病院付き添いに関するアンケート

ForbesJAPANに寄稿した

24時間体制で保護者が疲弊する子供の入院付き添い 家族の食事も大きな課題

を執筆するにあたり、チャーミングケアラボで独自に「病院付き添いに関するアンケート」を実施いたしました。

ご協力いただきました皆様、ご協力ありがとうございました。

アンケート内容は下記

目的:病児入院付き添いについて、世間周知されづらい「困りごと」の可視化

*自分の体験談や病児の付き添いをして感じたことをご自由に書くスタイルで、チャーミングケア側からの依頼によりセルフインタビュー方式で回答していただいた。

アンケート
①子どもの病気と付き添い状況 & ②子どもと家族の療養環境 (個人情報の為、こちらの掲載は自粛させていただきます)

③付き添いで困ったこと

④保護者の食事の状況

⑤メンタルケアについて(どのようにモチベーション維持したか?何か支援を受けたか?子どものメンタルケアについてはどのようにしていたか?)

⑥こうだったらいいのにという要望があればご記入ください。

③付き添いで困ったこと


・「子どもの介助」という前提でしか入浴できなかったこと

・仕事を持ち込んでの付き添いだったのでwifi環境が欲しかった
(乳幼児だったのであまり使わなかったけど、もう少し子どもが大きかったらYoutubeとかも暇つぶしになったと思います)

・子ども用ベッドで、点滴している乳幼児に配慮しながら添い寝するのは身体にもメンタルにも負担が大きかった。

・シャワールーム利用は子供を看護師に預けるので昼間しか利用できない。

・泣き声やうめき声が、他の子に迷惑になるので気が気でない。

・24時間付き添いで少しも離れられないこと。発作がひどく、トイレに行っている間に発作を起こしていて私が戻ったら先生や看護師さんに蘇生処置を受けていたことも。

・自分の食事の買い物やトイレ、シャワー、弁当を温める、飲み物を買いに行く…そんな少しの時間離れることも難しかった。

・動ける(動かせる)子どもはナースステーションで預かってもらっているのを見かけるが、我が子はたくさんの医療機器が必要で部屋から連れ出すこともできないので頼めなかった。

・夜も発作対応、注入、吸引、体位交換などやることがあり、まとまった睡眠が取れないので、体力も気力もどんどん疲弊した。

・基本4人部屋で入院生活していました。薄いカーテン一枚の仕切りだけですので当然短時間でもリラックス出来る時間を取るのが困難でした。

・夜間も21時消灯ですので、以降は手元灯のみで物音を立てないように仕事、介護しないといけませんので、全くもってはかどりませんし、周りの方にも非常に気を使います。

・母子同室中の弟について。祖母(仕事あり)に夜はみてもらうが、緊急で入院するので、祖母の予定を調整して貰わないといけなく、実の親とはいえ頼みづらい。

・いつまで入院が続くかが分からないから、母の頑張ろうという気持ちが続かない。

・トイレ、入浴、コンビニ以外で部屋を出ることができないので、ストレスがすぐ溜まる。

・母子同室を交代してくれる人がいない。

・シングルのベッドに子供と2人で寝ているが、呼吸器もあるので、私のスペースは3分の1以下、寝返りもできなく、自宅以上に睡眠不足が続く。

・睡眠は子供のベッドで添い寝か、簡易ベッドを使用。しかし、寝返りを全く打てないため、大阪にいる時には、ソファーベッドを購入に、病室に設置して使用。スタッフの出入りも多いため、ゆっくり休む事はできない。

・自身の体のメンテナンスは二の次、三の次になるため、体調不良に陥るが、病院には対応してもらえない。

・兄弟児の問題:病院に拘束されるため、上の子供達となかなか逢えなくなる。またまだ、幼い上の子供の精神的ストレスもかなり大きい。学校行事にも参加してやれなくなる。

・夫婦間の問題:付き添いする者とそうでない者の間に、温度差が生じ始め、夫婦間に亀裂が入りやすい。

・夜は一緒のベットに寝ることが許されていないので、親用の簡易ベットを使用するのですが、狭いし硬いし、眠れません。

・お風呂に入りに行けない

・付き添いベッドが簡易式なので 寝れない 

・付き添いの交代がいないので、離れられない。

・日中は基本的に介護ケアも医療的ケアも親がやるので、休憩時間がない。

・お風呂は病棟のシャワーを借りられたが、当日予約制で1人15分しかなく行水感覚。入院が多い時期は予約枠がいっぱいで入れないこともある。

・児は呼吸器をつけての移動が難しく、プレイルームにも連れていけなかったため、ずっと子どもがベッド上にいて遊びがわからなかった。

・付き添い者用に借りられる折り畳みベッドが非常に古く背骨にパイプがあたり身体が痛くなった。付き添いが長くなることがわかっていたので、ネットでキャンプ用の簡易ベッドを購入して病室に持ち込んだ。
④保護者の食事の状況


・院内にも近隣にも飲食店がなく、食事が院内のコンビニで調達するしかすべがなかったこと。
(乳幼児だったので長時間一人にするわけにもいかず)

・付き添いの食事は自分で調達しなければならないのと、病室での食事は禁止だったので、食事にかかる時間は院内保育の先生や、看護師さんが子どもの相手をしてくれました。子どももすぐに懐いてくれたので助かりました。

・看護師さんに子供を預けその間、売店へ走っていき、病室で食べる。4人部屋なので、オムツ替えの臭いが残っていたりするときつかった。

・病棟では親の食事は許されていないので、その場を離れなければいけません。コンビニなどでささっと食べて病棟に戻りますが、その間に何かあったらどうしよう?と心配になります。

・ 栄養面でも偏りが出てきてしまったり、娘の体調が心配な時は食事を抜いて看病することもありました。 

・二重生活となり、食事も毎日購入する事になるため、出費がかさむ。

・コンビニ弁当が中心になるため、栄養の偏りが起こり、体調を崩しやすくなる。子供を1人にして部屋の外へ出られないため、子供の状態悪化時には、食事を取れない事もしばしば。

・コンビニや売店の弁当、レトルト食品、パンなどがほとんど。

・こどもが小さいときは ご飯を買いに行けない

・子どもはミルクなので食事はないし、親の食事ももちろんない。

・検査などあるとタイミングを失う。

・偏った食事が9ヶ月も続き、栄養バランスも崩れました。もちろん体調も悪くなりましたが、親が倒れるわけにいかず、気力でもちこたえてる状態。退院後に無理してたのが表れました。

・コンビニか近くのスーパーで買う。 食事の度に看護師さんにお願いして買い物するのが申し訳ないので、1日分纏めて買う。 

・院内にはレストランや食堂、コンビニ、ファーストフード店等がありましたので非常に助かりました。しかし食糧調達には不自由しませんが、子供の目が離せない等でほとんどの保護者の方は買い置きのレトルト食品やコンビニ弁当・パン類の日々でした。 

・地方での付き添い中は、車で20分のところに自宅があったため、祖母や友人が時々食事を届けてくれた。それ以外はコンビニ弁当。状態が悪いため、片時も離れなれず食事摂れない日もあった。 

・大学病院での付き添い中は、コンビニ弁当か、院内の食堂や近隣のお弁当屋さんのデリバリーを利用。上記同様、食事するタイミングを逃し、食べられなかった事しばしば。 

・海外での小児病院は、授乳中の母親に対する病院側からの食事提供あり。授乳中の母親の場合、母親へのミールサービスがあって、メニューを見て電話でオーダーすると、カフェテリアスタッフがお部屋に届けてくれる。1日何回オーダーしてもよく、食事代の追加請求はされない。また、宿泊先からも食事提供がほぼ毎日あり。夕ご飯、時にはランチもあった。近隣住民、学生、そして企業、レストランなどからボランティアとして食事を作りに来たり、持参し提供してくれる。メニューは、パンケーキや、タコス、アメリカの伝統料理など様々。各部屋にもキッチンがあって自分で作ることもできたが、ほとんどドネートされた食事で十分事足りていた)

