小児がん、子どもの外見ケアについて座談会を開いてみた

チャーミングケアという、病気や障害のあるどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

チャーミングケアラボでは、WEB座談会を開催しています。

病気や障害の座談会というと、どうしても縦割りで同じ疾患での集まりが多いのではないかなと感じますが、チャーミングケアラボではいろんな立場の人に参加してもらって、意見交換を積極的に行なっています。


今回話をしたのは

「アピアランスケアとチャーミングケアを考える」

 

アピアランスケアとは、主に成人のがんなどの分野で近年推奨されている「外見上のケア」のこと。

外見ケアはひいてはメンタルケアにも繋がるということで、医療従事者などからも注目されている。

 

そもそもアピアランスケアってどういうもの?

どうして「アピアランスケア」が子どもには及んでいないの?

ということを中心に意見交換を行った。

そもそもアピアランスケアってどういうものなのだろう?

現在、わたしが受けているアクセラレーションプログラムでご一緒している「エピテみやび」(群馬県)の田村雅美さんに少しお話を伺うことにした。

「エピテみやび」が扱っているのは「エピテーゼ」という人工指と人工胸だ。事故や手術で体の一部を失ってしまった人々。命は取り留めたものの、機能的・外見上の問題で積極的に活動できなかったりする。田村さんはそんな人達のために、「着け指」や「着け胸」を提供している。

エピテーゼとは身体の表面に着ける人工物の総称。義肢や義手などが有名で、義眼やかつらなども含む概念で、まさに外見ケアのために必要なものだと言えるだろう。そんな外見上のケア「アピアランスケア」についてどう捉えているのか?田村さんに伺った。

 

田村さん

わたしの扱っているのは、エピテーゼの中でも主に「着け指」と「着け胸」なんですね。付け指は、男女どちらもご依頼をいただきますが、やはり「着け胸」のご依頼をされるのは女性です。

普段は洋服を着ていたり、専用の下着なども出てきてるので、うまく隠せるんですが、とはいえ本来あるべきものがなくなってしまったという喪失感はとても大きいようで・・・

自尊心とか自己肯定感っていうんでしょうかね。そういう部分がやはり損なわれてしまうケースは少なくないです。

ですので「着け胸」をつけることで、少しでもその部分をケアできればというのがあると思います。

わたしのお取引をさせていただくのは、ほとんどが成人の方なので、そういう感覚がお子さんにも・・・というのは、正直石嶋さんにお話を聞くまで考えもしなかったです。

もちろん喪失する部位が違うだろうし、お子さんなので直接話をしたりご依頼をいただくことはないので、接点が少ないというのもあります。

でもお話を伺って、おそらくお子さんにもそういう「自尊心」「自己肯定感」っていうのはあるんじゃないかなと感じました。

そういうお子さんのために、わたしはどんなことができるんだろうって「チャーミングケア」の話を聞いてすごく考えさせられました。

 

アピアランスケアとチャーミングケアを考える

*参加してくれたのはASPJのメンバー3名とチーム小児がん保護者3名、看護師3名だ。ほんの一部を抜粋する

「アピアランスケアとチャーミングケアを考える」

 

田村さんと同じ群馬県出身で、群馬の名産シルクを使用しヘッドスカーフを企画し販売しているのが今回座談会に参加してくれたASPJの角田真住さんだ。

ASPJは脱毛症やがんの治療などで髪を失ってしまった女性たちの団体だ。

パフォーマンスやイベントなどを中心とした活動をされており、アピアランスケアなど見た目問題の訴求を積極的に行っているASPJさんに、WEB座談会に参加してもらった。

 

(ASPJのメンバー 左から 角田真住さん,土屋光子さん,廣田純也さん)

 

角田さん

アピアランスケアそのものは、とくに医療機関の中では認知されてきているように感じます。例えば、患者ファーストの病院などでは抗がん剤の副作用で髪が抜ける、爪が変色してしまうなどに対してケアをしようという動きはあります。
でも実際には看護師さんやお医者さんは、やらなきゃいけないと思っていても、そこまで手を回せないのが現状のようです。

アピアランスケアって書籍とかが結構たくさん出ているんですが、ほとんどが「医療従事者としてのケア」なんです。

美容が与える精神への影響みたいなそう言った視点はもうちょっとあってもいいのになと感じるところではあります。

 

こういった「アピアランスケア」の実情を聞いて小児がん保護者から上がった声

 

  • 子どもの世界の話と全然違うなって感じました。
  • 治療上で優先しないといけないって言われちゃうと、やりたくてもやりにくかったかなと感じますね。
  • 羨ましい。本当に羨ましい
  • (子どもは)とりあえず生かすことが先決だという話ですよね。
  • アピアランス専門でやってくれる先生があればありがたいとは思います。
  • 選択肢があった上で、私はこうなのでこっちにします、という選択肢を増やしたいねってすごく思います。

 

看護師からは

  • 看護師としては、なんだか申し訳ないのですが、声をかけられないというのが現実ですね。
  • 大人の分野の時は、紹介するという意識はありましたが、小児に来てからはそういうことはないですね。正直、そういった知識自体ないかもしれない。

 

というような意見が上がった。

 

成人分野に比べると、羨ましいという感覚すらあり認識もされていない小児分野の外見ケア。

チャーミングケアラボでは、今後も引き続き座談会を開いていきたい話題です。

 

この座談会の詳細は「みんなのチャーミングケアラボラトリー」にて公開しています。

「アピアランスケアとチャーミングケアを考える」

 

この座談会の様子をご覧になって、成人分野の外見ケアなどの考え方「アピアランスケア」と、わたしたちが啓蒙しようとしている「チャーミングケア」の世界観についてどのように感じられたでしょうか?

チャーミングケアラボでは、感想などご意見を募集しております。


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「わぁ、可愛い!」チャーミングケアで、心のバリアが瞬殺

憂鬱だな、と感じる雨の日に、お気に入りの傘やレインシューズでお出かけしたら心晴れた!

嫌だな、と感じることも、工夫ひとつでポジティブな気持ちになる・・・そんな経験、したことはないだろうか?

 

子どもだって気分転換が必要

私の次女は、福山型先天性筋ジストロフィーという疾患がある。

普段はとても元気に生活しているが、ウィルス感染やちょっとしたことで体調を崩すと入院になることが多々ある。生まれてから8年間、両手の指では足りないくらい入院の回数を経験している。

お家での生活から一変、病院での生活では、痛みを伴う処置があるなど、規制も多く、ストレス度は想像をはるかに超えているはず・・・

 

コミュニケーション方法のほとんどがノンバーバルな娘は、いつもよりワガママになる、甘えん坊になる、無気力になる、など様々な表情・表現方法で『憂鬱』サインを発しているのが分かる。

 

つい最近も喉の痛みから発熱、口から飲食できなくなり入院、という流れになり、10日間の入院生活を送った。

 

入院中は、唾液も一切飲み込まず、垂れ流し状態だったので、ドレススタイルのスタイを常に着用していた。

(スタイにもなるエプロンドレスについて▶ https://041.world/fashion/

よだれかけとしての機能に優れたモノだが、よだれかけに見えず、”かわいいお洋服”なので看護師さんたちは口々に「かわいいお洋服着てるね〜♪」とニコニコで話しかけてくる。次女も嬉しそう。

周りの大人たちが純粋に「かわいい」と褒めてくれることも嬉しいのだろう。

毎朝、次女自らが率先してスタイにもなるエプロンドレスを着用したい!とアピールするように。

憂鬱な気分の時も、自分が着用したものを見て周りがニコニコになることで、それが本人にも伝染し、ベッドの柵の小さな世界で生活している次女の心が少し晴れているようにみえた。

