのをご存知でしょうか?

子どもの成長の記録をつけたり、ケアについてまとめたりできる手帳をまとめました。

公益財団法人日本ダウン症協会

ダウン症のあるお子さんのための母子手帳、JDS子育て手帳「+Happy しあわせのたね」。

http://www.jdss.or.jp/tane2017/

 

親心の記録(NPO法人うえるかむ権利擁護サポートセンター船橋)

親族や成年後見人等に対し、“この子なりの幸せな人生を全うさせたい”という親の思いを伝える。

http://www.jdss.or.jp/tane2017/

 

ケアラーズノート(特定非営利活動法人みかんぐみ)

特別なケアを必要とするお子さんと暮らしているケアラーのための手帳。https://mikangumi.com/2017/10/02/832/

「+Happy しあわせのたね」ってどんな手帳?

Happyしあわせのたね

この中で、公益財団法人日本ダウン症協会が発行する「+Happy しあわせのたね」について詳しく調べてみました。

 

“子育て手帳「+Happy しあわせのたね」は、ダウン症のあるお子さんのための母子手帳の役割を果たす手帳です。穏やかに前向きに子育てができるように、よりすぐりの情報がつまっています。”(ホームページより抜粋)

 

自治体からもらえる母子手帳には、平均的な発育の情報が掲載されています。しかし、ダウン症の子どもの成長はゆっくりで、一般的な母子手帳の情報を見て、あせったり落ち込んだりしてしまうママもいるそうです。

そのようなママたちの声をうけ、ダウン症児の親のサークル“21+Happy”が4年がかりで作成に、日本ダウン症協会が発行したのが「+Happy しあわせのたね」です。

 

子どもの成長や予防接種の記録などが記入できるようになっているほか、ダウン症の特徴や他の親御さんの経験談なども掲載されています。

また、一般的な母子手帳では「つかまり立ちや」「言葉を話す」など月齢ごとで成長を記載しますが、この手帳ではその子ができた日を記念日として記録できるようになっています。

ダウン症のある子どもを持つご家族の不安な気持ちに寄り添いつつ、できないことに落ち込むのではなく、ゆっくり成長していく子どもとの時間を楽しめるよう工夫された愛情たっぷりの手帳なのです。

 

ページをめくってみると、先輩ママからのメッセージ漫画、「地域の親の会に参加したいけど・・・」といったコラムなど、子育てのヒントになるようなエッセンスが満載でした。

また、ママ目線だけでなく、先輩パパや兄弟からのメッセージなど、ダウン症を授かったご家族をまるっと支えてくれる内容に感じられます。

通園、療育歴など成長の記録を継続的に記録ができます、将来、障害者年金などの手続きにも役立ちそうです。親心の記録につなげることもできます。

 

手帳は無料(送料100円のみ負担)で公益財団法人日本ダウン症協会から配布されており、手帳の配布を継続するための寄付も募集されています。

お申込みや寄付の方法については、公益財団法人日本ダウン症協会のホームページをご覧ください。http://www.jdss.or.jp/tane2017/

手帳や診察券をかわいく収納

マミーズアワーズショップ

通院や検診のたびに持ち歩かなくてはいけない診察券や手帳類。慢性的な病気や障害があるお子さんは、どんどん増えていく一方ですよね。これらをすっきりと、しかもかわいくまとめておけるアイテムも販売されています。

マミーズアワーズ診察券ケース

https://www.mammies-hours.com/inquiry

診察券やカード類はたっぷり収納可。大ポケットもついて、母子手帳などの手帳類も入れられます。

こちらは小児慢性特定疾患を患うお子さんをお持ちのママたちが発案・企画に携わったアイテムで、使い勝手はもちろん、闘病感を感じさせない明るいデザインが特徴です。

 

まとめ

このように、日本では国や医療機関だけではなく、様々な民間団体や個人などからさまざまな支援やサービスが提供されています。

治療とは直接関係のないものかもしれませんが、知っていると毎日の生活の質を上げてくれるかもしれません。

募集しています!!

チャーミングケアラボでは、みんなで「チャーミングケア」について考えていきたい!という思いから常時企画として

OPEN UP(体験記事を募集しています。)

チャーミングケアフォトジェニック(ハッシュタグ#チャーミングケアフォトジェニック で写真をご自身のSNS に投稿してください)

チャーミングケアイベント情報

を開催しています。みなさんのご参加を心よりお待ちしております!
 