・ほとんど簡単なもので済ませてしまいます。急いで食べるので、何を食べたかも記憶にないほどです。 

・14年前はコンビニもなく、毎日面会も来ないため 毎食食べれなかった。 現在は 子どもが大きくなり 「ちょっと待ってて」と 離れることができるし コンビニができたこともあり 昔より苦労はない。 入院中のママさんたちとたまに デリバリーを頼んで食べるのが 唯一のご飯。
・付き添いを離れるとしても30分以内との決まりがあって、院内の食堂や外食をしてくるわけにもいかず、買ってきたものを病室内で食べるしかなかったが、病院周辺のスーパーやコンビニは片道10分ほどかかっていたため実質買い物に費やせる時間がなく、食べ物や日用品の買い物に困った。 

・冷蔵庫が共同利用で一人当たり数品しか入れられないため、まとめ買いも出来なかった。 調理の手段が共同利用の電子レンジかお湯の供給のみなので、加工品を買うしかない。電子レンジも3分以上かかるような利用の仕方は、他のご家族を待たせて気が引けるのでできない。 結果、コンビニ弁当やレンジ調理のご飯がほとんどになり、食費がかさんでしまう。1週間もすると味にも飽きてくるので、環境とコスパを総合するとカップ麺に行きつく。

・外出は1時間ほどしか許されず、近くのコンビニにご飯を買いに行くことも出来ず 病院の売店で済ますことが多かった。 ・付き添い食は用意されるが粗末で高価な内容。

⑤メンタルケアについて(どのようにモチベーション維持したか?何か支援を受けたか?子どものメンタルケアについてはどのようにしていたか?)

・モチベーション維持は、主人に電話。同じ境遇ママ友にライン。


・メンタルケアの支援は無し。
・子どものメンタルケア、意思疎通できないのでわからない。

・メンタルケアは特にない。病室に来た看護師さんと話をするのが唯一。


・親のケアも大切だが、本人や兄弟児のケアをもっとできるようにしたい。

・初発の時は、小3で本当は母に付き添いして欲しかったと思うのですが、当時弟は1歳でしたので苦渋の決断でしたが父が仕事をセーブして付き添うことに決定しました。
当然、妻が1番付き添ってやりたかったと思いますので、生半可な気持ちで看病することは許されませんし、本人にはもちろんのこと、妻に対しても、フォローしてくれている従業員に対しても申し訳ないので、自分で自分にプレッシャーを掛けて、絶対に元気に家に戻してやるまでは泣き言厳禁と誓いました。

・息子のメンタルケアは決して上手く出来たとは言えませんが、基本父が泣き言言うなと叱咤激励する(時には喧嘩)役、母はフォロー役に徹し、祖父母、父の妹はほぼ甘やかしのオアシス的な役回りをしてもらい分業する形で乗り切っていました。

・再発後は特に荒れていましたので、あえて一人になる時間を増やした結果、担当看護師にも何かと悩みを吐露するようになり、またその内容をフィードバックしてもらうことで子供の気持ちに沿った解決策を考える。幸いCLSの方がいましたので親子どちらも専門的なアドバイスをいただき、時には悩みの相談にも乗っていただきました。

・とにかく絶対に治してやりたい、必ず元気になっておうちに帰る!の一心で過ごしていた。自分がしんどいとか辛いと感じる時は、病院スタッフに話を聞いてもらったり、同じ境遇にある親御さんと気持ちをシェアする事で気持ちを立て直していた。子供のそばを離れる事ができなかったため、身体のメンテナンスは後回しだった。


・当時の一番のストレスは、夫からの心無い言動で傷つけられる事で、支えになったのは、母方祖母、友人、担当医師、元同僚、他の親御さんの存在だった。
当時まだ幼かった兄弟児のサポートが、一番難しかったと思う。夫が上の子供達のケアをしなかった事で、両親不在の状況に陥り、慣れない環境に突然追いやられ、かなり強不安の状況になっていた。情緒不安定で、突然泣き始めたり、パニック症状を起こしたりしており、夜間2人を母方祖母が抱きしめて過ごしたと聞いている。
ほぼ毎日電話をし、上の娘とは交換日記をして、2人の事がとても大切で愛おしい存在だと伝え続けた。そして、心臓移植が終わったら、みんなで暮らす事を約束していた。

・同じ患者会のメンバーとのラインで悩みごとを相談したりしています。集まってお茶をして笑うこともかなり前向きになれます。同じ学校のママさんたちとのランチも楽しみです。 

•同じ入院中のママ達と喋ることが 唯一の楽しみだった。 


・とにかく閉塞感が嫌で、出来れば会話がしたかったので、個室にいても入口のドアはいつも開けていた。


・スマホの利用は自由だったので、SNSで在宅生活の先輩ママさんから情報をもらったり励まされた。


・メンタルの支援というわけではないが、通園に通っていた療育センターの先生から「時間がかかっても、ちゃんと席を空けて待っているから大丈夫よ、待ってるからね。」と言ってもらえたことが心強かった。


・兄は、日中の生活は保育園で支えてもらった。土日には父に病院に連れてきてもらい、付き添いを父と交代して、兄が母と過ごす時間をつくってもらった。
⑥こうだったらいいのにという要望


・兄達の参観日や運動会などの行事と重なると困るから。缶詰め状態はしんどい。普通の生活に夜だけでも戻りたい。

・理想は、都市部のように付き添いをしなくても看護を任せられる環境(完全看護)。
すぐは難しいだろうから、まずは長期入院の親を対象に、週に一度でも付き添いを変わってくれる人(看護師)がいたらありがたい。そうすれば、週に一度は夜に家で寝られるし、兄弟のケアもできるし、家の事もできる。
それも難しいなら、せめて一日に何時間か子どもを預けて親が抜けられる環境を!買い物やシャワーもままならないのは尋常ではないです。常に気が張っていて、メンタルももちません。
保育士さんを増やす取り組みはあるようですが、医療行為ができないため預けられない現状です。
重度の障害があり、医療ケアが必要な子どもでも、親任せではない環境をお願いします。

・親は昼間は病院ですごし、夜は帰宅できる環境が理想。

・子供の年齢、障害・重症度、受け入れ側の問題等で一筋縄ではいかないと思いますが、個人的には基本夜間は病院側での完全看護が望ましいと考えます。実際に行われている病院では逆に夜間付き添い希望出来ないことがストレスなのかもしれませんが。
しかし長期入院はマラソンですので無理をすると無事ゴールすることができません。保護者の精神的疲弊、経済的困窮、肉体疲労等で二次災害も起こりうるので、せめて夜間だけでも休息を確保することにより翌日フレッシュな気持ちで子供と接することが出来ますし、また様々な面でプラスに作用すると思います。 

 

・ 入院生活は自分の事だけでも精一杯なのに、気を遣うことが多くて毎回本当に疲れてしまいます。気分も落ち込んでいきます。少しでも改善されるといいなと思います。

・付き添い者のご飯も出たら良いと思う。

・入院中の同病患者さんを紹介してもらえたら良いと思う。

・使ってる点滴やお薬の名前を教えてくれた李、廊下とかに 先生や看護師さんの名前を写真付きで貼られてると 覚えやすくていいと思う。 

・退院後に使用するシリンジやガーゼなどの医療品の名前や販売元の一覧などを貰えるとわかりやすくてよかなと思う

・受付やプレイルームなどの目につきやすい場所に 患者会のリーフレットを置いてくれてたらありがたいです。

・付き添いの親の食事を、病院で頼めるようになると有難い。


・小児病棟に休憩コーナーみたいなスペースがないので、ベッド周辺にしか居場所がない。子どもが昼寝したときや夜間に親が休憩したり、親同士がおしゃべりをしたり、子どもと離れてゆっくり食事ができるスペースがほしい。

・入院中はヘルパーが使えない。ヘルパー事業所的には仕事が長期にわたりキャンセルになることになる。支援に来てほしい家族と支援に行きたいヘルパーの間に需要と供給が成り立っているのに制度が邪魔をしている。病院が全くできていないのに完全看護をうたっているがためにヘルパーが入れない状況となっている。そのため、保護者が付き添い願を出さなければいけないというのを是正してほしい

・お風呂に入院患者と親も皆一緒に入るということが強要されるのをやめてほしい(看護師の監視あり)

・もちろん有料でいいから付き添い用にも食事の手配をしてもらえる

・もしくは、院内にそれなりの飲食店・喫茶室がある

・病室での飲食OK

・付き添いだけで入浴ができる

・付き添い用に簡易ベッドがある

運営団体 改称のお知らせ

チャーミングケア
運営団体が「一般社団法人 チャーミングケア」に改称しました!