 

次女がオシャレすることで自己肯定感が高まり、目の輝きが増した事実を目の当たりにした瞬間だった。

 

わ〜かわいい!と思うことで、心のバリアを瞬殺

次女が3才のときに、はじめて車椅子を手にしたときのこと。

 

小さな子どもが車椅子に乗っているのを見て『かわいそうに』と口々にする大人が多々いた。

中には、興味津々で車椅子に近寄ってきた子どもに「見ちゃダメ」と遠ざける親御さんも・・・

決して悪気はなく、ジロジロ見るのは失礼よ、という意味合いなのは分かる。

 

しかし、その時の次女の表情を今でも忘れない。

本人にとって車椅子は、やっと手に入れた『自分で好きなところへ行ける移動手段』で、とても誇らしげに操作していたのに、子どもたちが遠ざかった(遠ざけられた)のを機にシュンとなり、その日は一切自分で操作しようとしなかった。

 

そこで、当時5才だった長女が『車椅子をデコりたい!』と言い出した。

 

車椅子にデコレーションをして、かわいくしたい、というのだ。

ステッカーやらスプレーを買ってきて、長女なりにデコレーションをした。

 

結果、『車椅子に乗る』という同じ行動でも、「あ、かわいい♪」という声がけが増え、更には子どもたちも車椅子に乗りたがるようになり、次女も再び「これ、私の車椅子なの♪」と言わんばかりの誇らしげな態度で操作するようになった。

一緒に行動している長女も、なんだか嬉しそうなのが印象的だった。

 

スタイも車椅子の件も、チャーミングケアによって娘が前向きになった事例だと思う。

 

海外での取り組み、ホスピタルアートについて

 

病院内での治療以外のメンタルケアについて、ホスピタルアートに注目したい。

最近放送されたTV番組で、ホスピタルアートについて紹介されていた。

ロンドンのとある公立病院では、病院のアートが治療の手助けになることが明らかになっているという。

ダンスやアート、様々なアートを取り入れたところ、認知症の改善、投薬量の減少、更に、子どもの気を紛らわすアートなどで87%の患者が痛みの軽減を感じ、採血時間も半分以下に短縮するなどの効果もあったとのこと。

 

病院内で過ごす時間も大切な人生の一部であり、せっかくならば、ワクワクする要素がたくさんあって欲しいと願う。

 

writer:加藤さくら


子どもの視点を伝えたい

チャーミングケアは、子どもが子どもらしくいるための治療以外のトータルケアをさすものです。

どんな子どもでも可愛らしさやかっこよさを諦めない外見ケアやメンタルケア、保護者のためのケアなど、子どもの目線を踏まえた上でクローズアップしていけたらいいなと思っています。

みんなのチャーミングケアラボラトリー

 

大人が思っている以上に、子どもは「人」なんだ vol2

チャーミングケアという、病気や障害のあるどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

 

子どもの視点で患者のキモチを語ってみた

以前ハフポストで

大人が思っている以上に、子どもは人なんだ

という記事を書いた。

この記事をもとに製薬会社さんの社内研修として親子で講演をさせていただく機会をいただいた。

 

たまたま息子の代休が重なり、患者の視点(子ども視点)からお話をさせていただいたのだが、話し手にとっても聞き手にとってもお互いにとてもいい時間だった。

 

わたしたち親子のように、子どもの視点を大切にしている人物がいる。

今回、チャーミングケアラボに寄稿してくれた加藤さくらさんだ。

 

加藤さんには筋ジストロフィーの娘さんがいる。とても愛嬌のあるキュートなお子さんだ。

初めて加藤さんにお会いした時、名刺を3枚渡された。

実を言うとわたしも名刺を2枚持っているので、上には上がいるもんだと思ったのが初めての印象だった。

 

加藤さんの関わっているプロジェクトをいくつか紹介するならば、一つはデジリハ

子どもの視点とデジタルアートで小児医療・療養を革新するというものでデジタルアートを用いたリハビリテーションを展開している。

 

そしてもう一つは、041 というひとりを起点に新しいファッションを作るという、ユナイテッドアローズとコラボしたプロジェクトだ。

 

この041 を医療雑誌に掲載するためにお話を聞いたのが、彼女にお話を伺いコンタクトを取るようになったきっかけだ。

 

お話を伺った時に感じたのは、彼女の何かをする動機が「そこに笑顔が生まれるかどうか?」というところな気がした。

 

その動機にわたしはすごく共感し、彼女のその感覚はきっとチャーミングケアを語ってもらうにはぴったりなのではなかろうかと、今回彼女なりのチャーミングケアについて書いてもらえないかとオファーをしたのだ。

 

「可愛い」が自己肯定感を高める?

彼女の書いてくれた記事に登場するのが、041 で彼女が携わったエプロンスタイだ。

 

「わぁ、可愛い!」チャーミングケアで、心のバリアが瞬殺  加藤さくら 

 

入院中に娘さんが率先してスタイにもなるエプロンドレスを着用したい!とアピールするようになり、憂鬱な気分が少し晴れているように見えたのだそう。

 

“次女がオシャレすることで自己肯定感が高まり、目の輝きが増した事実を目の当たりにした瞬間だった。”

 

と文中にあるように、子どもにとって自己肯定感がとても重要であることは、わたしも息子の闘病中に感じた。

 

そして、その自己肯定感に関してはそばにいる家族がフォローしていくことがほとんどであり、それが時にはきょうだいであったりする場合もある。

ここであえて「きょうだい」とひらがなで書いたのには訳がある。

病気や障害のある子の兄弟姉妹のことを「きょうだい」と表現するのだ。

 

きょうだいはきょうだいなりに色々と思うところはあるのだろうけれど、彼ら彼女らの活躍は非常に家族にとって大きいものである場合が多い。

 

加藤さんの記事では、車椅子をデコりたい!と言ったお姉ちゃんの気持ちはどんな気持ちからだったのだろうか?

その部分を注目して読んでいただけたらと思う。

 

子どもの外見上の変化に伴うメンタルのケアに関しては、成人分野と違ってほとんどスポットを浴びていない。

 

しかし、子どもも人。

 

大人に外見ケアが有効で必要なように、子どもにだってチャーミングケアはきっと必要なのではなかろうかとわたしは感じる。

 

「わぁ、可愛い!」チャーミングケアで、心のバリアが瞬殺 加藤さくら ”


子どもの視点を伝えたい

チャーミングケアは、子どもが子どもらしくいるための治療以外のトータルケアをさすものです。

どんな子どもでも可愛らしさやかっこよさを諦めない外見ケアやメンタルケア、保護者のためのケアなど、子どもの目線を踏まえた上でクローズアップしていけたらいいなと思っています。

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バイエル薬品株式会社様にて社内研修講演をさせていただきました

11月5日にバイエル薬品株式会社様にて『Better Life InitiativeBLI)』という勤務時間の1%を使い患者視点を学び、業務に活かす取り組みの一環として、チャーミングケアについてお話をさせていただきました。

大阪商工信金社会貢献賞がご縁に

今回のお話は、大阪商工信金社会貢献賞にてソーシャルビジネス部門で受賞した際、受賞スピーチを聞いてくださった大阪ボランティア協会様よりご縁をいただきました。

エンドユーザーである患者側の意見をヒアリングするという観点から、チャーミングケアの世界観を知ってもらい、後半では「大人が思っている以上に、子どもは人なんだ」という代表ブログになぞらえ「子どもの視点」から代表石嶋の長男の作文を読み上げました。