サポーター登録はこちら サポーター登録はこちら

小児慢性特定疾病受給者証ってなあに? 障害者手帳と一緒じゃないの?

「小児慢性特定疾患受給者証」って知っていますか?

この言葉を初めて聞く方も多いと思います。実は私も先日知りました。

国から発行される証明書的なもので私が所持しているものと言えば、免許証、保険証、年金手帳、マイナンバーのアレ、そしてとっくの昔に期限が切れている残念なパスポート。

そんな私が、小児慢性特定疾患受給者証と耳にして思い浮かべたのは、病気や障がいなどで生活が困難な方に発行される「障害者手帳」。小児慢性特定疾患受給者証はこちらの中の一種かと思っていたところ全くの別物。

日本に住んでもうすぐ40年が経とうとしているのに、まだまだ知らない事だらけの自国のシステム。正直、マイナンバーだけでもいっぱいいっぱいになっていたのですが、子どもを持つアラフォーとして最近ヒリヒリと痛いほど実感するのは、家族の健康は病気や障がいと隣り合わせにあるということ。

特に病気、しかも子どもの慢性疾患なんていつ起こるか分からないもの。リスクがある限り他人事では済まされないので、知識を使い古した脳みそに刻もうと思った次第です。

 

障害者手帳とは

障がい者手帳

まずはよく聞く障害者手帳の簡単なおさらいから。

障害者手帳はその名の通り障害のある人が取得することができる手帳。障害者手帳を取得すると、障害の種類や程度に応じて様々な助成や福祉サービスを受けることができます。

一般に身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の三種類の手帳を障害者手帳と総称して呼ばれています。

◾身体障害者手帳
身体障害者が健常者と同等の生活を送るために最低限必要な援助を受け、自立や社会活動の参加を促し、支援することを目的として作られました。身体障害者福祉法が定める身体障害の種類・程度にあてはまり、その障害が一定以上持続する場合に限って取得できます。
主な障害は視覚障害、聴覚又は平衡機能の障害、音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害、肢体不自由、心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害など。

◾療育手帳
知的障害児または知的障害者に対して、一貫した指導・相談・各種の援護措置を受けやすくするための制度。各都道府県や指定都市独自の発行であるため、サービスや判定は様々。一般的に知能測定値(IQ値)、基本的生活習慣、問題行動を総合的に判断し、各地方自治体の指定機関で判定され、交付されます。
*地方自治体によって手帳の名称が違う場合もあります。

◾精神障害者保健福祉手帳
精神障害者が一定の精神障害の状態であることを示す手帳。精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的としている制度。
統合失調症、そううつ病、てんかん、アルコールや麻薬などの中毒神経症、心理的発達の障害などの精神障害の程度により、重い順に1級・2級・3級と決められており、その手帳の等級によって受けられる福祉サービスに差があります。

 

小児慢性特定疾病受給者証とは

小児慢性特定疾病医療受給者証特定疾病医療受給者証

小児白血病、小児ぜんそく、先天性の糖尿病やダウン症など、子どもの慢性疾患は、とくに治療期間が長い傾向にあります。それと同時に気になるのは病気にかかる医療費。

わが家では風邪など年数回の通院でも家計を圧迫しかねないのに、慢性疾患ともなれば入院や頻繁な通院が年単位……。そうなれば国の各種保険や制度などがあるとはいえ、医療費が高額になることは容易に想像ができます。

そんな家計の負担を減らしてくれるのが「小児慢性特定疾病受給者証」。これは小児慢性特定疾病対策の該当者に発行されるもので、医療費の自己負担分を補助する医療費助成制度が適応され、患者家庭の医療費の負担を軽減してくれます。

 

対象者は18歳未満(医師が引き続き治療が必要だと判断した場合は、20歳未満まで延長可能)。

対象疾病の数はは722(平成29年4月現在)。代表的な疾病は前述の白血病、糖尿病や小児ぜんそく、ダウン症など。それ以外の多くは聞いたことも見たこともない病気の数々でした。現在の社会にこんなに多くの疾病が存在していたことに驚きです。

その裏に、長く病気と闘うことを余儀なくされた子どもたちが多くいること、そしてそれを見守る家族がいるという現実が浮き彫りになってきます。

どう違うの?