7月1日 
みんなのチャーミングケアラボラトリーの運営団体が、任意団体チャーミングケアラボから一般社団法人チャーミングケア となりました。
運営サイト名はそのままで、今後コンテンツを少しずつ増やしていく予定です。
今後とも、みんなのチャーミングケアラボラトリーをよろしくお願いいたします。
一般社団法人チャーミングケア 代表 石嶋瑞穂

活動報告 2019/1〜6

チャーミングケアラボの活動及び今後の事業計画に関して、東京都女性ベンチャー成長促進事業 APT Womenに採択され2018年9月より約半年間ブラッシュアップのアクセラレーションプログラムを受講しました。

APTwomen

最終報告会の前に、合同ピッチ会があり、そこで発表の機会をいただきました。

APTwomen

第2回「日経ソーシャルビジネスコンテスト」にて308件の応募の中から選ばれたファイナリスト13組に選出されました。

日経ソーシャルビジネスコンテスト

たくさんの方との繋がりを持つことができ、また一つ世界観が広がりました。

日経ソーシャルビジネスコンテスト

神戸国際女性デーに参加させていただきました。

神戸国際女性デー

チャーミングケアラボとして、病気や障害のある子どもたちへのグッズなどを展示販売させていただきました。

神戸国際女性デー

LAVENDER RING DAY 2019 atゆかしの杜 に参加させていただき、ソーシャルイノベーションアワードでプレゼンテーションさせていただきました。

ラベンダーリング

ドローンを使用した撮影や、プロのカメラマンさんによるスタジオ撮影などを体験させていただき、とても有意義な1日でした。

木口記念会館にて病気が障害のある子どもたちへのグッズなどを展示・販売致しました。

木口記念会館

木口記念会館

2019年7月 チャーミングケアラボは、一般社団法人化し今後更なる活動の幅を広げて行こうと考えております。*一般社団法人化に関しては、現在準備中です。

体制見直しやサイトリニューアルに伴い、1月より発信を行なっておりませんが、体制が整い次第、発信作業を再開いたします。

次回リリースまで今しばらくお待ちいただけましたら幸いです。

大人が思っている以上に、子どもは人なんだ vol3 ー全介助が必要な子どもとの暮らしー

チャーミングケア ラボで連載している「大人が思っている以上に、子どもは人なんだ」の第3弾として全介助が必要なお子さんのケアをしながら病児服などを扱うECサイト「パレットイブ」を運営している奥井のぞみさんに寄稿していただきました。

親の目線、きょうだい児の目線

24時間人工呼吸器管理、胃ろう、導尿・ナイトバルーン、全介助が必要な伊吹(小2)と、次男(小1)を出産するまでの葛藤。そして、きょうだい児として育つ次男にとって障がいを持つ兄はどう映るのか、本人に聞いてみました。

夫からのひとことで、初めて自分の姿に気が付いた

2010年6月、原因不明の出産事故により、伊吹はピクリとも動かない障がい児になってしまった。

なにがいけなかったのか

なんで私はうまく産めなかったのか

出てくる言葉は、なんでなんでなんで。いつまでも自分を責める私にしびれを切らした夫が言った。

 

夫「いつまで悲劇のヒロインぶってんの。一番かわいそうなのは伊吹だよ。」

私「…産んでもないくせに、何がわかるの!!」

しかし、時間が経つにつれ「こんな体に産んでごめんね」と思う回数が減ってきた。

この言葉は自分ことしか考えてない言葉だと思えてきた。

一番「なんで?」と思っているのは伊吹本人かもしれない。

いくら自分を責めても、健康だった伊吹の体は戻ってこない。

伊吹と私たち夫婦の遺伝子検査の結果は、誰にもなんの問題もなかった。

医師「次はほぼ健康なお子さんを望めます。」

緊急帝王切開になった私のお腹には、縦に手術の痕が残っていた。

医師の言葉で、確信した。

私たちには問題はなかった。…次は絶対健康な子どもを産む。

衝撃の事実

世の中にはVBAC(帝王切開で出産後に、次の出産するときに経腟分娩で出産をすること)という方法があるらしい。ネットで経験者の話を読んでは期待し、母子ともに高リスクを負う出産方法であることに恐怖を感じた。

そんなことよりも次は絶対普通分娩で!!変な使命感が私にはあった。

だって、私たちにはなんの問題もなかった。だから普通に分娩ができるはず!

伊吹を出産して1年が経過し、第二子を妊娠した。

「よっしゃ、絶対できた!!!」(直感)

病院に行ったらだいぶフライングをしていたようで翌週に持ち越しになったが、その後無事に妊娠が確定した。

そんな矢先、自宅に分厚い封筒が届いた。

産科医療補償制度の原因分析の報告の書類だ。

難しい医学用語の中に「子宮下節の菲薄化」という言葉を見つけて血の気が引いた。

妊婦健診に書類を持って行き「これはどういう意味ですか?」と産科医に聞いた。

産科医「本物(原因分析の冊子)初めて見たな~!こんなんなんだー!」

(いやいやいや、関心せんで答えてください。)

産科医「そうですね、子宮壁の一部が薄くなっていたということですね。」

VBACなんて無理だ。

だけど、次の子どもを産める体を残してくれたことに心の中で感謝した。

そして、帝王切開にて次男が誕生。

が、オペ室で取り上げた次男の鳴きが悪い。テレビで見て感動のご対面と違う。

オペ執刀医「N(NICU)の先生呼んできてー!」

横目で見える赤ちゃんの血色が明らかに悪い。伊吹の介護のおかげで、私の知識レベルが上がっていた。

カンガルーケアはいらないから、早くNICUに連れてって…。心の中で叫んだ。

NICUに運ばれた赤ちゃんには3日間、人工呼吸器が挿管された。

しかし色々あったが、私たちの第2子は母親よりも2週間ほど後に無事退院することができた。

晴れて障がい児と赤ちゃんがいる新生活がはじまったのである。

お母さんはスーパーマンじゃないといけないのか??

経験のある方もいるであろう、ガルガル期。新生児がいても我が家の生活はすべて伊吹を中心に時間が組まれている。そんな我が家は夫の母、つまりは義母と同居をしている。

翌日仕事にしっかり専念してもらうためにも、夜間のケアはすべて私がやっていた。そこに新たに新生児が加われば、それこそもう医療機器のアラーム音と痰の絡む音と新生児の鳴き声の戦場だ。

またこれがタイミングよく伊吹のケアの時に限って次男が泣き出す…。伊吹を待たせて授乳をし、隙を見ては吸引・オムツ替え・体位交換…そして泣き出す次男に授乳…。

いかん、このままじゃ発狂する。

助けてほしいけど2階で寝ている夫と義母を起こすのは忍びない。でも、聞こえん?泣いてる声?ぐるぐると頭の中で葛藤をする。

ある日「夫はほかの家庭の夫よりもよく家のことをしてくれているんだから、もうちょっと休ませてあげて。」と言われた。

なにかが切れる音がした。

その日から2日間、私は夫に伊吹のことも次男のこともさせず、全部一人でやった。もう意地だった。

「気がおかしくなったんじゃないか?」

いい嫁キャンペーン終了のゴングが鳴った。

一つ屋根の下で暮らす以上、言いたいことを言えず暮らすのはこれ以上無理!夫と話し合って決めた伊吹のケア分担。どうにもこうにもしようもない。私だって自分の体を大事にしたい。

自分の意見をできるだけ伝えるようにした。口答えをする嫁の完成だ。結果、年に一度はガチンコでぶつかることが今でもあるが、一緒に買い物や食事、お出かけもする、ほどよい距離感を義母とは築いている、と思う。