子どもの外見ケアに関する体験談もスライドを交えてお話ししました。

とても温かい雰囲気で、子どもたちへのプレゼントまでいただいてしまいました。

代表石嶋だけではなく、実は他にも講演できるメンバーがたくさんいることもチャーミングケアラボの特徴です。

講演や社員研修などのお問い合わせはTOPページよりご連絡ください。

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アピアランスケアとチャーミングケアを考える

8月に湘南バリアフリーフェスティバルというイベントに参加させてもらった。

病気や障害のある子どもたちのショーや、物品展示などを神奈川県茅ヶ崎市の市役所ロビーを貸し切って行ったのだ。

企画や運営をしたのはASPJという脱毛症やがんの治療などで髪を失ってしまった女性たちの団体だ。

https://alopecia20.wixsite.com/alopeciastyleproject

パフォーマンスやイベントなどを中心とした活動をされており、アピアランスケアなど見た目問題の訴求を積極的に行っているASPJさんと、WEB座談会を行った。

(左から 角田真住さん,土屋光子さん,廣田純也さん)

(加藤可奈さん 通称ペコちゃん)

(清水千秋さん チャーミングケアラボフォト部(仮) 部長)

参加者紹介
チャーミングケアラボ 石嶋瑞穂マミーズアワーズショップ運営) & 岩倉絹枝コドモフクひよこ屋運営)◇角田真住さん(ASPJ・多発性脱毛症) アピアランスケアを既存の福祉ではなく、ファッションやアート、エンターテイメントというような形で発信している。(合同会社Armonia代表)◇土屋光子さん(ASPJ・抜毛症) 知られていない病気や症状を、アートや楽しさとして発信をしている。◇廣田純也さん(ASPJ・美容師) 福祉美容として美容のできる精神ケアに興味があり、福祉分野をオシャレにかっこよく発信したいという部分に賛同してASPJとして活動中。◇加藤可奈さん(患者家族)*別名ペコちゃん 現在6年生の長女が3歳の頃にすい臓がんを発病。1年間の抗がん剤治療で全身の毛が抜け落ちる経験をした。◇Aさん(患者家族・看護士) 現在6年生になる息子が、4歳の時に白血病を発症。2年前に再発し、2回目の治療を経て外来治療が終了した段階。◇Bさん(チャーミングケア・看護師) 看護師としては小児科4年目。◇清水千秋さん(チャーミングケア・看護師) 元看護師、現在スクラップブッキング講師として病気の子どもにスクラップブッキング(スクラップブッキングはじめまして代表)を届ける活動中。

アピアランスケアとチャーミングケアを考える

まずは、アピアランスケアの現状について教えてください。

角田さん

アピアランスケアそのものは、とくに医療機関の中では認知されてきているように感じます。例えば、患者ファーストの病院などでは抗がん剤の副作用で髪が抜ける、爪が変色してしまうなどに対してケアをしようという動きはあります。
でも実際には看護師さんやお医者さんは、やらなきゃいけないと思っていても、そこまで手を回せないのが現状のようです。
アピアランス用のコーナーがあっても、サンプルやパンフレットが置いてあるだけで、情報提供だけという形が多いようです。

土屋さん

アピアランスケアに関しては、受け皿はあるけれどなんだかひっそりとやっているってイメージがあります。
私は、脱毛とは少しジャンルが違うので、その現場にいたわけではないんですが、あまりオープンなイメージはないですね。
病院の一室に展示があり、外見ケア用の下着やウイッグなどが並んでいると聞きました。私が患者だったらもっと違う方法がないのかなって感じます。

廣田さん

印象としては「アピアランスケア」という言葉が先行していて、具体的にどんな事ができるのか?が見えづらく、内容や手段が限られているように感じます。 ある程度、内容が具体的に確立されたら、美容師としてアピアランスケアを取り組みやすくなるのではないかと思います。

角田さん

アピアランスケアって書籍とかが結構たくさん出ているんですが、ほとんどが「医療従事者としてのケア」なんです。
廣田さんがいうような美容が与える精神への影響みたいなそう言った視点はもうちょっとあったらいいのになと感じるところではあります。

小児がんチームが今の話をどう感じたのか聞かせていただければと思います。

Aさん

外見に対して看護師として援助できてない現実があるなと感じています。実際私の職場もそんな感じですね。
つい最近あったのは、状態がすごく悪くなっているけれど、どうしてもオムツは嫌だという患者さんがいらっしゃって、トイレするたびにびしょびしょになってしまうんですね。
でも、その人の気持ちを支えてあげられるような手段がなくて・・・その人が本当に嫌がることでしかなくて。
医療従事者としてはどうしても医療優先になってしまうことが多いですね。抗がん剤をしていると髪も抜けるし爪も変色したり形も歪んでしまったりするんですが、治療中はサチュエーションが計れないという理由で、マニュキュアは外してもらわないといけなかったり。
入院することで日常がすごく変わる中で、その人らしい日常をなんとか取り戻そうとしているのに、そこに入っていけない自分みたいなところがあって日々葛藤はありますねぇ。

石嶋

私はASPJの話を聞いて正直、子どもの世界の話と全然違うなって感じました。子どもにはそういう世界観自体がほとんどないような気がして。
Aさんは、医療者として患者さんに関わりつつ、小児がんのお子さんの家族として、両方を経験されて、そういうギャップみたいな部分をどう感じられましたか?

Aさん

大人はそれまで自分が生きてきた人生とか価値観があるので、見た目がどれだけ対人関係に影響するとかもきっと知ってるだろうし、そこにこだわりたいとか意識がありますよね。だから大人の方が先に広がっているのは理解できますね。要求や希望を自分で伝えることもできますしね。
その点、子どもには見た目は二の次になるのではないでしょうか。
でも子どもって、多分そこまで言葉にできないだけで、きっとあると思います。お気に入りのパジャマや靴が着たいのに入院中はダメとか、そういうことはきっとあったんだろうなとは感じますね。
言葉でうまく伝えられない部分を大人が汲んであげて、好きなものをコソッと買ってきたりするのが私の役目だったのかなとか感じますね。
家にいるままを病院には持ってこられないけど、家で使っていた入浴剤を病院に持ち込むとかはしてたかなぁ。

石嶋

やってましたね。できることって、それぐらいですもんね。

Aさん

布団も、病院の真っ白なものじゃなくて、好きなキャラクターのものにしてあげたかったけど・・・洗濯の負担もあるし、結局病院のものになったり。
治療上で優先しないといけないって言われちゃうと、やりたくてもやりにくかったかなと感じますね。