障害者手帳では自治体、障害の程度によって異なりますが、一般的には国税、地方税の諸控除及び減免税、公営住宅の優先入居など。身体者障害手帳は医療費(健康保険の自己負担分)助成や、福祉機器などの交付、療育手帳には特別児童扶養手当、心身障害者扶養共済などもあります。

手帳の種類によりますが、このサービスは手帳を更新する限り一生涯受けることができます。

 

一方、小児慢性特定疾病受給者は、前述の通り医療費の助成が受けられ、患者家族の世帯年収により自己負担額が決められています。

医療費助成以外にも、小児慢性特定疾病をかかえる子どものための福祉サポートも。生活していく中での悩みの相談や、家庭内で療育をされている方を対象にした巡回相談指導、生活用具の給付など様々(こちらは自治体によって異なります)です。

 

小児慢性特定疾病受給が終了した元・小児患者たちのケア

小児慢性特定疾病受給は最長20歳までしか受けることが出来ません。成人を迎えた後の治療に関しては、高額療養費と医療費控除などを利用することになります。

ダウン症は近年医療の発達で患者の平均寿命が飛躍的に伸びました。成人後の支援も注目を浴びる中、日本ダウン症協会では、高校生以上のダウン症のある子をもつ相談員さんが、相談に乗ってくれるというサポートも。同じ経験をしてきた方とのお話は心強いですよね。

その他、必要に応じて、医療や福祉等の専門家のご紹介などのサポートもあります。

公益財団法人 日本ダウン症協会http://jdss.or.jp/index.html

 

小児がんは、医療の進歩で治癒できるようになり、サバイバーも増えてきました。が、患者が発育途中であることなどから、成長や時間の経過に伴って、がんそのものからの影響や、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって生じる合併症がみられます。

現在、小児がん患者を継続してケアする医療体制が整えられつつあり、小児がんの診療を行っている医療機関の中に長期フォローアップ外来が設けられたり、長期フォローアップ拠点病院などもできはじめています。

出典:国立がん研究センター小児がん情報サービス https://ganjoho.jp/child/support/aftercare/aftercare02.html

 

また、指定難病に対しては難病医療費助成制度があり、医療費が助成されます。が、1型糖尿病など小児慢性特定疾病では認定されていたけれど、難病には指定されていない(2018年5月現在)ものも一部あり、問題になっています。

難病支援センター(http://www.nanbyou.or.jp/)

まとめ

万が一、自分の子どもに障害があったら、病気になったら、国や病院からこのような支援が受けられるのか、ということを改めて知りました。

子どもが白血病や糖尿病など長期で治療が必要になったとき、まして命に関わる病気だったら、親さんの精神的な負担は想像するに余りあります。それ以外にも、治療につきそう親は仕事を続けることが難しく、治療費も高額となれば、経済的な負担がかかることも容易に想像がつきます。

そんな子どもの治療に対する負担感を公的に支援してもらえる制度は必要不可欠で、支援を受けるためのベースとなるのが「小児慢性特定疾病受給者証」なんですね!

 

募集しています!!

チャーミングケアラボでは、みんなで「チャーミングケア」について考えていきたい!という思いから常時企画として

OPEN UP(体験記事を募集しています。)

チャーミングケアフォトジェニック(ハッシュタグ#チャーミングケアフォトジェニック で写真をご自身のSNS に投稿してください)

チャーミングケアイベント情報

を開催しています。みなさんのご参加を心よりお待ちしております!
 
サポーター登録はこちら サポーター登録はこちら

親の明るさは最強のチャーミングケア

私の息子は2016年5月に小児白血病と診断され、そこから足掛け1年入院生活を共にしました。

 

白血病と聞くと、「世界の中心で愛を叫ぶ」のように、不治の病というイメージがあるかもしれません。しかし、小児分野の白血病は型にもよりますが、85%くらいの確率で寛解し、今や治る病気となっています。

 

白血病も小児がんという括りに入っており、小児がんの中で最も多いとされています。小児がんの年間発症数は2000人から2500人と言われており、大人も含めたがんの総数100万人ほどから見ても非常に少ないことがわかります。

入院序盤、欲しい情報がほとんどない不安

少ないが故に困ることがあります。それは一番不安な時に、話が聞けるお手本が周りにいないのです。

 

がんには全国に拠点病院というものがあり、大人で400施設ほどあります。一方、子どもは15施設ほどしかなく、白血病に関しては拠点病院でなくても治療を受けることができますが、治療を受けられる病院は限られていて、そこには同じような境遇の長期入院が必要な子ども達が集まっています。

 