これがあの「きょうだい児」というものか

伊吹が一時危篤になった時は、私たちにとって次男を預ける保育園は救世主だった。

在宅介護をしていると、日中の外出なんてできず、児童館ではすでにママグループが構築されている。私には近くに住むママ友がいなかった。しかし、保育園なら同年代の子どもたちと一緒に過ごせる上に、家にいるよりも子どもの成長に絶対いい!そう思っていた。

保育士「日中、次男くんが荒れていて…ご自宅でなにかありましたか?」

3歳の子どもだからあまり伊吹の状況はわからないだろう。そう思っていた私たちは後悔した。伊吹にばかり重きを置いていたことを、小さい体でわかっていた。

次男との時間をきちんと作ろう。両親揃ってお出かけすることは難しいけれど、土日はどちらかが次男を連れていろんなところに出かけよう。健康な次男と行ける場所は、いっぱいあった。

もちろん、伊吹も一緒に家族揃ってのお出かけもいっぱいした。

上野動物園、ディズニーリゾート、近所のお祭り、水族館、温泉旅行、いろんなところにみんなでお出かけをした。

年齢を重ねてくると、次男は伊吹におみやげを買ってくるようになった。

次男「いぶにぃー!みてー!」「いぶにぃにもおかしあげるね。」(口に突っ込む)

話しかける声はとても柔らかくやさしい口調だ。

次男は6歳になるまで伊吹がどうしてベッドの上で生活しているのか、動いたりしゃべったりできないのか聞くことはなかった。

きっと彼の中でこれが当たり前なのかもしれない。

次男にとっての「障がい児」とは「よくわからない」

出かけ先で車いすに乗る子どもを見かければ、ソワソワしだし、近寄っていこうとする。そして、次男は伊吹との「違い」をこっそり耳元で教えてくれるようになった。

伊吹とおでかけをすれば、自分がバギーを押す!(前、前、前!!!)

伊吹がお風呂に入ると、自分も手伝う!(頼むから気切あたりにお湯かけないでー!)

いぶにぃの隣で寝る!(伊吹を踏まないでぇぇぇぇ!!!)

この文章を書くにあたり、小学1年生になった次男に聞いてみた。

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いぶにぃと一緒に遊んだりできないけど、どう思う?

次男「ん~、しかたないよね!」

いぶにぃがいると、お父さんとお母さん二人そろって次男とお出かけができないけど、どう思ってる?

次男「それはそうでしょ!たまに寂しいけど、いぶにぃも一緒におでかけすればいいんじゃん!」

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最近とても驚かされたことがある。

次男「おとうさんとおかあさんがいなくなったら僕がいぶにぃをみなくちゃいけないから、いろいろおぼえないとね!」

唖然としつつも「いぶにぃを看るのはお父さんとお母さんのやることだから、次男はいぶにぃのお世話しなくちゃいけないって思わなくていいんだよ。」と答えた

伊吹のことは私たち両親が覚悟を決めて在宅介護を選んだので、次男にその責任を負わせることはしたくない。もちろん、本人が自然な流れでやりだすのなら問題ないのだが、なぜか私たち両親がいなくなった後の心配をしだしたので思わず笑ってしまった。

でも、そんなことを言った次男に心がギュっと苦しくなり、私は思わず抱きしめた。

いぶにぃと仲良くしてくれて、ありがとう。

大人になった「きょうだい問題」 ー涙の理由ー

チャーミングケア ラボで行った「親なきあと」の座談会

「成年後見人」と「親なきあと」座談会

この座談会で印象的だったのは、病気や障害のある子どもたちの保護者の方ときょうだいの立場でもある弁護士の藤木和子さんのやりとりだった。

きょうだい支援を長年している「NPO法人しぶたね」の代表清田 悠代さんにも少しお話をうかがった。

「そうですね。きょうだいって、どこまで行ってもきょうだいなんですよね。大人になっても、例えばどちらかが亡くなってしまったとしても、きょうだいであるっていう事実は変わらないんです。」

深い言葉だなと感じた。

*NPO法人しぶたね 啓発イベントにて

わたしの息子たちは3人兄弟で、長男が白血病に罹患した。

長男の入院している約1年間は、下の二人とはコミュニケーションが途切れてしまった。白血病の治療はずっと入院というわけではないので、一時退院やガラス越しではあるが病院内で面会もできたので全く会っていないわけではない。

だけど、当時幼稚園の年長さんだった次男の不満は爆発した。

「なんで病院にばっかり行くの?俺らだって家に帰りたいし、病院ばっかりに付き添って、長男ばっかりずるい!!!」

そう懇願した。(下二人は、長男の入院中祖父母の家で見てもらっていた)

どうにかその環境を変えられないか、病院に付き添いながらも家族に説明をしたけれど「子どもだから大丈夫」という認識が強く、結果的に大人が世話がしやすい方法を優先することになってしまった。

そして次男は、幼稚園での対人関係で問題を起こした。

その時わたしは、ちょうど長男への病気の告知時期も重なり、次男・三男にも詳細に長男に起きている病気の状況について話をした。

三男は幼く、話を理解しているのか否かという雰囲気だったが、しっかりしている次男は涙を流しながらこう言った。

「それは・・・仕方ないな。オレはさみしいし家で過ごせないのは本当に嫌だけど、死なないから大丈夫。そんなに大変なことになっているなら、病院についていてあげて」

わたしは、申し訳なくて仕方なかった。

ごめんな。なるだけうまくまわるように努力するからねと、ぎゅっと次男三男をするのが精一杯だった。

その時のわたしは、長期療養が必要な子どものきょうだいにも支援があることなんて知りもしなかったし、これはきっと「当たり前に母親が乗り越えなければいけないこと」なんだと思っていた。

しかし、長男の闘病に付き添いながら病院の中で病児向けのグッズを販売するECサイトを立ち上げたことをきっかけに色々な情報を目にし、そういった「きょうだいのためのケア」があって、支援をする団体がたくさんあることを知った。

そしてチャーミングケア ラボで先日行った「親なきあと」の座談会で、「大人になったきょうだい」の気持ちについて触れたのだ。

この大人になったきょうだいについての問題は、他でも耳にしている。少し前にお話を聞かせてもらい、掲載許可をいただいたのでここに掲載したいと思う。

涙の理由

*この文章は、取材対象の方にご了解を得て掲載しております。

少し前のことだ。
我が家が闘病に入る前にちょくちょく来てくれていた某メーカーの訪問販売さん。
彼女は我が家の闘病の事は知らなかったので、留守にしている最中もちょくちょく来てくれていたらしく、ごめんねーと事情を話した。
そしてそれがキッカケでわたしが始めたプロジェクトについて話をした。

すると初めて聞いたのだが、なんと彼女は日本で前例のない希少難病のサバイバーだったのだ。

その難病で大人になって出産事例がないらしいのだが、彼女にはお子さんがいる。

そしてさらには、そもそも今もなお生きているのが奇跡なので自分の余命もわからないらしい。

「とりあえず、楽しく生きるしかないですよね。だって、前例ないし。」

と明るく笑う彼女は、とても小柄だけどとても大きく見えた。

わたしの販売しているカテーテルケースを見て、
「私の時にこんなのあったら、きっとお母さん喜んだだろうなー。私は自分が出産する時まで自分の病気の事を詳しく知らなかったんです。その時、あ、お母さん大変だっただろうなって凄い感じました。」

と、なんでも明るく話をしてくれた彼女が涙目になった事が一つだけある。

それはきょうだいの問題だ。

「私ね、姉がいるんですけど、ずっと仲が悪くて。あんたが病気になんかなったせいで…って凄い言われててね。でもどうしようもないじゃないですか…何にも言えないですよね。私は小さい頃に2年間入院していたから、その間は家族バラバラで、姉も小さいからもちろん会えなくて。多分色々我慢してたんだと思うんですよね。ほんと最近ですよ。姉にも子どもができたあたりから、だんだん話をするようになってきたの」