加藤さん

私は「アピアランスケア」という言葉自体、子どもの治療中には知りませんでした。
当時、娘は七五三のために髪の毛を長く伸ばしてたんですが、抗がん剤をする時に、もうバサっとベットの上で切りました。その時点で私も子供も、言葉が悪いかもしれませんが、もう諦めがついたというか、髪がないことがダメなことでもなんでもなくて、それが日常の一部だと思うようになりました。
だからウィッグをかぶろうとかそういう気はおきなかったかなぁ。
治療中は、治療のことだけでいっぱいいっぱいだったので、外見のことまで考えられなかったのですが、退院してからも帽子もかぶらず幼稚園に行っちゃって・・・という感じで。
でも、なんやかやいうのは大人の方なんですね。子供は小さかったし、そこまで気になってない様子ではありましたね。髪の毛生えてなくても可愛いねくらいの。
これが小学生や中学生だとまた違っていたかもしれません。
私自身は、見た目に関してこだわりがなくて、その当時は髪の毛が生えていた娘に戻してあげたいという風には思いませんでした。
でも、小さい頃はそれでもよかったのかもしれないけど、小学6年生になってしゃれっ気が出てきた今の方が気にしています。薬の影響で髪の毛が薄いので、好きな子に「はげ」と言われて泣いて帰ってくるみたいなことはありますね。
小児に関しては、治療時は子どももお母さんも治療でいっぱいいっぱいだし、アピアランスケアが必要なのはそのあとかなと感じます。
でも、そのあとって、もう治療も終わっていて、周りからしたら治ってよかったね、という雰囲気で、当事者としては、まだまだよくはないぞっていうのはありますね。
でも、病気としては治療が終わっているから、それ以上どうがんばったらいいのかわからないというか。
声をあげても「いいじゃん。命が助かったんだから」って言われるのかなと感じてしまって、諦めてしまってる部分がありますね。
大人の方が圧倒的に人数が多いので、小児に比べていろんな選択肢があるじゃないですか?がんにしても脱毛症にしても。

石嶋

そうですね・・・なんだか・・・羨ましいですよね。

加藤さん

羨ましい。本当に羨ましい

石嶋

アピアランスケアや、ASPJさんの活動にしても、小児分野にはそういう概念がないんですよね。

加藤さん

私たちのように治療が終了してしまうと、小児がん分野からも外れてしまって、疎外感さえ感じます。ケアからも除外されてるような気がして、超孤独です。

石嶋

なんのフォローもないんですか?

加藤さん

ないんですよ^^;

石嶋

一番現場に近いところで小児看護をされているBさんに、今の全体の話を聞いてどう感じたのか聞いてみたいと思います。

Bさん

乳児・幼児の脱毛に関しては、本人も気にする年齢ではないので私たちも感知せずという部分はあります。
一方で思春期の小中学生の子、特に女の子に関しては、気にしているとは思うのですが、看護師としては声がかけづらく、お母さんが買ってきたバンダナや帽子をかぶったり、お母さん任せになってる部分が大きいですね。
看護師としては、なんだか申し訳ないのですが、声をかけられないというのが現実ですね。

岩倉

声をかけづらい理由はどうしてですか?

Bさん

気にしてるのがわかるからこそ、本人も話したくないのではないか、そこに触れてはいけないのではないかという気がします。
看護師は、治療に携わるだけになっています。
それから、治療中は病室から出られないこともあり、院内にウィッグの相談室があっても、そこまで連れて行ってあげることもできません。
スタッフの中で脱毛について話しあったこともありますが、いつか生えるでしょう、と思ってあまり重要視していないスタッフが多いのが現実ですね。

石嶋

Bさんにお願いして子どものアピアランスケアの学術的な論文がないか調べてもらったのですが、確固たるものがみつかりませんでした。
それもすごいですよね。
角田さんがおっしゃっていたように、大人のアピアランスケアに関してはたくさん本が出ているというのを聞いて、小児に関してはそれすらないのかと。
これはなぜでしょうか?

加藤さん

きっと、それどころじゃないからですよね。とりあえず生かすことが先決だという話ですよね。

石嶋

確かにそうかもしれませんが、ペコちゃんの娘さんのように、治療後の生活にも影響がありますよね。
「今」だけじゃなくて「後のこと」も考えてケアを考える概念があってもいいと思うのですが。

加藤さん

後のことを考えて治療する先生はまずいないんじゃないでしょうか。
病状としては見てくれます。髪が薄いなとか身長が伸びないなとか。
でもそれより、まずは再発とか命が優先ですよね。
だからこそ、アピアランス専門でやってくれる先生があればありがたいとは思います。

石嶋

清水さんは、また立場が違っていると思うんですが、今回のこの話を聞いてどう感じましたか?

清水さん

私が看護師として働いている時は、まだアピアランスケアが浸透していませんでした。今回座談会にあたって、あぁこういう話が出てきたんだなと感じました。
特に小児については、小児科の友人にも話をしましたが、やはりそういう意識はないようです。
成人分野との格差みたいなものは感じたかなぁ。
全体的にもっともっと知っていってもらいたいなと感じますね。

石嶋

おそらく清水さんは看護師さんの経験があるけれど、今は医療現場から離れていらっしゃるので、世間一般の感覚に一番近いと思います。その感覚からしても、小児のアピアランスケアという概念は必要な分野だと感じますか?

清水さん

必要だと思いますね。

石嶋

大人のアピアランスケアも必要だと思いますし、子どもにとってのチャーミングケアも発足しないといけないと感じますよね。

Aさん

子供の場合、治療優先、命優先で、おおっぴらに可愛い、かっこいい、気分の上がるものをしてあげようと思っても、「そんな場合じゃないよお母さん」みたいな雰囲気はどうしてもありますね。
それでも、少数の保護者さんは帽子につけ毛をしたり、工夫されているんですが、それを保護者がするのは大変なので、売っていればいいのになぁと思うことはありましたね。

石嶋

パジャマすら売っていませんでしたね。

加藤さん

帽子も売ってない

石嶋

売ってない。だから、帽子を手縫いで作っている人もいました。帽子を手縫いですよ・・・ありえないですよね。

岩倉

アピアランスより治療が優先というのは、ある意味理解はできます。
でも、同じ状況のなかで大人にはアピアランスが確立されつつあって、子供にはそれが降りてこないという状況がよくわからないのですが。

土屋さん

子供に関しては、別の壁があるのかなと思うんです。子供を持つ親の世界の見えない空気感みたいな。一人の子が全身仮面ライダーの服で来た場合、先生が他の子達も欲しがるから着せてこないでくださいみたいな・・・
でも子どもたち自身はそう思っていないんじゃないでしょうか。
子どもたち自身は、まだ価値観も出来上がってないから、髪が無いことも本当はある程度順応できるんじゃないかなぁ。
逆に、親って価値観が凝り固まってるから、周りと足並みを揃えなきゃいけないんじゃないか?っていう変な遠慮や情報がたくさんあって、余計にチャーミングケアの足かせになっているような気がしました。

石嶋

小児科って、患者が二人いるような感覚なんです。
子どもにももちろんケアが必要だし、親もそのケアの対象なんですよね。
そこで、子ども=親だと思いがちなんですが、それは実は違っていて・・・子どもは求めてるけど、親が求めてない、という場合やその逆ももちろんあります。
こんなもん暑いからいらないって言ってウィッグをポーイって投げちゃう子もいる。でも親は、女の子だし被っとこうよという人もいる。だからちょっとややこしい気はしますね。
医療従事者さんもそういう空気感がわかるから、必要そうだけど、なかなか手をつけられないというのを、チャーミングケアの活動の中で感じますね。

加藤さん

やるのもやらないのも、選択できたらいいと思うのですが、今は選択ができないですよね。道が1本しかない。
選択肢があった上で、私はこうなのでこっちにします、という選択肢を増やしたいねってすごく思います。
例えば、我が家は髪がなくなることにそんなに悲観的ではありませんでしたが、それしか選択肢がなかったからということもあります。この治療をしたらそういう風になるもんですよという前提で、おしゃれする必要ないよねっていう暗黙の了解がありました。
そういう状況だと、なんというか、偽ポジティブみたいな感じにはなります。選べたらいいのになぁ・・・本当に。

石嶋

病院の看護師さんレベルで「こういう選択肢があるよ」と、紹介してくれることはありますか?