まだ入院して間もない病院内で、「あなたのお子さんは、なんの病気ですか?」と聞きまわることもできず、私が考え出したのは、同じ種類の点滴をしている子を見つけてそのお母さんに病気について色々と話を聞くことでした。

 

明るい要素が見当たらない

話を聞くことができた私は、少しは不安材料が少なく過ごせた方だと思います。大部屋になれば、子ども同士のコミュニケーションも増えるので、必然的に親同士も話をするようになります。

 

親同士の話題で共通だったのは「ネットで情報を検索しても、暗くしかならない。」というもの。

情報社会と言われ、SNSやブログが日常化されている分、きっと数年前に比べればたくさんの情報はあるんだと思います。けれど、そのどこにも明るい要素は見当たらないのです。

 

それもそのはずです。小児がんは子どもの死亡率NO1で、自分の子どもが生きるか死ぬかという最中に、明るいブログなんて書いている人がいるわけがないのです。

 

しかしそんな中で、たった一人だけ子どもが小児がんになっても笑顔でのりきっている先人を見つけたのです。それが、現在マミーズアワーズショップで「開運ダルマ」というお守りを制作販売してくれているペコちゃんこと加藤可奈さんです。

加藤さんのブログはこちら 

ペコさんち

小児がん

「笑顔のちから」のジャンルって?

 

加藤さんは、希少な膵芽腫を患った娘さんとの小児がん闘病記「笑顔のちから」を出版されています。私も読ませていただきましたが、大変な状況は想像できるのですが、とにかくそこには悲壮感がないーーこれだ!!と私は思いました。ですが、その「これだ!」という感情には名前がありませんでした。

 

笑顔のちから

 

成人分野では、治療以外の外見ケアやメンタルケアのことを「アピアランスケア」と総称します。

ですが、小児の分野にはそもそもアピアランスケアの概念も浸透していないし、子どもにとっては、外見的なケアももちろんですが、それよりも先に子どものモチベーション維持のためにも、メンタルケアが重要なところがあります。

そのメンタルケアをしていくのは、一番そばにいる親なのです。

加藤さんに少しお話を伺いました。

 

加藤可奈

 

闘病中、子どものメンタルケアなどのことで、何か気をつけていたことなどはありますか?

*加藤さんも参加していただいたチャーミングケア座談会の内容を踏まえてのインタビューです

第1回 チャーミングケア座談会

 

加藤さん

特別何かを意識をしていたことは全然ないですね。

ただ、毎日をバカみたいに明るくアホなことをしまくって過ごしていたっていう感じで。

それがうちには自然だったし、それがあったから、ある意味乗り越えられたのかなとも思いますね。

 

石嶋

そうだね。うちも、そういうところあると思います。うちは決して闘病中の家族として優等生じゃなかった。(笑)

だけど、よく笑って過ごしてた気はする。あの特殊な空間で自宅と全く同じってわけにはいかないけれど、私たちスタイルっていうのはあったと思うなぁ。

 

加藤さん

これが正しいっていうのはないんですけどね。でも、子ども相手に落ち込んでても仕方ないしねぇ。うちは闘病してた頃は3歳だったし。でも病気のことはばっちりわかってましたけどね。

 

石嶋

うちは小学2年の時だったけど、タイミングをみて話をしたなぁ。子どもだからって侮っちゃいかんと思うなぁ。きちんと受け止めてたよ。

 

加藤杏菜ちゃん

そうだよ。子どもだってわかるよ。わからないっていう方がわからない。

 

加藤さん 石嶋

ほーーーーー

*杏菜ちゃんは、現在小学6年生になっています。

明るさは最強の愛

自分の子どもが病気になっているのだから、親が看護するのは当たり前なのかもしれない。ですが、親だって人間です。自分の子どもが死ぬかもしれないような病気にかかったと知っただけで、この世の終わりのような感覚になります。

 

私も加藤さんも、その「この世の終わり感」は味わっています。だけど、暗くなろうと思えばいくらでも暗くなれる中、親が明るく過ごすこと、病気なんて笑いで吹き飛ばしちまえ!というその活力は、振り返ってみれば子どもにとっての最強のメンタルケアになったんじゃないかなと思います。

もちろん個人差はあると思います。

ですが、それこそが「チャーミングケア」の一つの形なんじゃないかなと私は改めて感じました。

*チャーミングケアとは、子どもが子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケア、それを支える保護者のメンタルケアなど、病児や障害児・医療的ケア児の治療以外のトータルケアの総称として、チャーミングケアラボが推奨している考え方です。