と涙を溜めながら話をする彼女をみて、あぁ…誰も悪くないのに、みんな頑張ってるのにと強く強く感じた。

彼女にわたしが立ち上げているチャーミングケアの話をして、きょうだいにもきょうだいの気持ちがあって、それをケアする活動もある事を話した。

彼女は、
「石嶋さん、私嬉しいです。そういうの知らないで過ごしてきた人沢山いますよ。物にしてもそうだし、そういう活動にしても、きっと疾患の種類なんて関係ないんですよ。みんなに必要な事なんだと思う。とりあえず、私チラシ配りまくります。」

と言ってくれた。

そんな彼女は、小さい頃、医療機器を身につけながら長い期間生活をしていたそうだ。

自分の体に起きているおおよそ大きな異変には気づいていたものの、特に病名や詳しい病気の話は聞かされていなかったのだそう。

しかし彼女は振り返ってこう言った。

「私は知らない方がよかったタイプだと思います。きっと私のお母さんは私のことをよく見ていてくれて、そういう決断をしたんだと大人になってから思います。ただ、きょうだいはね。ちょっと違いますよね。我慢させてしまっていたんだろうなって、すごく思うし申し訳ないなとは思いますね。特に自分が親になって感じます。難しいですね。ホント」

彼女の話を聞いて、わたしはうちの子にも似た部分があるなと感じた。自分の周りで起こっている全てのことを、どこかで客観的に捉えて見ることができるのだ。

それって実は凄いことで、生きていくためのセンスだとわたしは思う。

病気によって全てがハッピーに回っているとは言えないかもしれない。

だけど、生きていくためのとても大切な何かをそこで子どもたちは学ぶんだなぁと改めて感じた。

そして、自分の病気の話をするよりも彼女にとってはきょうだいの問題の方が大きいように思えた。

彼女の涙の理由には、とてももどかしく言葉では表現しようもない色々な思いがあるのだろうなとも、とても強く感じた。

士業×障害のある子どもの保護者座談会 ー「成年後見人」と「親なきあと」

チャーミングケアという、病気や障害を持っているどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

「成年後見人」と「親なきあと」

についてWEB座談会を行いました。(協力:疾患別SNS ケアランド

 

「親なきあと」とは

子どもより親が先になくなるのは自然の摂理。ですが、病気や障害のある子どもを残して先に亡くなった場合、子どもたちはどうなってしまうのだろう?という問題が、いわゆる「親なきあと」問題です。チャーミングケアと成年後見人や親なきあと問題は何か関係があるのだろうか?と思うかもしれません。 しかし「親なきあと」問題は、チャーミングケアを必要としている保護者の頭の片隅に漠然とした悩みとしていつもどこか存在している傾向があります。その解決策の一つとして「成年後見人」という法制度があります。

 

この話題を取り上げた理由は?

この話を取り上げようというきっかけは、インターネット上にあったあるニュースです。

財産管理を成年後見人に移譲したことで、今まで子供のために蓄えてきた金銭が必要なものですら全く使えなくなってしまったというような内容のもので、読んでいて不安感を感じました。

おそらく将来的に必ず向き合うであろう「親なきあと」問題への適切な対処法をしっかり話をしたいなと考えたのが、今回の座談会の大きなきっかけとなりました。

専門家の方も交えて、当事者が制度的な話もしっかりと把握ができる意見交換の場を設けようということになりました。


成年後見人とはどういうものなのか?どういう準備をしたらいいのか?というところに着目してWEB座談会を開催した。

保護者側の疑問

  • 「親亡き後の問題」という講習会に参加してみたがイマイチよく内容がつかめない。
  • 結局自分がなくなった後に、子供がその後どうなってしまうのかな?
  • 後見人を立てて準備したほうがいいのか?
  • 遺書を今のうちから書いておいてくださいというような情報があるけど、どうやって書けばいいの?
  • 障害児の数に対してその後見人の数が圧倒的に少ないので今のうちからいい人を確保しておかないと、騙されるようなこともあるって聞いたけど本当なの?
  • 子供の名前で預金をしておかないほうがいいって本当?
  • 一番身近な人って「きょうだい」じゃない?
  • きょうだいにとって何が一番不安なの?
  • 不安事はどこに相談に行けばいいんだろうか?

 

などの疑問が上がってきた。

 

今回そんな疑問にお答えいただいた専門家陣はこちら

小泉道子行政書士

チャーミングケア ,小泉道子,行政書士

15年間、家庭裁判所調査官として勤務した後、平成29年4月に独立。 現在は、離婚や相続などの家族の問題を扱う民間の仲裁機関(裁判外紛争解決手続)、「家族のためのADRセンター」を運営。 5年ほど前に東京家裁の後見センターに在籍。

 

藤木和子弁護士

チャーミングケア ,藤木和子,弁護士,きょうだい

弟に聴覚障害がある「きょうだい(障害のある人の兄弟姉妹)」の立場であり現役の弁護士。「成年後見」はきょうだいにも大きく関わるテーマであり、きょうだいの会での講師経験もある。

また、「シブコト障害者のきょうだいのためのサイト」を「きょうだい(Sibling=シブリング)のコトをきょうだいのコトバで話そう」をテーマに5人で運営している。

 

正木隆資司法書士

チャーミングケア ,司法書士

doors司法書士法人代表

司法書士補助者としては、平成7年より司法書士業に携り、平成12年より司法書士として活躍

成年後見の分野では、申立や後見人就任となどを経験。未成年者の後見は数回の相談を受けた経験がある。

 

WEB座談会の様子はこちら

 

今回のWEB座談会で、印象に残ったのは「漠然とした不安」というキーワード。

具体的にどの分野のどの部分に不安があるのか?が、不安に思っている保護者が亡くなった後の話なので掴みきれないというのが大きな課題である。

それに関しては、遺書を書いたとしても、後見人をつけたとしても、悩んでも悩んでも答えは出ない話なのではないか?という印象を受けた。

それほどに、病気や障害のある子どもを持つ保護者が子どもを思うが故に見えない不安を抱えながら日常を過ごしているということがうかがえる。

そして、もう1点。いざとなった時、その不安を受け止める先になりうる可能性が高いのが「きょうだい」であるということ。

*「きょうだい」とひらがなで書くのは、病気や障害がある子どもの兄弟姉妹のことを「きょうだい」と表現します。

 

きょうだいの立場で話をしてくれた藤木弁護士の言葉が耳に残る。

藤木弁護士

きょうだいは、お金の問題とその後のケアの問題に加えて、自身の進路選択や結婚とかそういった将来設計に不安を持っているところが大きいですね。

お金に関しては、きょうだいの扶養義務自体は自分の生活を犠牲にする必要はないんですが、それ自体を知らない人も多くいますね。

ケアは、実際関わっているきょうだいもいますが、親御さんが元気なうちにいろいろと聞いておきたい、福祉ともつながっておきたいけど、親御さんにどう話したらいいか・・・?というきょうだいも多いです。

やっぱり、きょうだいも「漠然とした不安」が子どもの頃からあります。自分が、進学や就職で実家を出たり、結婚とか出産したら、親と病気や障害のある兄弟姉妹はうまくやっていけるのかな?とか、結婚を考えている相手とかその親にどう説明しようかとかという部分が一番の悩みかなと思います。とても大切なことだから、家族で話し合っていきたい。親御さんの協力をいただいてきっかけ作りをしているところです。

 

「きょうだい」への伝達方法についても、考えていく必要性があるのではないかと強く感じた。

 

WEB座談会の詳細は「みんなのチャーミングケアラボラトリー」にて公開しています。


「成年後見人」と「親なきあと」問題についてどのように感じられたでしょうか?