Bさん

小児に関しては、ないですね。
大人の分野の時は、紹介するという意識はありましたが、小児に来てからはそういうことはないですね。正直、そういった知識自体ないかもしれない。

石嶋

情報共有しようという土壌がないのでしょうか?例えば、女の子が治療で髪が無くなってしまう、それに対してウィッグや帽子の情報を提供するなど。

Bさん

ないかなぁ・・・
あとは、お母さんがいるから、子どもよりもお母さんに話さないと、という意識はありますね。
結局お金もかかる話だし、患者である本人に先に知恵をつけてしまってもなぁと考えます。

石嶋

実は、Bさんは弟さんを小児がんで亡くされています。ですから、こういった状況もより身近なところで感じていらっしゃる部分があるかと思います。
そんなBさんからしても、現実的な環境はなんとも切ない状況なんですよね。

Aさん

子どもはやっぱり親を通して動くという気はしています。
意思がはっきりしている子もいるとは思いますが、やっぱり親や医師の意見の方が大きいという気はします。
実際、うちの子の場合は、男の子だからか、親の思いとは裏腹に、本人はなんとも思ってない感じで、髪の毛めっちゃに抜ける!すごい!みたいなこともありましたね。
本当のところはよくわからないけど・・・実は一番気にしていたのは親の私だったんじゃないかと思うこともあります。

石嶋

うちは髪の毛抜けようが顔がむくもうが、病院にいるときは慣れればそれほど気にしていませんでした。
でも、一度家に帰ったらね、ちょっと状況が違いました。
病院では同じような外見の子がたくさんいるから、そういう状況に慣れていたけれど、日常生活に戻るとそうではないですよね。
結局うちは学校に通いませんでした。
治療や体力的な問題もありましたが、本人が通いたくないという感じでした。
学校の先生がよくしてくれて、周りのお友達の理解は割とある方だったと思いますが、それでも、ちょっと嫌だなというのがあって、そこは無理することないからと、院内学級の管轄の支援学校から出張で学習支援をしてもらっていました。
その時に、病院で一緒に過ごしていたお友達を「みんなどうしてるかなぁ」って言っていました。
同じ境遇というか、共有できるところを求めているというか・・・
学校では自分だけだから、その見た目で過ごさないといけないのが。

Aさん

うちはどちらかというと、自分の置かれている状況を受け入れてはいたような気はしました。
帽子はかぶっていってたけど、暑いからって脱いじゃったり。
もしかしたら、何か思ってたのかもしれないけど、言葉にはしないから・・・
遠足前の時に、髪がバラバラっと抜けて、その時はさすがに「写真に残るのになぁ」と言っていたから、現実が形として残るのは嫌なのかなとはその時思ったかなぁ。

角田さん

命のやり取りの中では、髪の毛抜けても仕方がないとは思うんですね。
だけど、それが日常に戻るまでの間というのはグラデーションであるわけで、そこをきちんとケアしてあげることが必要ですよね。
その概念は、成人女性には徐々にできつつありますが、子どもに関してはこれからなのかなぁって感じました。
子どもはすごく純粋だから、治療中も目の前の社会だけを見て完結をしているところがあります。だけど状況が変わって学校に行くとなると、また気持ちも変化する。
お話を聞いていて、そういうところに寄り添ったケアができていけるといいなぁと思いました。


この座談会の様子をご覧になって、成人分野の外見ケアなどの考え方「アピアランスケア」と、わたしたちが啓蒙しようとしている「チャーミングケア」の世界観についてどのように感じられたでしょうか?

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がんの子どもの再予防接種問題について

チャーミングケアラボで取り上げている、予防接種再接種助成問題。(以下今までのダイジェスト)

https://charmingcare.org/2018/07/21/vaccination/(チャーミングケアラボ)

https://www.huffingtonpost.jp/ishijima-mizuho/fighting-cells_a_23488912/(ハフポスト掲載記事)

がんの子どもを守る会様より厚生労働大臣及び都道府県知事宛に嘆願書を提出していただきました。

http://blog.canpan.info/nozomi/archive/471(がんの子どもを守る会)

新聞やニュースメディアを中心に取り上げていただき、厚生労働省が初めて実態調査を行いました。一部報道によると全国1741自治体の5%程度しか助成に乗り出しておらず、今後助成を行う予定や検討している自治体は全体の20%程度であることが判明しました。

 

小児がんの年間発症人数2000人〜2500人

ここでよく考えて欲しいのです。小児がんの年間発症人数は2000人〜2500人と言われています。

単純計算したところで、各自治体に1人か2人ほどしか対象者は存在しません。

しかも、小児がんの治療は何も骨髄移植だけではないのです。抗がん剤を使っての化学療法のみで治療していく場合も多く、その場合は全ての抗体がリセットされるわけではなく、一部だけがなくなってしまう事が想定されます。

わたしは少なくとも助成してもらう側にあたるので滅多なことは言えませんが、助成の予算を取るのがそんなに壮大かつ大変な話でしょうか???

抗体なしで罹患してしまった水疱瘡の話

そんな中、我が家の息子は、この10月に「水疱瘡」に罹患しました。

水疱瘡の予防接種はしていたのだけれど、結果的に抗体がない状態でです。

ちなみに、抗がん剤治療のみだったので助成の対象外でした。

そして予防接種を再接種をするとしても治療後半年以上経ってからでないと効果はないと医師から説明を受けました。

長男の抗がん剤の経口薬治療は7月で終了したので、10月時点で半年は経過していませんでした。残念ながら予防接種が打てない期間であり、かつ抵抗力も弱い状況での罹患だったため、重症化し即入院となりました。

頭の先から足裏、更には耳の中や口の中まで発疹が現れ、高熱が3日続きました。

治療は、抗ウイルス剤を点滴投与するというもので、入院以外の方法は現実として厳しい状況でした。

更に驚くべきは、我が家は3人兄弟なのだけれど、下の2人は既に水疱瘡には罹患済みでした。もちろん予防接種も接種済みです。

なので、少々接触していてももちろん大丈夫だろうとたかをくくっていたら・・・なんと三男がその3日後から体調不良に。

そして2度目の水疱瘡に罹患したのです。

病院に受診すると、水疱瘡に1度罹患しても症状が軽くしっかり抗体がついてない場合があるとのこと。

しかしながら、予防接種もして一度罹患もしている子どもが2度も水疱瘡になることは通常であれば考えにくいらしいのです。

今回のケースに関しては、長男の水疱瘡の感染力がそれだけ強かったという事なのでしょう。

三男に関しては治癒後1ヶ月経ったあたりに抗体検査を勧められました。

今回は、まだ家族間での感染で話が終わっているので、50歩譲ってまだマシだったと思います。

*看病するわたしを含め我が家の状況は、かなりカオスであったことは想像に難しくないと思いますが・・・

これが乳幼児や抗体の薄くなってしまった高齢者に感染が広がっていたり、水疱瘡ではなく今流行している風疹であったり、今回の嘆願のきっかけになったはしかであったり。

本人や家族だけへの影響ではすまない感染症などであったら・・・考えるだけで恐ろしくなります。

救われる命 追いついていない制度

今回の件で取材をしていただいた記者さんにもお伝えしたのだけれど、医療の発達によって昔では救われなかった子どもの命が現代では救われるようになりつつあります。

だけど、その先にも問題があるわけで、そこに制度が追いついてきていないと感じるのです。

そして、わたしがチャーミングケアでこの問題を取り上げた一番の要因は、そういった問題に向き合いどうにか解決しようと奔走しているのは当事者の保護者である場合がほとんどなのです。

子どもを思う愛情だけが、唯一のモチベーションになって活動している現実があります。

名もなき家族看護は、決して当たり前ではないし、ものすごいエネルギーのいる事であり、尊ぶべきものなのだと思うのです。

そこに価値を見出したくて「チャーミングケア」という概念を啓蒙しているところはとても大きいのです。

病気や障害のあるなしに関わらず、みんなが関わりうる問題として色々な場面でとりだたされている予防接種問題をきっかけに、社会全体の問題として少し立ち止まって考えてみてほしいなと思います。


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大人が思っている以上に、子どもは「人」なんだ

わたしの息子は小児白血病に罹患し、約1年間入院での闘病生活を送った。わたしもその傍らに泊まり込み、約1年間の付き添い生活を送ったことがきっかけとなり「チャーミングケア」の重要性に気がついた。

成人分野の場合「アピアランスケア」といって、がんなどの治療で起こる外見上の変化へのケアや治療中のメンタルケアも重要だという考え方は、近年推奨されだしてきている話だけれど、それでもまだ当事者以外の人は知らない人も多いのではないだろうか?