 

加藤さんの娘さん杏菜ちゃんは、私が取材に訪れた時にこう言いました。

「ねぇねぇ、うちのお母さんさー。みんなに面白いねって言われるんだよ。可愛いねとか、綺麗だねじゃなくて、面白いねだよ。どうよそれ?」と

私はこう答えました。

「面白いは愛なんだよ。可愛いや綺麗より強いねん。明るくしてるのも大変なんやで。明るさは最強の愛なんだよ。」

と。

 

今回は、親だけの意見ではなく子どもの側からの意見も聞くことができて、とても有意義な時間でした。

 

そんな加藤可奈さんも参加してくれているチャーミングケアラボの座談会はこちら

 

第1回チャーミングケア座談会

募集しています!!

チャーミングケアラボでは、みんなで「チャーミングケア」について考えていきたい!という思いから常時企画として

OPEN UP(体験記事を募集しています。)

チャーミングケアフォトジェニック(ハッシュタグ#チャーミングケアフォトジェニック で写真をご自身のSNS に投稿してください)

チャーミングケアイベント情報

を開催しています。みなさんのご参加を心よりお待ちしております!
 
サポーター登録はこちら サポーター登録はこちら

ファッションで人は救えるのか?ちょっと研究してみた。

アピアランスケアって言って、どれだけの人がピンとくるだろう?

私も自分の子供が白血病にならなかったら、知りもしなかった言葉だ。

アピアランスケアとは、簡単にいうと直接的な治療とは少し違った手法を用いて外見上の変化を補い、がん患者の苦痛を軽くするケアで、主に成人分野を対象としていて、あまり小児分野にはその概念が広がっていない。

実際、私もアピアランスケアに関する講演会に出席してみたけれど、子供に対する話はほとんどなくて、ここにいてもいいのか?なんだか不安にすらなった記憶がある。

そんなことがあったので、小児分野にもアピアランスケアってあったらいいのにと考え、どうせなら病児も障害児もみんなが明るくなれる「チャーミングケア」を浸透させたいなとチャーミングケアラボを立ち上げた。

可愛らしさって、ワガママですか?

ファッションでできるケアってどんなもの?

外見上の明るさを考えた場合、ぱっと思いつくのはファッションだ。

ファッション分野で、私の考える「チャーミングケア」をしているところはないものかちょっと探してみた。

すると、ヒットしたものがあった。京都に所在地をおくJAMMINという会社だ。

JAMMINは、チャリティTシャツを販売し、独自の方法で対象団体に寄付をする仕組みを取り社会貢献活動につなげているユニークな会社だ。

早速、話を聞いてみることにした。

JAMMIN

ファッション×社会貢献 JAMMIN 起業秘話

なんと代表の西田さんは、元DJ!なんでそんな人が社会貢献なんて考え付いたのだろうか?少しお話を伺った。

学生時代、研究のために訪れたスリランカでの経験が、JAMMINの原点です。

理工学部で土木・環境を専攻しており、配属先の研究室では、卒業のためには途上国での調査が必須。あまりノリ気ではなかったのですが、渡航先のスリランカで、衝撃を受けました。

不衛生な環境の中で水を汲み、それを飲み水や料理に使っている現地の人たち。当時、学生として自分が持っていた知識を活かし、自分がアクションを起こすことで水の衛生状況を良くできるということ、彼らの生活を改善できるのではないかという体験をしました。

「社会を変えることって、実は身近なことなんじゃないか」。そこで得た直観が、やがて信念に変わり、 JAMMINの原点となっています。

ファッションで人は救えるのか?

チャーミングケアラボとしては、ファッションは子ども達にとって有効なケアの手段であるのか否か?を研究したいところ。

ファッションで人は救えるのか?ちょっと深く調査した。

ごくごくふつうの感覚で、ソーシャルに意識がなくても、たのしいこと、オシャレなことだったら、たくさん人が集まってくれるのではないかと思うんです。そして、スリランカで感じた直観「社会を変えることって、実はもっと身近なことなんじゃないか」という体験を、ファッションであれば、よりたくさんの人に感じてもらえるのではないか、と考えたことから、完全ド素人のところからブランドをスタートさせました。

当初、業界にこだわりなく、ただ、「興味がない人たちや、若者を巻き込んでいきたい」という思いが前提としてあり、ファッションならばできるのでは、というところで、アパレル業に決めました。