チャーミングケアラボでは、感想などご意見を募集しております。


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「成年後見人」と「親なきあと」座談会

「成年後見人」と「親なきあと」問題について座談会を行いました。

「親なきあと」というのは、子どもより親が先になくなるのは自然の摂理。

しかし病気や障害のある子どもを残して先に亡くなった場合、子どもたちはどうなってしまうのだろう?という問題が、いわゆる「親なきあと」問題です。

(写真提供:加藤さくらさん)

参加者紹介
チャーミングケアラボ 石嶋瑞穂マミーズアワーズショップ運営) & 岩倉絹枝コドモフクひよこ屋運営)◇加藤さくらさん(患者家族) 2児の母 次女は福山型先天性筋ジストロフィー デジリハや041など複数のプロジェクトに関わる◇永峰玲子さん(患者家族) 1児の母。長女が大田原症候群を患い、患者会など様々な子どものための活動を行なっている◇宮副和歩さん(患者家族) 2児の母 次男が先天性の脳障害のため常時医療的ケアが必要 親の会など医療的ケア児に関する活動を行なっている◇小泉道子さん(専門家/行政書士)家族のためのADRセンターを運営 家庭裁判所調査官の経験から、成年後見人を選任する仕事に携わっており専門知識を持つ2児の母◇藤木和子さん(専門家/弁護士) 法律事務所シブリング 代表弁護士 自身が「きょうだい」という立場から「きょうだい支援」に力を入れている◇正木 隆資さん(専門家/司法書士) doors司法書士法人 代表 成年後見申立などの案件に携わった経験を有する◇座談会協力 疾患別SNSケアランド


「成年後見人」と「親なきあと」

どうして今回この成年後見人の話を聞いてみたいと思ったのか?というところ、またどういうところが知りたいですか?

 

永峰さん

娘に障害があり、生まれつき難治性のてんかんがあって重い身体障害の子供です。

(写真提供:永峰玲子さん)

首が座らず全介助が必要だという状況です。結局、自分がなくなった後に、子供が一人っ子なのでその後どうなってしまうのかな?と気になって「親亡き後の問題」という講習会に参加したことがあります。

講習会では、成年後見人はお金の管理とか世話をしてくれるけれど、障害児数に対して後見人の数が圧倒的に少ないので、今のうちからいい人を確保しておかないと騙されるようなこともあるというような話がありました。

例えばお金を勝手に使わされるとか、詐欺的な被害にあうとか、あるいは親戚がいないような僻地の施設に追いやられるような話もありますとも聞いて。

であれば、元気なうちから頼れる後見人を探しておくことがいいと。

後見人はなくなった後に支払いが発生するので、生きているうちに頼れる人をまず見つけてくださいという話で、後見人を立てて準備したほうがいいですよとか、遺書を今のうちから書いておいてくださいというような情報を頂いて、ちょっと焦ったというところがあります。

今回は、お勉強も兼ねて参加させていただきました。

 

宮副さん

次男が、お腹にいる時から脳の障害がわかって生まれてきて寝たきりの首の座っていない重症心身障害児です。来年小学校に入ります。お兄ちゃんは二つ上の今2年生です。

(写真提供:宮副和歩さん)

人工呼吸器も使っていて医療ケアもかなり多く、将来を考える余裕はなかったんですが、お友達が成年後見の話をしていて、子供の名前で預金をしておかないほうがいいと聞きました。

将来本人が意思表示ができない子の預金がどうなるか?という話になりました。

子供のための手当をもらったりしており、どうやってちゃんと管理して行けばいいのか?

将来の子供のためになる財産管理の認識がないなと感じたので、勉強しないとなと感じていたので今回参加させていただきました。

実はわたし自身が社会福祉士を持っているので、いろんな財産管理をお手伝いできるような立場にはあるんです。

そして、わたし自身が今、家庭の事情もあってまさに成年後見人を使っている状態です。

親の認知症も進んだりしていて、そうすると自分が子供の立場なのでサインなどを書いたりして、急に身近に感じました。

できればもう少し制度的な話も具体的に知れたらと思いました。

 

専門家として、「成年後見人制度」についての概略についてご意見をいただければと思います。

 

小泉行政書士

家庭裁判所調査官という仕事を15年くらいしていまして、5年ほど前に東京の後見部にいたので成年後見人の調査などに関わっておりました。調査をして裁判官に報告をするというような仕事をしていましたので、一定見解をお伝えできるかなと思います。

成年後見の話ですが、この制度は非常に制限が多い制度と言われています。

例えば、今まで家計をほとんど一緒に使っていた場合、財産管理を全部成年後見人がやってしまうので、途端に家計を分けて考えなければいけない。

そこが一番の成年後見人の役割になりますね。

色々お世話はしてくれるかもしれないけれど、実際面倒は見てくれないし例えば病院で何か手術が必要だとなった場合、サインできるかできないかというところでも争いになったりという場合もあります。

もともと、親御さんと同じような役割ができるというわけではなくて法定代理人という立場になるんですね。

今、「早く見つけとなきゃいい人がいなくなっちゃう」っていう話を聞いて、あぁなるほどと思いましたが・・・

今は専門職と言われる人たちで行政書士・司法書士・弁護士・社労士が多く、おそらく一番多いのが司法書士さんですね。その他弁護士さんもありますが、やはり若干費用が高かったりはしますかね。管理をする金額によって成年後見人に支払う報酬が変わってくるので、やっぱりギリギリまで利用しない人が多かったりはしますね。

そして、先ほどのいい人がいなくなっちゃうっていう部分ですが、基本的には「監督」をするのでお金の使い込みであるとか、そういうことはほぼほぼないと思っていただければと思います。

それこそ使い込みがあったら新聞に載るくらいの事件になるので。

お金の使い込みというよりは、どれだけ親身になって施設を選んでくれるかだとか、お人柄によるのかなぁと感じますね。

先ほどの預金の話なんかであれば、

裁判所でもよくあったのが、障害をお持ちの方が施設に入ったりするときに契約をしないといけないので、それをきっかけに後見人を選任したりするんですね。

そうすると成人しているからといって障害のあるお子さんが自分のお金を管理できるわけではない。

年金などをお子さんの名義のところに貯めておいて必要なときに出したり、お子さんのために家のリフォームをしたりとかそういう時のために残しておいたんだけれども、成年後見人がついた途端にお金が自由に扱えなくなる。

一回一回その後見人に用途のお伺いを立てなきゃいけないのがめんどくさくなるという事例はありますね。

ただ突き詰めていうと、そのときに親御さんは既にいないんですね。

その後見人の役割は、本人の財産を守るためにいる人。

親の立場からしたら自分が生きていたら使いにくいんだけれども、裁判所が監督することも考えると月々支払わなければいけない金額のことをのければ使い勝手が悪いということはないと思いますね。

あくまで、本人を守る制度なので。

今できることといえば、さっきおっしゃっておられたような、あらかじめお願いできるような年齢の若い方とかですよね、そういう方を選んでおくとかはありますかね。

ただ自分がいつ死ぬかなんて誰もわからないので、その人もいつ死ぬかわからないので、なかなか唾をつけておくみたいなことは難しいかなと思いますね。

成年後見人だと、遺書などで未成年後見人を誰かに託すことを書いたりだとかということも有効かなと思います。その辺りは弁護士の先生どうでしょうか?

藤木弁護士

お子さんが未成年の場合は未成年後見人と監督人は遺言で指定できます。成人の場合は成年後見です。親御さんが元気なうちに、託したい方とお子さんの信頼関係作りや親御さんからの引継がきちんとできていると安心ですね。

 

「きょうだい」の立場からどのような印象を受けるか聞かせてください。

藤木弁護士

親なきあとの課題は、きょうだいにとっても大きな課題です。

20代、30代のきょうだいからは、親御さんから「将来はよろしく頼むね」と言われても具体的に何をするのか?どのくらい大変なのか?モヤモヤしている状態が不安だという話がよく出ます。

きょうだいとしては選択肢の内容を知った上で考えたい。だから親御さんにどうやって話を切り出そうか?という話もよく出ますね。

 

石嶋

何が一番不安要素になるんですか?資産運用とかって話ですか?