とはいえ「アピアランスケア」は、医療者発信で始まっていることもありガイドラインもできており、ある程度認知の土壌のある考え方だ。

しかし、わたしが推奨・啓蒙しようとしている「チャーミングケア」は、がんだけに関わらず病気や障害のある子どもや医療的ケアの必要な子どもたちの、外見的なケアであったり、メンタルケアであったり、そこに寄り添う保護者のためのケアであったりを総称したケアで、今までは「名もなき家族看護」として存在してきたもので名前すらなかった概念だ。

もちろんこれといって定義されているものではなく、ぼんやりとみんながそれぞれに思い描いてきたことや、暗黙の了解的に親が担ってきた看護的役割をさしている。

それをどうやって言語化し、人に伝えていけばいいのか?4月にチャーミングケアラボを立ち上げてからずっと考えていた。

そこで最近、一つの糸口が見えてきた。

たくさんの人の経験をそれぞれの言葉で書いて貰えばいいのではないか?というとてもシンプルなものだ。

一見、普通の闘病記となんら変わらない気がするが、1つだけリクエストをしているのは、話の中に必ず「子どもの視点」を入れて欲しいというところだ。

当事者家族といえども、どうしても大人が書き手になるので、大人の目線で話が進んでしまいがちになる。

だけど、物語の中にはもちろん当事者の子どもも登場するし、そのきょうだいだって登場する。

色々な出来事があった時、子どもたちはどのような反応でどのような言動をしたのか?

そこに注目して、それぞれのストーリーを言語化して欲しいと何人かの人にお願いをしている。

書いてもらうに当たって、わたしがまず言語化しないことにはなんのことかわからないので、少しずつ記憶を辿りながら書いていこうと思う。

3ヶ月間、子どもに伝えなかった病気の話

わたしの息子が白血病になった時、その事実を息子にはすぐには伝えなかった。

正確にいうと伝えられなかった。

もちろん告知は主治医からされる。

病名や治療方針などは親にきちんと説明を受ける。

もう少し年齢が上だったりしたら、本人も一緒にその話を聞いたのかもしれないけれど、わたしの息子は当時小学2年生。

うちの子に受け止められるのだろうか?まずわたしがそう思った。

結果、主治医もわたしも病名や先の話は、しばらくしないでおこうという方針で一致した。

息子は入院当初、「入院」して治療をしないといけないということ自体納得していなかったので、その日その日の調子が良ければ

「なぁ、オレいつ家に帰れるの?」

と聞いてきていた。

そして、普段はそんなに人見知りな方ではなかったのに、とにかく看護師さんに攻撃的。

体重を毎日計らないといけないのに、

「は?測りたくないし。昨日測ったやん。なんで毎日測らなあかんのか意味がわからん」

と毒づいたりしていた。

その態度はどんどん日を追うごとにエスカレートしていき、一番困ったのが院内学級だった。

息子は、入院して3ヶ月間ほとんど院内学級に行っていない。

ベッドサイド学習と言われる、病院にいる院内学級の先生が病室のベッドサイドまで出向いてくれて、そこで簡単な授業をするというスタイルでしか授業が成り立たなかったのだ。

ベッドサイドといえどほとんど聞いていないし、

「オレの居場所はここじゃないから。あんたはオレの先生じゃない。」

と先生に暴言を吐く始末。

ちょっとしたヤンキーだった。

きわめつけは、眼科検診だった。

ステロイドという薬を投与すると、どうも眼圧が上がるようで、目が見えにくいと訴えだした。

万が一のことがあるので、眼科検診をするように主治医に言われ院内の眼科に行くも、検査で指された方向に対して答えない。

何度か説得されると泣き出して

「なんでそんなもん答えなあかんねん。そんなもんどっちでもいい!」

と言って、結局計測不能になった。

よく2歳児とかがなる「イヤイヤ期」の絶頂が10倍くらいになって再来したような感覚だった。

3人の男の子を育ててきているので、大概メンタルは強い方だと思っていたわたしも、さすがにしんどかったし何よりも「こりゃこのままじゃいかんな」と感じていた。

そんな時、息子が不意に

「なぁ、子どもでもがんになるの?ならんよな?」

とわたしに質問してきた。

「なんでそんなこと聞くの?」

と聞くと

「え?◯◯ちゃんのお母さんが言っててん。◯◯ちゃんはがんなんやって。オレはそんなん嘘やって言ったんやけどな、がんって大人だけがなるんやんな?」

と言ったのだ。

どうやら大部屋になった時に、他の保護者の人と話をしたようで、そういう話を聞いてきたようだった。

それより以前に、息子の態度をどうにかしなきゃとチャイルドライフスペシャリストさんに告知に関しては相談はしたりしていた。

チャイルドライフスペシャリストとは、病院に常駐している子どもへのサポーターのような役割をしている人で、そういった心のケアなどを介助してくれる存在だ。

しかし息子の場合は、そもそも病院の関係者にはヤンキーだったので何か積極的にお願いをすることは難しそうな雰囲気だった。

タイミングかなぁとわたしは思った。

聞かれたタイミングで、わたしは息子に話をすることにした。

息子が入院する1年前に、わたしの父が肝臓がんで亡くなっている。

息子はそれを知っているし、最後の看取りもしている。がん=亡くなってしまう病気だという認識はあるのだ。

なので、部分的ではなくわたしの知りうるすべての知識を息子に話した。

息子は時にはびっくりしたり、悲しい表情になったり、質問したりしながらも、しっかりとその話を聞いていた。

最後に、治療に関していろんなことが嫌だと毎日言っているけど、どうする?とわたしは聞いた。

別にここで治療を止めるのも一つの選択肢だと。

それはあなたの人生なんだから好きにしたらいい。だけど、わたしはあなたの親だし、生かす義務があると思っていて、生きて欲しいから、そのためにここに一緒に泊まり込んでるという話をしたら

「そうやな。そら・・・(治療)やらなあかんな。やるわ。」

とポツリと答えた。

そこから息子のイヤイヤ期がピタリと止まった。

別人じゃないかと思うほどに、治療に対しては文句を言わなくなり、ずっと3ヶ月ゲームだけをし続けてきたのだけれど、夏休みの宿題をしようかなと言い出したのだ。

しかし、3ヶ月も全く勉強をストップしていると、わからないところがわからない状態でどうしていいか戸惑っていた。

そこで、夏休みの課題の中に「いのちの繋がり」という短い作文を書くものがあったので、それを書くように薦めた。

はじめは嫌がっていたけれど、

「今のあんただからこそ書ける文章があるから書いてみ」

というと、渋々汚い字で書き始め、何度かブラッシュアップして出来上がったのがこの作文だ。

『いのちをだいじに』                        

五月、ぼくは病気になりました。

でも病気のことは、わかりませんでした。

こんな大きな病院で治療をするんだと、とてもしんどかった。

髪の毛がぬけて、髪の毛ぬけて笑われへんかな?