「チャリティーを、もっと身近に!」という合言葉のもと、「デザインがかわいくて手にとったら、実はチャリティーだった」というアイテムを目指し、デザインはもちろん、Tシャツを始めとするアイテムのクオリティーにもこだわって物作りをしています。

なんだかファンキーな人々が、とっても素敵なことをしているのがうかがえる。

そして、そのJAMMINで制作されたTシャツを色々拝見したのだが、私がデザイン的に気に入ったのがこれ。

公益財団法人日本ダウン症協会

これは公益財団法人日本ダウン症協会の過去のチャリティTシャツで、自転車のモチーフがとても可愛いと感じた。お気づきになっただろうか?

たくさんの自転車の中に1つだけ三輪車が混じっているのだ。

これはダウン症の染色体をイメージして、染色体は通常2本、1つだけ3本である、ということを表していてダウン症のことをお話しできるきっかけになるのだそう。

早速、公益財団法人日本ダウン症協会の水戸川さんに少しお話をうかがった。

JAMMINさんのTシャツはとっても可愛くて、毎年デザインにこだわって制作していただいています。この自転車はJAMMINさんとの打ち合わせの時、2と3のキーワードを話していて、浮かんだものです。とっても好評で、その次の年にどうしようか悩んだほど。

「2だけど3!」そんなコンセプトで結局今年はお家に窓、のデザインになったんだけど、そういうことを考えながら作っていくのがまた楽しいですよね。

公益財団法人日本ダウン症協会

水戸川さんはとても明るく素敵な笑顔で答えてくれた。

 

公益財団法人日本ダウン症協会以外にも、過去にはきょうだい支援をしているNPO法人しぶたねのTシャツも手掛けており、風に揺られてかたちを変えるモビールのように、心の中には、いつもいろんな感情が渦巻く様子、きょうだいへの思いをデザインで表現すると同時に、もし誰か一人が弱っていたら、モビールのように周囲の人たちがバランスをとってその人を支えよう、そんな仲間をたくさん作っていこう、というしぶたねの思いがこもってるとのこと。

そしてまさに現在(5月21日より1週間)は、大阪に拠点を置く一般社団法人mina family(ミナファミリー)のTシャツチャリティーを行なっている。

今回のコンセプトは、様々なかたちのいすに混ざって、子ども用車いす(小児用の介助型車いす:外見がベビーカーに似ており、車いすとしての取り扱いをされないことが多い)が並んでいるデザイン。
皆それぞれ個性があり、違っているのは当然で、皆それぞれに晴らしいところがあるんだよ、というメッセージを表現し、“It’s good to be different”、「(他と)違うことは、良いことだ」という言葉を添えているとのこと。

ミナファミリーチャリティTシャツ

 

ベビーカーではなく、車いす。「子ども用車いす」の存在知って〜一般社団法人mina family

ターゲットは当事者以外 そこを動かしていきたい

コラボを通じてその団体の活動が広がるようなシーンに携わらせていただくと、とてもうれしいす。

日本ダウン症協会さん、しぶたねさん、mina familyさんもそうですが、デザインを見て、アイテムを「いいな」と手にとってくださり、そこからその団体のことを知って「そんな問題があるなんて知らなかった」「応援したいな」などと興味を持ってもらえるきっかけができれば、うれしいなと思います。

そのための苦労というほどではないですが、私たちとしては、できるだけ「フラットな感覚」を持つようにしています。社会課題やチャリティーは、そこに対して意識が高い方が取り組んでいることが、日本ではまだまだ多いです。ただ、それでは裾野は広がっていかない。

だからこそ、私たちは「ファッション」を通じて、「チャリティーや社会課題に全然興味がない人」に向けて、発信したいと思っています。

これからも心動かされる瞬間が伝わるような、エキサイティングな企画・デザインで、たのしく、かっこよく!一人でも多くの人を巻き込んでいきたいと思っています。

なんて、熱い会社が京都にあるんだと感じた。

ファッションで全てが解決するわけではないけれど、そこには確かに、そこに携わってる人と人との繋がりや思いがあった。

ファッションで人は救えるんじゃないか?まだ研究しなければいけない題材ではあるが、一つ言えるのは、いつかチャーミングケアラボでも、JAMMINコラボのびっくりするほどイケてるTシャツを作って、是非とも実際に検証してみたいと、お話をうかがってとても強く感じた。