 

藤木弁護士

きょうだいは、お金の問題とその後のケアの問題に加えて、自身の進路選択や結婚とかそういった将来設計に不安を持っていることが大きいですね。

お金に関しては、きょうだいの扶養義務自体は自分の生活を犠牲にする必要はないんですが、それ自体を知らない人も多くいますね。

ケアは、実際関わっているきょうだいもいますが、親御さんが元気なうちにいろいろと聞いておきたい、福祉ともつながっておきたいけど、親御さんにどう話したらいいか・・・?というきょうだいも多いです。

やっぱり、きょうだいも「漠然とした不安」が子どもの頃からあります。自分が、進学や就職で実家を出たり、結婚とか出産したら、親と病気や障害のある兄弟姉妹はうまくやっていけるのかな?とか、結婚を考えている相手とかその親にどう説明しようかとかという部分が一番の悩みかなと思います。

石嶋

そういうのって・・・ガイドラインなんてないですもんね

 

藤木弁護士

ただ、最近きょうだい会で話をするのは、まずは自分の道をきちんと進んで、そこから家族のことや兄弟姉妹のことを考えようっていう方向がいいんじゃないかという話をしますね。

あとは、親御さんとちゃんとそういう話ができたらいいよねという話ですね。

とても大切なことだから、家族で話し合っていきたい。でも、自分の親といきなり話すのはハードルが高いですよね。そこで、前段階として、親御さんの会にご協力いただいて、親御さんときょうだいの座談会、交流の場を作っています。

まずは自分の親ではない親御さんと話すことで、親御さんの立場の思いや考えを知り、きょうだいも自分の本音を話せるようになってくるという感じですね。

それで、親御さんときょうだいの思いや考えのギャップはどこにあるのか、どう話せば良いのかという検証しています。

実際にそれがきっかけで親御さんと話せた、座談会に自分の親御さんと参加できたという例も多くあります。親御さんの方からきょうだいを座談会に誘ってくださる場合もありますね。

きょうだいも・・・なんというのか、なかなか誰にも相談できずに情報も少なく、兄弟姉妹を一生背負わなくてはいけない、地元を出てはいけない、結婚はできない、とひとりで考えてしまっている場合も少なくありません。そうやって自分だけで悩まないように、きょうだいの会があることを知ってほしいですね。

 

家族間共有がベスト?親としてできることって??

 

加藤さん

なんというか総じて言えるのは「とりあえず身内で話をしよう!」っていうところですね。

そもそも、夫・両親・周りのきょうだいにそういう話をする機会がないなと思って、そこを話をしてから次の心配だなと話を聞いていて感じました。

先日、先輩ママが、いざとなった時にこういうことが伝達項目として必要だよっていうメモ書きを書いているのを見て、きっとこういうことが自分たちの準備することなのかもなと感じたところです。

ただ、その家族それぞれの部分があるので、なかなか「これ」というのは難しいのかなぁと思ったりはしますね。

 

石嶋

そうですね。法的にどうという話ではなく、とにかく今自分たちのできる「自分たちのプラン」を組んで目標値を考えようという話でしょうね。

決して踏み込んで話をしてはダメな話題ではないので、話をみんなでするっていうのが大切なんだってことですかね。

制度自体に全てなんとかしてもらおう!とはきっと思ってないですもんね。

そういったプランを立てる場合、何に一番重きを置いて考えるべきなんでしょうか?

またそういう不安みたいなものを相談しにいく先ってあるんでしょうか?

 

小泉行政書士

親が亡くならずとも、ある程度の年齢になってくると段々とケアを一手に引き受けるのが大変になってくると思うんですよね。

その段階になった時に、きょうだいも含めて全て家族の誰かに任せるのも大変だから信頼できる人に任せようと思うんだけどどうかな?というような話が出てくるというのが自然なのかなと思いますね。

生きていれば、例えば施設を探すにしても親の意見も反映されても全然問題ないですし、生きているうちに成年後見人を選んでもいいので、みんなで考えることができる選択肢があるといいのかなと感じます。

そして相談先の件は、

今話をしているところの不安は、漠然とした不安感で、実はまだ不安がらなくてもいいところの不安な気がしますね。

もしするとしたら、地域の包括ケアセンターとかがそれに当たるかなぁ??おそらくご高齢者がメインになってくる気はしますが。

 

宮副さん

漠然とした不安という話ですが、では先輩ママさん達から成年後見とか考えとかないといけないよと言われることが結構あるんですが、それはどうしてなんでしょうか?

 

小泉行政書士

多分ですが、財産管理の仕方がガラッと変わるからかなと感じますね。

基本的には子供の財産を減らしておくっていうのが慣例なんですね。そうすると管理する費用も抑えられたりするので。

子どものためにコツコツ貯めていた預貯金をやめるとか、そういうことへの心配なのかなと感じますね。

 

石嶋

親なきあと問題にくっつけて成年後見人制度のセミナーや説明会がちょいちょい開催されていたりするんですよね。

士業向きだったりするんですけど。そういうのを見聞きして、話題だけが一人歩きしているのかもしれないですね。

 

正木司法書士

子どもは先が長いですからね。そういうところが心配要素なのかもしれないですね。

成年後見人は法人で受けることが可能なので、法人だと後見人自身が高齢になった場合バトンタッチをしていけるというメリットはあるのかなと思いますね。

法人だからといって値段が高くなるということはないですし。

あとは、初めの段階でご高齢の方が後見人についたとしてもバトンタッチの場合はきちんと裁判所が繋いでくれるので、一概にこれがいいですとはお勧めはできないですが、法人を選任できるのであれば信頼できる法人を選ばれるのも一つの方法かなと思います。

 

藤木弁護士

心配はしすぎなくていいというのは本当ですね。

きょうだいも親御さんから受ける影響が大きいので、将来への不安を払拭できるように、小さいうちから親御さんに上手に伝えてもらえるといいかなぁと感じましたね。

具体的な伝え方はきょうだい会でも考えてみたいと思います。

 

石嶋

漠然とした不安に対するソリューションをいくつか提案できたらいいのかなと感じました。

次回座談会では、そういった話をもう少し話せるといいかなと思います。

 


この座談会の様子をご覧になって、「成年後見人」と「親なきあと」問題についてどのように感じられたでしょうか?

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小児がん、子どもの外見ケアについて座談会を開いてみた

チャーミングケアという、病気や障害のあるどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

チャーミングケアラボでは、WEB座談会を開催しています。

病気や障害の座談会というと、どうしても縦割りで同じ疾患での集まりが多いのではないかなと感じますが、チャーミングケアラボではいろんな立場の人に参加してもらって、意見交換を積極的に行なっています。


今回話をしたのは

「アピアランスケアとチャーミングケアを考える」

 

アピアランスケアとは、主に成人のがんなどの分野で近年推奨されている「外見上のケア」のこと。

外見ケアはひいてはメンタルケアにも繋がるということで、医療従事者などからも注目されている。

 

そもそもアピアランスケアってどういうもの?

どうして「アピアランスケア」が子どもには及んでいないの?

ということを中心に意見交換を行った。

そもそもアピアランスケアってどういうものなのだろう?

現在、わたしが受けているアクセラレーションプログラムでご一緒している「エピテみやび」(群馬県)の田村雅美さんに少しお話を伺うことにした。

「エピテみやび」が扱っているのは「エピテーゼ」という人工指と人工胸だ。事故や手術で体の一部を失ってしまった人々。命は取り留めたものの、機能的・外見上の問題で積極的に活動できなかったりする。田村さんはそんな人達のために、「着け指」や「着け胸」を提供している。

エピテーゼとは身体の表面に着ける人工物の総称。義肢や義手などが有名で、義眼やかつらなども含む概念で、まさに外見ケアのために必要なものだと言えるだろう。そんな外見上のケア「アピアランスケア」についてどう捉えているのか?田村さんに伺った。

 

田村さん

わたしの扱っているのは、エピテーゼの中でも主に「着け指」と「着け胸」なんですね。付け指は、男女どちらもご依頼をいただきますが、やはり「着け胸」のご依頼をされるのは女性です。