じぶんの命は大丈夫か?

と思いました。

まだ、ちょっとしか生きてないな。

病気を早く治そうと思いました。

大きな病気になると、死ぬ場合もあるから命をだいじにしてください。

わたしは、凄いと思った。

こんなに小さくても、ちゃんと自分に起こっていることを理解しているし、治療に対してそれなりに納得しているんだなと感じた。

そして、親のわたしが思っている以上に子どもって「人」なんだなと感じた。

子どもだけどちゃんと「人」で、ちゃんといろんな思考があるんだなぁとわたしはその時気づいた。

わたしのした告知の方法が、正しい方法だとは思わない。

きっとそれぞれの家庭環境があって、それぞれの人間関係があるのだと思うし、子どもによって受け止め方も様々だと理解している。

ただ1つ思うのは、子どもにだって意見があるんじゃないのか?ということだ。

まだ小さいからとか、子どものうちは親に責任があるからとか・・・

大人サイドでブレーキを踏んで重い話を全てシャットアウトしてしまうのではなくて、子どもにもその子に合った形で意見を聞いたり対話をした方が、いいのではないかとわたしは思うのだ。

きっとそれが、その子やその家族にとってのメンタルケアにも繋がるのだろうし、そういうことがきっと「チャーミングケア」の一つの形なんじゃないかなとわたしは感じている。

子どもの視点を伝えたい

チャーミングケアは、子どもが子どもらしくいるための治療以外のトータルケアをさすものです。

今回取り上げたメンタルケアだけではなく、どんな子どもでも可愛らしさやかっこよさを諦めない外見ケアなどの話も、子どもの目線を踏まえた上でクローズアップしていけたらいいなと思っています。

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接種済みワクチン再接種費用助成要望書を厚生労働大臣に提出へ

チャーミングケアラボでも取り上げている、予防接種再接種助成問題。

チャーミングケア

https://charmingcare.org/2018/07/21/vaccination/

(チャーミングケアラボ)

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がんの子どもを守る会様より厚生労働大臣及び都道府県知事宛に嘆願書を提出していただきました。

 

http://blog.canpan.info/nozomi/archive/471

嘆願を提出したら終わりというわけではなく、この問題に関して追跡調査をしていこうと考えております。

 


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ゲストスピーカーin 京都産業大学

チャーミングケアという、病気や障害のあるどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

 

7月10日に京都産業大学にて「組織間関係論」講義中のゲストスピーカーとして、チャーミングケアについてお話をさせていただきました。

大阪商工信金社会貢献賞がご縁に

今回のお話は、先日大阪商工信金社会貢献賞にてソーシャルビジネス部門で受賞した際、大変お世話になった京都産業大学経営学部の佐々木利廣先生よりご縁をいただきました。

子どもの病気や障害とは少し距離のある学生層に、チャーミングケアの世界観をまずは知ってもらいたい!という想いで授業デザインをさせていただきました。

講演会

テーマは「なんでやねん」

どんな内容をお話ししたかというと、

プレゼンテーション

マミーズアワーズショップを病室で子どもに付き添いながら立ち上げた背景からお話しさせてもらいました。

プレゼンテーション

ソーシャルマーケティング的なチャーミングケア

もちろんマジメなお話もさせていただきました。

チャーミングケアは、SDGsを意識した施策であるという話もほんのちょっぴりと。

SDGs

NPO法人Ubdobe(ウブドベ)様より、「デジタルアートと子どもの視点で小児医療・療育を革新する!」デジリハのPVをお借りし、講義中に学生さんたちに見ていただきました。

NPO法人ウブドベ

http://www.digireha.com/

とても反響があり、授業後「僕、実は福祉業界に興味があるんです!」と話しかけてきてくれた学生さんもおり「うん。ウブドベへ行き〜」と2秒で返答しました。

*岩倉副所長は、とっても親切なのでちゃんと対応してました。

学生さんたちからの感想シート

当日200名ほどの学生さんが話を聞いてくれたのですが、授業後感想シートを提出してもらいました。

授業中の質疑応答とは少し違い、初めて聞いた話で興味深かった!であったり、この話を他の人にも伝えます!というような声をたくさんいただきました。

全てのシートに返答を書いてお返ししました!

講義の様子は京都産業大学経営学部のHPでも掲載していただいています!

https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20180801_130_guest.html

今後も色々な場所で講演活動を行なっていきたい!

京都産業大学

「高校生の時の家庭科の先生に激似で、めちゃくちゃ親近感がありました!」

「友達のお母さんみたいな感覚で、馴染みのない話でも聴きやすかったです」

今回は、とっても無邪気な感想をいただきましたが、TPOに合わせた講演デザインが可能です。

研究長石嶋だけではなく、実は他にも講演できるメンバーがたくさんいることもチャーミングケアラボの特徴です。

TOPページお問い合わせよりお問い合わせください。

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闘う細胞不足で感染症にビクビク 頑張ったのに抗体が消える?

チャーミングケアという、病気や障害のあるどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

チャーミングケアラボ

 

暑いですね・・・非常に暑い。学生だと長い夏休みがやってくる季節。

我が家は現在白血病治療中の子を含む3人兄弟全員が小学生になったのですが、去年までは幼稚園児がいました。

幼稚園って、どうして学期末ごろになると感染症が蔓延するみたいな状態になるのでしょうか?

もはや、それも季節の風物詩的なものになっており・・・

ここ2年間、白血病治療中の子どもがいる我が家には脅威でした。

長男の白血病治療は、1年間を入院治療。残りの約1年間を抗がん剤の経口薬を飲んで治療していきます。

とはいっても、抗がん剤です。日常生活を送ってはいるものの、普段と全く同じというわけにはいきません。

気をつけることの一番が「感染症」なのです。

闘う細胞。体の中にいったい何人兵隊がいるの?

白血病の治療は、白血球の値をコントロールして行います。

コントロールすることにより、例えるなら体内にいる兵隊が健康体の人であれば1万人くらいいるところが、我が子は2000人から3000人ほどに減った状態を保つのです。

そこにウイルスがやってきて、体内戦争が起こったらどうなるかを想像してみてください。

1万人と2000人、完全に兵隊不足であり戦いに不利なことは明確です。

つまり罹患してしまうと、非常に治りにくいし、その体内戦争に負けてしまうと入院を余儀なくされる場合もあります。

感染症の種類によっては最悪危険な状況に陥ることもあるのです。

そのため自宅に戻ってからのこの1年間は感染症のシーズンになると、罹患していない兄弟までも学校を休ませて防衛していました。

治療によって予防接種の抗体が消える???

そして、そんな中、ちょっとした情報が私の元に舞い込みました。

  • 抗がん剤治療が影響して、今までに摂取してきた予防接種の抗体が消えてしまっている可能性がある
  • その抗体を再接種するにあたり市町村で助成がおりず全額負担をしたら、20万円以上かかったので市町村宛に助成嘆願をした

というものでした。

「な・・・なんですと!!!うちはどうなん??」

とまず思いました。

すぐにその抗体問題の事実確認を取りました。

  1. 骨髄移植など免疫抑制剤を使用した治療の子は確実に抗体がなくなる。
  2. 抗がん剤単体でもなくなった事例はあるが、エビデンスが揃っていないため確定はできないけれど、一部接種済みの抗体がなくなってしまう傾向がある。

「エライコッチャやないですか!他人事ではないやん!」

早速、自分が住む市町村に問い合わせました。

すると数日後、「どうやら骨髄移植治療に限定されているけれども、大阪府から助成の計画があるようです。」と返答をもらいました。

「なぜ骨髄移植だけ?抗がん剤治療のみのうちの息子は適応外ということになるやないか!