普段は洋服を着ていたり、専用の下着なども出てきてるので、うまく隠せるんですが、とはいえ本来あるべきものがなくなってしまったという喪失感はとても大きいようで・・・

自尊心とか自己肯定感っていうんでしょうかね。そういう部分がやはり損なわれてしまうケースは少なくないです。

ですので「着け胸」をつけることで、少しでもその部分をケアできればというのがあると思います。

わたしのお取引をさせていただくのは、ほとんどが成人の方なので、そういう感覚がお子さんにも・・・というのは、正直石嶋さんにお話を聞くまで考えもしなかったです。

もちろん喪失する部位が違うだろうし、お子さんなので直接話をしたりご依頼をいただくことはないので、接点が少ないというのもあります。

でもお話を伺って、おそらくお子さんにもそういう「自尊心」「自己肯定感」っていうのはあるんじゃないかなと感じました。

そういうお子さんのために、わたしはどんなことができるんだろうって「チャーミングケア」の話を聞いてすごく考えさせられました。

 

アピアランスケアとチャーミングケアを考える

*参加してくれたのはASPJのメンバー3名とチーム小児がん保護者3名、看護師3名だ。ほんの一部を抜粋する

「アピアランスケアとチャーミングケアを考える」

 

田村さんと同じ群馬県出身で、群馬の名産シルクを使用しヘッドスカーフを企画し販売しているのが今回座談会に参加してくれたASPJの角田真住さんだ。

ASPJは脱毛症やがんの治療などで髪を失ってしまった女性たちの団体だ。

パフォーマンスやイベントなどを中心とした活動をされており、アピアランスケアなど見た目問題の訴求を積極的に行っているASPJさんに、WEB座談会に参加してもらった。

 

(ASPJのメンバー 左から 角田真住さん,土屋光子さん,廣田純也さん)

 

角田さん

アピアランスケアそのものは、とくに医療機関の中では認知されてきているように感じます。例えば、患者ファーストの病院などでは抗がん剤の副作用で髪が抜ける、爪が変色してしまうなどに対してケアをしようという動きはあります。
でも実際には看護師さんやお医者さんは、やらなきゃいけないと思っていても、そこまで手を回せないのが現状のようです。

アピアランスケアって書籍とかが結構たくさん出ているんですが、ほとんどが「医療従事者としてのケア」なんです。

美容が与える精神への影響みたいなそう言った視点はもうちょっとあってもいいのになと感じるところではあります。

 

こういった「アピアランスケア」の実情を聞いて小児がん保護者から上がった声

 

  • 子どもの世界の話と全然違うなって感じました。
  • 治療上で優先しないといけないって言われちゃうと、やりたくてもやりにくかったかなと感じますね。
  • 羨ましい。本当に羨ましい
  • (子どもは)とりあえず生かすことが先決だという話ですよね。
  • アピアランス専門でやってくれる先生があればありがたいとは思います。
  • 選択肢があった上で、私はこうなのでこっちにします、という選択肢を増やしたいねってすごく思います。

 

看護師からは

  • 看護師としては、なんだか申し訳ないのですが、声をかけられないというのが現実ですね。
  • 大人の分野の時は、紹介するという意識はありましたが、小児に来てからはそういうことはないですね。正直、そういった知識自体ないかもしれない。

 

というような意見が上がった。

 

成人分野に比べると、羨ましいという感覚すらあり認識もされていない小児分野の外見ケア。

チャーミングケアラボでは、今後も引き続き座談会を開いていきたい話題です。

 

この座談会の詳細は「みんなのチャーミングケアラボラトリー」にて公開しています。

「アピアランスケアとチャーミングケアを考える」

 

この座談会の様子をご覧になって、成人分野の外見ケアなどの考え方「アピアランスケア」と、わたしたちが啓蒙しようとしている「チャーミングケア」の世界観についてどのように感じられたでしょうか?

チャーミングケアラボでは、感想などご意見を募集しております。


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「わぁ、可愛い!」チャーミングケアで、心のバリアが瞬殺

憂鬱だな、と感じる雨の日に、お気に入りの傘やレインシューズでお出かけしたら心晴れた!

嫌だな、と感じることも、工夫ひとつでポジティブな気持ちになる・・・そんな経験、したことはないだろうか?

 

子どもだって気分転換が必要

私の次女は、福山型先天性筋ジストロフィーという疾患がある。

普段はとても元気に生活しているが、ウィルス感染やちょっとしたことで体調を崩すと入院になることが多々ある。生まれてから8年間、両手の指では足りないくらい入院の回数を経験している。

お家での生活から一変、病院での生活では、痛みを伴う処置があるなど、規制も多く、ストレス度は想像をはるかに超えているはず・・・

 

コミュニケーション方法のほとんどがノンバーバルな娘は、いつもよりワガママになる、甘えん坊になる、無気力になる、など様々な表情・表現方法で『憂鬱』サインを発しているのが分かる。

 

つい最近も喉の痛みから発熱、口から飲食できなくなり入院、という流れになり、10日間の入院生活を送った。

 

入院中は、唾液も一切飲み込まず、垂れ流し状態だったので、ドレススタイルのスタイを常に着用していた。

(スタイにもなるエプロンドレスについて▶ https://041.world/fashion/

よだれかけとしての機能に優れたモノだが、よだれかけに見えず、”かわいいお洋服”なので看護師さんたちは口々に「かわいいお洋服着てるね〜♪」とニコニコで話しかけてくる。次女も嬉しそう。

周りの大人たちが純粋に「かわいい」と褒めてくれることも嬉しいのだろう。

毎朝、次女自らが率先してスタイにもなるエプロンドレスを着用したい!とアピールするように。

憂鬱な気分の時も、自分が着用したものを見て周りがニコニコになることで、それが本人にも伝染し、ベッドの柵の小さな世界で生活している次女の心が少し晴れているようにみえた。

 

次女がオシャレすることで自己肯定感が高まり、目の輝きが増した事実を目の当たりにした瞬間だった。

 

わ〜かわいい!と思うことで、心のバリアを瞬殺

次女が3才のときに、はじめて車椅子を手にしたときのこと。

 

小さな子どもが車椅子に乗っているのを見て『かわいそうに』と口々にする大人が多々いた。

中には、興味津々で車椅子に近寄ってきた子どもに「見ちゃダメ」と遠ざける親御さんも・・・

決して悪気はなく、ジロジロ見るのは失礼よ、という意味合いなのは分かる。

 

しかし、その時の次女の表情を今でも忘れない。

本人にとって車椅子は、やっと手に入れた『自分で好きなところへ行ける移動手段』で、とても誇らしげに操作していたのに、子どもたちが遠ざかった(遠ざけられた)のを機にシュンとなり、その日は一切自分で操作しようとしなかった。

 

そこで、当時5才だった長女が『車椅子をデコりたい!』と言い出した。

 

車椅子にデコレーションをして、かわいくしたい、というのだ。

ステッカーやらスプレーを買ってきて、長女なりにデコレーションをした。

 

結果、『車椅子に乗る』という同じ行動でも、「あ、かわいい♪」という声がけが増え、更には子どもたちも車椅子に乗りたがるようになり、次女も再び「これ、私の車椅子なの♪」と言わんばかりの誇らしげな態度で操作するようになった。

一緒に行動している長女も、なんだか嬉しそうなのが印象的だった。

 

スタイも車椅子の件も、チャーミングケアによって娘が前向きになった事例だと思う。

 

海外での取り組み、ホスピタルアートについて

 

病院内での治療以外のメンタルケアについて、ホスピタルアートに注目したい。

最近放送されたTV番組で、ホスピタルアートについて紹介されていた。

ロンドンのとある公立病院では、病院のアートが治療の手助けになることが明らかになっているという。

ダンスやアート、様々なアートを取り入れたところ、認知症の改善、投薬量の減少、更に、子どもの気を紛らわすアートなどで87%の患者が痛みの軽減を感じ、採血時間も半分以下に短縮するなどの効果もあったとのこと。

 

病院内で過ごす時間も大切な人生の一部であり、せっかくならば、ワクワクする要素がたくさんあって欲しいと願う。

 

writer:加藤さくら


子どもの視点を伝えたい

チャーミングケアは、子どもが子どもらしくいるための治療以外のトータルケアをさすものです。

どんな子どもでも可愛らしさやかっこよさを諦めない外見ケアやメンタルケア、保護者のためのケアなど、子どもの目線を踏まえた上でクローズアップしていけたらいいなと思っています。

みんなのチャーミングケアラボラトリー