治療頑張ったが故のことやのに・・・その限定的な感じはどういうことやねん!」

と思い、調査を始めました。

それぞれの感染症への考え方(患児の保護者への聞き取り調査)

そんな中、GW前後に「はしか」が流行しました。

まだまだ闘う細胞不足のうちの息子。

さらには抗体が残っているかどうかも治療中なのでわからない状態でした。

そうなると、人ごみへの外出はリスクでしかない状況でした。

だからといって、白血病に罹患している本人もそうですが、そのほかの兄弟も世間が連休で色々出かけてる中、家に缶詰じゃ辛いですよね。

それは・・・推奨しているチャーミングケアとは程遠い。

結局私たちは、運営している子供のお見舞い品のショッピングサイトの一部収益の寄付先にもなっている神戸のチャイルドケモハウスに宿泊することにし、それなりのGWを満喫しましたがーーー

チャイルドケモハウス

他地域ではどう過ごしたのか?ちょっと聞いてみました。

Aさん:

うちは骨髄移植してるからねぇ。まだ予防接種打てる時期じゃないから、はしか・・・怖いやん。そんなんもらっても困るし、もし万が一もらってしもたとして、それ・・・うちらにうつっても怖いから、とりあえず親の私らが予防接種、念のためにしたわ。

*麻疹風疹の予防接種は、世代によって抗体がついていない世代があり・・・ちょうどそこの層が、私たち親の層に当たるのです。私も予防接種は子供が白血病になった時点で自費で追加接種しました。

Bさん:

どこも行けないよね^^;怖いし、うちまだ外来で抗がん剤治療中だし・・・せいぜい公園でキャッチボール程度かなぁ。

はしかって、まだ下の子が予防接種してなかったりするんだよね。

もし万が一罹患してしまったら家族内パンデミックだし、保育園とかに知らない間に充満させてしまう可能性もあるから・・・うちだけの問題でもなくなってくるよね。そうなると・・・

Cさん:

もう治療終了してだいぶんと経っているけど、最後の抗体検査でうちは意外と全部抗体あったんだよ。

手術とかしてるのに・・・奇跡だなと^^; 本当かなぁ・・・逆に不安になるなぁ。。。でも全部大丈夫って言われたなぁ。

Dさん:

うちは幼児期の心臓移植組なんで、移植の前に予防接種で打てるものは全部打っちゃうんですよ。

移植後は無理なのわかってるから

抗体が消えたりつかなかったり・・・はあると思うけど、症例自体が本当に少ないので、特例措置で助成してくれたりしましたよ。初回はね。

 

なるほど・・・特例措置ーーーそういうのもあるのか。

未接種状態でいることへのリスク

当事者側への聞き取り調査では、費用面での不安が前提ではありますが、なぜ予防接種をしない状態でいることが怖いのか?ということへの意見が多く得られました。

予防接種を受けられない我が子への感染の恐怖感ももちろんあります。

それと同時に、我が子からさらに感染が拡大することへの恐怖感を語ってくれたのがとても印象的でした。

予防接種は、予防接種法により接種する月齢が定められています。

ですので、低年齢の子どもには免疫がついていない場合がほとんどなのです。

そして、コメントの中にもありましたが、その抗体は必ずしも定着しているものとも限らないのです。

例えば、私のような40代の年齢層は麻疹風疹の予防接種の回数が1回の世代なので、抗体がついていない場合が大多数だと言われています。

私は息子が病気になったと知った段階で、抗体検査を受けて、自費で予防接種を打ちました。

そういった、抵抗力のない層に、はしかのような感染症が広がってしまったら・・・

考えただけでも恐ろしくなります。

チームで予防接種問題に取り組もう!

さて、GWの過ごし方を聞いている時点で想像がつくかと思いますが・・・

時はもう5月、予防接種を管轄している市町村の議会開催は6月がほぼほぼです。

大阪府や私の住む市町村の予防接種担当課に連絡をしたところ、

「『確実に抗体のなくなる骨髄移植に限定して、注意喚起のために有効期限つきで』

本来であれば市町村が管轄する予防接種の助成を、都道府県である『大阪府』がフォローをした」

というのが実情だとわかりました。

  • 注意喚起ということは、各市町村で助成が実施されることは話が別ってこと?
  • 府の有効期限が切れたらどうなるの?
  • 骨髄移植以外の適応範囲の人たちはどうなるの?
  • 他府県はどうしているの?
  • そもそも、小児がん患児の予防接種事情を、当事者以外の人ってそこまで理解してる??

様々な疑問が浮かびましたが、

とりあえず、この予防接種の再接種問題が大阪府下にある市町村の議会議案に乗らなければ話にならん!

これは、時間的なことを考えると、どこか他の大きな団体に頼まないと広報して回るのは無理やぞーーーと瞬時に私は感じたので、頼む先を当たってみました。

ちょうどやり取りをさせてもらっていた「がんの子どもを守る会」という患者の会が、協力してくれる事になりました。

がんの子どもを守る会

  • 予防接種を管轄している全国の市町村で、情報がバラバラ。できれば一元化したい
  • 全国で市町村に嘆願しているのは、全て患児の親。負担が大きいのでは?
  • 情報を知らずに助成を受けず、経済的な理由で予防接種を受けないという選択肢を無くしたい

 

そういった内容の相談も、がんの子どもを守る会にしたところ、

協力してくれていた嘆願経験者の名古屋、大阪、京都などの方にも情報を共有して、全国嘆願に関してはがんの子どもを守る会にお願いする形となりました。

チャーミングケアラボとしては、大阪府にきちんと情報を伝えよう!と、各市町村にがんの子どもを守る会の関西支部と手分けをして、一件一件に電話連絡をしました。

結果、ほぼ全ての自治体が大阪府の条例通りの措置にとどまっていることが判明し、私たちの説明により、実情は少し理解していただけた様子でした。

来年度の予算化にあたり、継続的にフォローしていかなければいけない話だなと、とても感じた調査結果となりました。

全国に目を向けると、この予防接種の助成問題に関して、そもそも制度化されていない自治体の方が多いのが現状です。

全国へはがんの子どもを守る会が嘆願書を制作してくれています。

そこには、移植だけでなく、抗がん剤単体での治療の子どもたちにも適応範囲を広げてフォローしてほしい旨を記述していただきました。

私たちの疑問&継続調査

今回の嘆願活動により、そもそも予防接種の管轄ってなんで市町村なんだろう?っていう疑問が湧き上がりました。

  1. もっと一括でまとめられたら、こんな全国でバラバラの動きをしなくてもいいんじゃないのか?
  2. 私たちの持っている医療費などの管理表「小児慢性特定疾病医療費受給者証」が管轄できないのかな?

というのが大阪・京都・名古屋の当事者サイドの疑問として声が上がりました。

そして、保護者の声の一つに

「この子は、昔なら亡くなってた子なんですよ。だけど今は救われる。

日本の制度はそこに追いついてないから、予防接種だけに限らずこの子のための制度がないんです。

なんか、存在してるけど・・・存在してないみたいな気分になる時があります。」

というものがあり、とても心に残っています。

決して嘆願したら終わりではなく、制度化されるまで今後も引き続き調査をしていかねばならない分野であることは間違いないと感じています。

 


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